試合日程・結果

GAME

2024-25 大同生命SV.LEAGUE MENチャンピオンシップ ファイナル GAME2

開催日時
2025年5月 5日(月) 16:10
会場
LaLa arena TOKYO-BAY
サントリーサンバーズ大阪
サントリーサンバーズ大阪

3

  • 29-27
  • 25-16
  • 25-22

WIN

0

ジェイテクトSTINGS愛知

リザーブメンバー

試合経過

"SVリーグ初代王者"として名を刻む。その目標達成まで、あと1勝。

 2024-25大同生命SV.LEAGUEファイナル第1戦に勝利し、優勝に王手をかけたサンバーズは、ジェイテクトSTINGS愛知とのファイナル第2戦に臨んだ。

 第1セットの立ち上がり、サンバーズはいきなりパイプ攻撃をシャットアウトされるが、その後両サイドの攻撃でリズムよくサイドアウトを重ね、中盤に入ると髙橋藍のパイプ攻撃、小野寺のクイックで得点した。12-14と先行されるが、髙橋藍がレシーバーの前を狙った得意のショートサーブでエースを奪い15-15と追いつくと、大宅の好守備をムセルスキーが得点に繋げ16-15と逆転。さらに髙橋藍のサーブでプレッシャーをかけ、ムセルスキーのブロックで仕留めて17-15とリードした。

 しかしSTINGS愛知の巧みなスパイクで追いつかれ、デュースに突入。ミスが出て逆転されるが、小野寺のサーブで崩し、ムセルスキーがカウンターアタックを決め28-27と逆転。佐藤のブロックで相手の攻撃を阻み、髙橋藍がレフトからスパイクを決め29-27。白熱の第1セットをサンバーズが制した。

 第2戦の会場・LaLa arena TOKYO-BAYは初めて使用するアリーナで、第1セットは両チームともサーブミスが多く出たが、その中でいち早く適応した髙橋藍が中盤、サーブで流れを変えた。

「初めての会場なので、試合当日のアップと試合の中でどうコントロールしていくかが重要でした。サーブを攻めて打っていく中で感覚をつかむというマインドだった。サーブミスが多い中でも自分たちのリズムを崩さず、最後1点を取り切れたし、サーブを1セットの中でしっかりとコントロールして、2セット目に活かせたのは大きかった」と髙橋藍。

 第2セットは、大宅もサーブで流れを引き寄せる。ノータッチエースを決めたり、サーブで揺さぶりムセルスキーのブロックや相手のミスで5-0とスタートダッシュに成功。さらに、髙橋藍がサーブとディグでチャンスを作り、アラインが立て続けにスパイクを決めて8-1と突き放す。追い上げられても、ムセルスキーのブロックなどで再びリードを広げた。

 スタンドから「イチ、ニ、サンバーズ!」コールが沸き起こる中、小野寺のクイックなどでサイドアウトを重ねていく。髙橋藍が相手レシーバーの逆をつくノータッチエースを決めて19-9と大差をつけ、セットを連取した。

 第3セットもムセルスキーや髙橋藍のスパイクでブレイクし先行するが、STINGS愛知のサービスエースやブロックで逆転され、堅い守備から切り返され10-13とリードされた。それでも、リリーフサーバー甲斐のサーブがネットインエースとなり15-15と追いつく。終盤には大宅が好守備で粘り、ムセルスキーが得点に繋げたり、相手のミスでラリーを制し21-19とリードした。

 その後追いつかれるが、小野寺のクイックですぐに流れを切り、ムセルスキーがノータッチエースを決め23-21と再びリード。髙橋藍のパイプ攻撃で24-22とチャンピオンシップポイントを握る。最後は、髙橋藍が客席まで懸命にボールを追ってラリーに持ち込み、シリフカが好守備でチャンスを作ると、喜入が託したトスをムセルスキーが冷静に、相手コートのサイドライン際に突き刺し、25-22でゲームセット。

 走り回るシリフカに大宅が飛びつき、コートにひざまずいて雄叫びをあげる髙橋藍を、ベンチから駆け寄った兄の髙橋塁が抱きしめる。思い思いに感情を爆発させると、やがてコートに赤い歓喜の輪ができた。49試合もの激闘を乗り越え、サンバーズがついにSVリーグ初年度の頂点に立った。

 第1セットこそデュースの接戦となったが、この日は磐石の試合運びだった。サンバーズのブロックディフェンスがはまり、STINGS愛知のスパイクを再三阻んだ。ファイナル第1戦の勝利が間違いなく布石となっていた。

 第1戦は終盤、身長218cmのムセルスキーが、ブロックに跳ぶ位置をその都度チェンジしながらブロックポイントを量産した。最後はレフトの位置にブロックチェンジしていたムセルスキーが、宮浦健人のスパイクを止めてゲームセットとなっていた。そのブロックがこの日も相手にプレッシャーを与え、ブロックをさけて打ってきたボールを藤中颯や髙橋藍、大宅を中心に粘り強く拾い、STINGS愛知のアタック決定率を38.5%に抑えこんだ。

 ブロックチェンジは、ベンチからの指示もあれば、ムセルスキーが判断し周りに伝える場合もある。リベロの藤中颯はこう語る。

「第1戦を踏まえてブロックとディグの関係性を変更したり、細かい部分を詰めて、今日はうまくハマった。みんながすごく集中力を持ってミーティング通りのことを発揮できた。ディマ(ムセルスキー)のスイッチ(ブロックチェンジ)に関しては、こっちのほうが相手の決定力が高いとか、ここにトスが上がる可能性が高いと読んで判断していると思いますが、ディマはすごく経験豊富なので、そこは任せて、ブロックがスイッチしたら、それに合わせて後ろもしっかりシフトを敷いていました。

 第1戦の最後が、ディマがスイッチした状態でシャットアウトするという、相手に嫌なイメージを与え、考えさせる終わり方だったことが、今日勝てた一つの要因かなと。第1戦と第2戦は繋がっていたと感じました」

 第1戦で40得点、第2戦で21得点とチーム最多得点を叩き出したムセルスキーは、最後の得点を決めた瞬間を振り返り、「ただただ安心しました」と微笑んだ。

 優勝できた要因としてムセルスキーが挙げたのは「メンタル」だ。

「チームの中でいい雰囲気を保てたし、スパイカーとセッター、ブロックとディグの連携面も強みになっていたと思う。でも個人的に、一番大きかったのは、チームに勝者としてのメンタリティーが備わっていたことだと思います」

 サンバーズは昨季までも4シーズン連続でファイナルに進出し、そのうち3度優勝していた。

 その常勝チームに今季加わった選手の1人が髙橋藍だった。当然プレッシャーもあった中で、期待に応え続けた。このファイナル第2戦では71.4%という高いアタック決定率を残し、守備やサーブでも貢献してチャンピオンシップのMVPを獲得した。

「まずSVリーグ初代王者になることが、自分の責任でもありましたし、チームの目標だったので、優勝を成し遂げられたことに非常にホッとしています。シーズンを通してサンバーズみんなで戦って、成長しながら、このファイナルに合わせられて集大成を出せた。"1点"にこだわってきたものが最後出せた。今シーズン一番いいバレーボールが今日できたんじゃないか」と自信に満ちた表情で語った。

 スパイカー陣の高い決定率を引き出したセッター大宅のトスワークも冴え渡った。

 試合の立ち上がりにアラインのパイプ攻撃がブロックされたが、その1本で相手ブロックのマークを確認すると、そこからは両サイドの攻撃を軸にして相手ブロッカーの意識をサイドに向け、その後、クイック、パイプ攻撃を増やして相手を翻弄した。それは周囲の助言のおかげでもあると大宅は感謝する。

「(小野寺)太志や下川が『今相手のブロックはこうだから、こっちのほうがいい』というふうにいろいろ言ってくれた。今日の試合前、下川に『最後ぐらい、試合中にアドバイスしてよ』と言って、初めてアドバイスをもらいました(笑)。彼もファイナルを一緒に戦っているという気持ちに持っていきたいという思いもあった。セッターって1人ではどうしてもメンタル的にキツくなるシーンが出てくるので、そこは(西田も含め)セッター3人でチームを作って来たことを自覚してほしい気持ちもあったし、これからの選手なので。今日のアドバイスがすごく的確だったので、もっと早く言って、シーズンを楽に戦いたかったなと思いましたけど(笑)、本当に助けられました」

 オリビエ監督が「選手、スタッフ、全員がハードワークしたことを誇りに思う。サンバーズは素晴らしいファミリーだ」と胸を張っていたように、途中からコートに入った選手や、この日コートに立てなかった選手も、全員がチームのために役割を果たした。

 藤中謙キャプテンもその1人だ。昨季までは不動のレギュラーだったが、今季は出場機会がわずかだった。それでも1人1人に声をかけたり、チームがまとまるようさりげなく動き続けた。

「キャプテンという立場でもあったので、そこはもう自分の中で、コート内外、プライベートも含めて切り替えながら。この1年で現役が終わるわけではないので、長い目で見て、自分が成長できたらなと思いながらやっていました。客観的に周りを見渡す時間も多くあったので、いろんな人の顔を見て、調子、気分やコンディションを気にしながら。まずはチームが勝つことが一番で、自分が出る出ないは別の話。勝つためにできることを探しながらやっています」と語っていた。

 優勝後の表彰式では、完成したばかりのチャンピオントロフィーを、メンバーの真ん中でキャプテンが力強く掲げた。

 大きな目標を一つ達成したが、サンバーズの戦いはまだ終わらない。

 5月11日からは、世界クラブ選手権出場がかかるアジアチャンピオンズリーグが始まる。

 小野寺は「各チームのレベルが高いこのSVリーグで優勝できたことは僕らの自信になりました。次はアジアチャンピオンズリーグに向けて、またチームで挑んでいきたい」と意気込む。

 髙橋藍も「目標である"世界一"につながる通過点」と更なる高みを見据える。

 技術と戦術、経験値、そして結束力が勝負強さを生み、日本一に輝いたサンバーズが、次に狙うのはアジア王者だ。

2024/25シーズン

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