CLUB HOUSE

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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2008年6月11日

「少年サンゴリアス」 Vol.12 元 申騎
『活発な鍵っ子』

少年サンゴリアス 元申騎写真1

僕が1歳の時、僕を連れたお父さんとお母さんはトランク1つ持って、中国から日本へ来ました。お父さんは中国人、お母さんは日本人。もちろんその頃のことを僕は覚えていませんが、記憶にあるのは、両親が働いていたし、子どもの頃は鍵っ子だったなということです。

小学校から帰って来ると、家の鍵を開けて、毎日「よし、今日は何で遊ぼうか」と考えるのが楽しかったですね。内職みたいな感じで、いろいろと物を作ったりとか、あとは家から川が近かったので、荒川なんですけれど、その荒川で遊んだりとかしていました。決して家の中だけで遊んでいた鍵っ子ではなくて、活発な子でしたよ(笑)。

家の中では絵を描いたりしていました。キン肉マンです。自分で架空のものを描くのが好きで、キン肉マンのストーリーに出せそうな超人を、自分でアレンジして描いていました。それが膨らんで楽しかったですね。そのノートどこへいったんだろうなぁ?鉛筆で描いてました。それからプラモデルをやったりとか、本も読んだりしていました。家の中でカブトムシを飼ったり、金魚も飼っていましたね。

カブトムシは家の裏がゴルフ場だったんですが、夜に父親と一緒に入って行って、穴場があって虫取り網で採っていました。虫取り網の凄く長くした様なやつで採るんですよ。9割採れますよ(笑)。夜の9時、10時。懐中電灯で照らして、もうそこの樹にしかいないというところがあったんです。そこの樹を目がけて歩いて行くと、採れたんです。いまでもある熊谷の荒川沿いのゴルフ場です。

少年サンゴリアス 元申騎写真2

うちの親父は厳しくて、夕方5時半に田舎だと「良い子の皆さん」ってチャイムが町に流れるんですが、そのタイミングで帰らないとダメなんですよ。小学校も高学年ぐらいになると活発になるじゃないですか。でもそのチャイムが鳴る前に家にいないと怒られるんです。自分が違う土地で働いているんで、親父は心配だったんでしょうね。いま僕が2人の娘の父親になって思うには、夕方家に帰って来て子どもがいないと心配だったんだと思います。

妹が出来たのは小学校1年生の時でした。6歳違います。僕が玩具のエアガンを買ってもらった時に、的を撃とうとすると前でわざと邪魔してウロチョロするんですね。それでやめろって言っているうちにとうとう太腿にバシッて当たっちゃって、それを親父が帰ってきたら甘えるんですよね「お兄ちゃんにやられた」って。そうしたら親父は無言で買って間もないエアガンを、膝でへし折りましたからね。衝撃でしたね、僕の大切な宝物を折られて、自分の心も折れた様な感じでした(笑)。しょんぼりしましたね。父親は恐かったですね。

父親は家具の工場とかへ行っていましたが、休日に中国語の先生をしていました。何でだかわからないんですが、その受講者の半分以上が、高校の教師が半分以上で、ほとんどが教員だったんですね。普通は父親が仕事終わりに、どこかのところへ行って教えていたんですけれども、土日に盛り上がるともっと教えてほしいということで、家にも来るんです。父親としたらアルバイト的なものだったんでしょうね。

それで先生に対する親父の中国語のセッションが終わると、今度は先生たちが僕の家庭教師になるんですよ(笑)。それが嫌で嫌で。数学とか国語の先生が多くて、何人も家庭教師がいる様な感じでした。父に1時間教わったら僕に1時間教えるみたいな感じなんですが、子どもの時、土曜日はやっぱり外へ出たいじゃないですか。でも一生懸命教えて貰っているので、ちゃんと教わってはいましたけれど。

外ではザリガニつかまえたり、魚釣りしたり、カブトムシを採ったりしていました。荒川には友達と行って焚き火をしたり、ボートを作ったりして遊んでいました。最初、段ボールでボートを作ってダメで、次に発泡スチロールでボートを作ってもやっぱりダメで(笑)、いろいろやっては川に落ちていました。氷の張った荒川を歩いてビショビショになったりしましたね。小さい時って大人の考え方とは違って、大人だと「絶対歩けないだろう」と思うんですけれど、当時は「絶対歩ける」と確信して歩いてましたからね(笑)。

子どもの頃、想像して作っていた部分はいまでも残っていて、最近でも自分で何かを作りたくなっちゃうというのはあります。こちょこちょ車を治したりするのも好きですし、ボーンカービングというポリネシア系の人がしているネックレスがあるんですが、骨とか角とかを削って釣り針みたいのを作るんです。妹は英語ができるので、妹に頼んでニュージーランドのボーンカービングの本なんですけれど、それを取り寄せてもらって、自分で家で作ったりしています。

少年サンゴリアス 元申騎写真2

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