第72回黒鷲旗 全日本男女選抜バレーボール大会(予選第1日)
- 開催日時
- 2024年5月 1日(水) 17:30
- 会場
- Asueアリーナ大阪

3
- 25-20
- 27-25
- 25-12
WIN
0

試合経過

5月1日、黒鷲旗全日本選抜バレーボール大会が開幕した。Vリーグ優勝に続く二冠を狙うサンバーズは、グループ戦初戦で駿台学園高校と対戦した。
第1セットは駿台学園高の粘り強い守備に苦戦し、ブロックやサービスエースなどで5-8と先行される。染野のパイプ攻撃で追い上げるが、その後ミスが出て引き離される。嫌なムードが漂いかけたが中盤、甲斐が強力なサーブで流れを変える。サーブで崩して自らバックアタックを決めて12-12と追いつくと、今度はサービスエースを奪って13-12と逆転。その後もサーブで攻め続け、染野のブロック、樫村のスパイクで連続得点を続け15-12と引き離した。終盤にも甲斐のサーブから染野のスパイクでブレイクするなど連続得点を奪って点差を広げ、セットを先取した。
第2セットも立ち上がりは先行されるが、甲斐や佐藤のスパイクで攻撃のリズムを作る。中盤スパイクミスが続いて8-11とリードされたが、甲斐、染野、樫村の3連続ブロックで12-11と逆転。その後は染野のスパイクや樫村のクイックなどでリードをキープする。追いつかれても、兪と甲斐の連続ブロックで19-17と再び先行。しかし終盤、スパイクミスが出て逆転されると、クイックを阻まれてブレイクされ20-22とリードされた。
それでも、駿台学園高出身の染野が力強いサーブを打ち込んで相手のミスを誘い23-23と追いつくと、続くサーブでも崩して染野が自らパイプ攻撃を決め24-23とセットポイントを握る。デュースに持ち込まれるが、最後は西田のサーブがネットインエースとなり、辛くもセットを奪った。
第3セットは立ち上がりからサンバーズが走る。兪のサーブで揺さぶり、甲斐や染野のスパイクなどで3-0と好スタートを切った。このセットから入った柏田のスパイクなどで6-1とリードを広げる。中盤も、染野がサービスエースを奪うなどサーブで揺さぶり、兪のスパイクでブレイクし12-3と突き放す。西田の連続ブロックも決まって大差をつけると、終盤は染野のサーブから、甲斐がバックアタックを決めてブレイク。最後は柏田のブロック、佐藤のクイックで締めてゲームセット。セットカウント3-0で白星スタートを切った。
優勝に向けて重要な初戦の流れを作ったのは甲斐と染野のルーキー2人だった。第1セットは相手に先行されたが、中盤、甲斐が強力なサーブを立て続けに打ち込んで連続得点につなげた。
Vリーグ決勝から今大会までの約1ヶ月間は、武器のサーブを磨いてきたと甲斐は言う。
「スピードとかボールの回転を意識してやってきました。回転を強くかけたり、逆に無回転気味にしたり、それをコントロールできるように。駿台学園は速いコンビバレーが持ち味なので、サーブで崩していかなきゃいけないと、思い切り打ちました」
そのサーブから、再三ブレイクのチャンスを作った。
駿台学園高OBの染野は試合後、「すごくやりづらかった。去年駿台学園に教育実習に行ったんですけど、その時の生徒たちが今の2、3年生にいるし、コーチは自分の同期なので、癖がバレてるんじゃないかとすごく嫌で」と苦笑したが、大事な場面で得点を奪ったり好守備を見せ、勝負強さが光った。
「自分と甲斐にとっては数少ないアピールできるチャンスなので、2人で元気よく、楽しみながらやろうというのは言っていて、それはできたのかなと思います。今大会でチャンスをつかみ取りたい。自分の良さは、ディグやサーブレシーブをしっかりこなしながら、ネットぎわの冷静なプレーもできるところだと思うので、そういう部分を出していきたいですね」
小学生の頃から、目標としてきた選手は藤中謙也だという。
「謙也さんが春高に出ている姿を見て衝撃を受けました。自分はああいうプレースタイルが好きだったので、ずっと目標にしてきた。サンバーズに入って改めて、やっぱりそこが自分の目標だなと思ったんですけど、でもその謙也さんを抜かなきゃいけない」
強さを維持するためには、チーム内競争は欠かせない。主力のポジションを奪おうとする勢いのある若手の突き上げこそが、チームをさらなる高みへと押し上げる。