AVC MEN'S CHAMPIONS LEAGUE JAPAN 2025 3位決定戦 5/18(日)
- 開催日時
- 2025年5月18日(日) 12:05
- 会場
- 島津アリーナ京都
3
- 25-15
- 25-15
- 25-19
WIN
0
試合経過

アジアチャンピオンズリーグ・3位決定戦。サンバーズは、イラン代表フーラード・シールジャーン・イラニアンと対戦した。この試合が、2024-25シーズン最後の試合。今季のメンバーで戦うラストゲームとなる。
第1セット、サンバーズはムセルスキーのスパイクで最初の得点を挙げると、アラインのサーブで崩し、髙橋藍のスパイクなどでブレイクし8-4とリードした。髙橋藍がサーブで崩し、喜入の好守備をムセルスキーが得点に繋げたり、佐藤が強烈なクイックを決めて12-7と点差を広げる。さらに、髙橋藍が狙いすましたショートサーブでエースを奪い13-7、佐藤が相手のクイックをシャットアウトし14-7と一気に引き離す。その後も小野寺のブロック、クイックなどでブレイクを重ね大差をつけ、セットを先取した。
前日の敗戦で、目指してきたアジア1位と世界クラブ選手権出場の可能性が消え、この日は難しい試合だったが、前日のショックを感じさせない鮮やかなスタートを切った。髙橋藍は言う。
「もちろんメンタル的、コンディション的に難しいところもありましたが、何のためにバレーをしているのかを考えた。今日の1試合が、このチームでできるラスト。仲間のため、自分のため。プロのバレー選手としてやっている中で、1試合もムダにできない。この1試合で経験できるものも必ずある。もちろん会場に足を運んでくださったりテレビで観てくださる方々のためにも。今日も会場がすごくいい雰囲気でした。そういう方々がいるから自分たちは試合ができている。そういう人たちを裏切れない。もちろん自分が好きでバレーをやっていますし、この場に来られていない選手、チームの分まで戦う役割がありますから」
前日の準決勝で悔しさを噛み締めたリベロの藤中颯も、ギリギリのところで気持ちを立て直し臨んでいた。前日は第5セットのデュースで、アル・ラーヤンのティネ・ウルナウトにサービスエースを決められ、それが最後の得点となっていた。
「昨日は本当にすごく悔しくて......最後、落としてしまったっていうのが。あそこは、迷ったのもあるし、足が動かなかった。今季はSVリーグも天皇杯も優勝して、いい結果で来れていたので、心のどこかに、世界クラブにも行けるんじゃないかという思いがあった。そういう部分は本当に甘かったと思うし、最後の最後にやっぱりああいうシチュエーションって絶対に来ると思うので、教訓として。切り替えたくはないですけど、次に繋げられたら、と」
第2セットも小野寺、ムセルスキーの連続ブロックで3-0と好スタートを切ると、ムセルスキーが強烈なサーブで連続エースを奪い7-2とリードを広げる。その後、小野寺、大宅もサービスエースを奪い13-5と大差をつける。さらにムセルスキーがこのセット3本目、4本目のサービスエースを奪い18-9。サーブで圧倒したサンバーズがセットを連取した。
第3セットはサンバーズにミスが続き1-4と出遅れたが、小野寺のブロックで相手の流れを止めると、アラインのサーブで崩し、小野寺のクイック、ブロックで3連続ブレイクを奪い5-4と逆転。その後、再び引き離されるが、髙橋藍がショートサーブとパワーサーブを織り交ぜながら立て続けに相手を崩し、アラインのブロックやスパイクなどで5連続ブレイク。14-10と一気にリードした。
終盤にはリリーフサーバー甲斐のサーブを起点にブレイク。そして再び髙橋藍にサーブが回ると、力強いサーブでエースを奪うなど再びブレイクを重ね、その髙橋藍のパイプ攻撃でマッチポイントを握った。最後は藤中颯が相手の強力なサーブをきっちりと返し、セッターの大宅はムセルスキーにトスを託す。ムセルスキーが冷静に、ダイナミックにスパイクを叩き込み、25-19でゲームセット。
今季58試合目となったラストゲームに3-0で勝利し、サンバーズは銅メダルを獲得した。
今大会を最後に退団するセッターの大宅は、「やり切ったという気持ちもあるし、寂しいですね。ただただ『終わらないでほしい』と思いながら今日はやっていました。平常心ではできなかったですね。『キレイに決めさせよう』という思いがいっぱい出てきて、相手ブロックも見えていなかったし、コンビミスも多かった。それが自分かな、今の実力かなと思いながらも、表情だけは暗くならないようにと思っていました。今シーズン、笑顔というのは大事にしてきたので、そこは最後までやりたかった」とラストゲームを振り返った。
サンバーズで上げる最後のトスは、決めていた。
「どんな形でも、最後はディマ(ムセルスキー)に上げると僕は決めていました。自分が入団した時からずっと一緒にいたし、間違いなく僕を成長させてくれた選手。本当に、感謝し切れないぐらい学ばせてもらったので、最後は絶対にディマに上げて今シーズンを締めくくると、今大会に入ってからずっと思っていました。彼はまず人間性が素晴らしい。他の選手への声の掛け方やタイミング、言葉のチョイスも完璧。自分がキャプテンをやっていた時は、『ディマだったらここでこんなこと言うよな』と考えながらやっていました。
今シーズン、彼に『100%、君を信じて毎回入っているから、困った時は持ってきて』と言ってくれたことがすごく心に残っています。すごい選手からそういう信頼をつかめたことは、自信になるし、現役が終わった頃に自慢できますね(笑)。最後は『僕のトスを打ってくれてありがとう』っていう気持ちで、トスを上げました」
オリビエ監督は「(大宅)真樹と(藤中)謙也とディマは長年中心として支えてきてくれた、サンバーズの歴史でもある」と語る。優勝から遠ざかっていたサンバーズを、3人が核となって常勝チームへと進化させてきた。そのうちの2人、大宅と藤中謙が今大会限りで退団することになる。
出場機会なくラストゲームを終えた藤中謙は、試合後、ムセルスキーに抱きしめられると涙があふれた。
「僕は内定時代を含めて10シーズンになりますが、今いる選手の中ではディマが一番長くやってきて、いろんな思い出があります。いい思い出もあるし、今シーズンだったり......、勝てなかった時期も彼と一緒に過ごして、いろいろなことを学ばせてもらい、苦楽を共にした本当に信頼できる選手。試合後は『次のシーズンもあるから、お互い頑張ろう』と声をかけてくれました。シーズン中も、よく声をかけてくれてたんで......」
そう話しながら、声を詰まらせた。肩を震わせ、ユニフォームで涙を何度もぬぐう。一呼吸置いて、こう声を絞り出した。
「今シーズン、本当に悔しい......苦しい時期も多かったんですけど......、その中で、気にかけて、声をかけてくれた。本当に支えてもらい、彼から学ばせてもらうことが多かった」
昨季まで不動のレギュラーとして優勝に貢献してきたが、今季は出場機会が激減し、その悔しさはいかばかりだったか。しかしシーズン中は不安や不満を、言葉にも表情にも出さず、主将としてチームをまとめ、支えてきた。だが最終戦を終え、感情があふれた。
来季は、サンバーズと対戦する立場になる。
「今シーズンは自分の力不足も痛感しましたし、この経験を来シーズンに活かさないと、本当にこの1年がムダになってしまうので、僕自身も成長し続けられるように、新しいステージでも頑張っていきたいなと思います。対戦することになれば、もちろん敵なので、自分の成長を見せつけるというか、本当に全力で倒しにいくという気持ちで。サンバーズに対して、その姿勢を見せられたらなと思います」
彼らを中心に築いてきた強いサンバーズの魂と礎はこれからも生き続ける。そしてその上にさらなる進化を積み上げながら、サンバーズはこれからも"世界一"を目指し続ける。



