2024-25 大同生命SV.LEAGUE 4月5日(土) 大阪ブルテオン戦
- 開催日時
- 2025年4月 5日(土) 13:05
- 会場
- おおきにアリーナ舞洲

3
- 27-25
- 23-25
- 20-25
- 25-22
- 25-23
WIN
2

試合経過
2024-25大同生命SV.LEAGUEレギュラーラウンドは残り4試合となった。12連勝中で前週2位に浮上したサンバーズは、首位・大阪ブルテオンと対戦した。サンバーズが敗れると、ブルテオンのレギュラーラウンド1位通過が決まる。
第1セットはアラインのサーブで崩し、ムセルスキーのスパイクで7-4とリードした。ブルテオンの堅い守備に拾われ、ブレイクを重ねられて逆転されるが、佐藤、アラインのノータッチエースで15-14と逆転した。ブルテオンの強力なサーブに耐え続けていたサーブレシーブが終盤に崩れて逆転され、セットポイントを握られるが、髙橋藍のパイプ攻撃でデュースに持ち込むと、ムセルスキーの好守備を髙橋藍がコートの外から繋ぎ、ムセルスキーがスパイクを決めて26-25と逆転。柏田のサーブで揺さぶり、再びムセルスキーがバックアタックを叩き込み27-25。苦しみながらもセットを先取した。
第2セットはブルテオンの堅い守備から切り返されて5-9とリードされる。サンバーズもアラインがボールに食らいついて繋ぐなど粘りを見せるが得点につながらない。すると中盤、怪我のため離脱していた小野寺が約2ヶ月ぶりにコートへ。いきなり相手のクイックを防ぎ、ブルテオンのオポジット・西田有志のレフトスパイクに対し、ブロックの手を引いてスパイクミスを誘い11-12と追い上げた。
「最初のクイックは、(ブルテオンのセッター)永露(元稀)が使ってきそうだなと思ったので頭に置いていた。西田のスパイクについては、僕の隣がディマ(ムセルスキー)のブロックだったので(ムセルスキーを狙わず)僕の脇を抜くか、ブロックアウトを狙ってくるだろうなと思った。体勢を見たらブロックアウトを狙ってきそうだったので、手を引いて、もし入っていたら後ろに任せようぐらいの感じでした」と小野寺。久しぶりの試合で「試合勘は薄れていた」と言いながらも、冷静な観察と駆け引きがハマった。
その後、ムセルスキーのサービスエースや大宅のブロックで追いつくが、強力なサーブで崩され16-20と引き離された。サンバーズも粘りを見せ、小野寺が大宅との息のあったクイックを決めて追い上げるが、あと一歩届かず、セットを奪われた。
第3セットは一進一退の展開。髙橋藍のパイプ攻撃などで得点を重ね、佐藤のブロックで相手のブレイクを阻む。先行されても、ムセルスキーのサーブで崩し、髙橋藍のパイプ攻撃でブレイクしたり、髙橋藍のブロックで13-12と逆転。しかしブルテオンのブロックや、好守備から切り返されリードされた。終盤はブルテオンのサービスエースやブロックで点差を広げられ、セットを奪われた。
第4セットはアラインのスパイクでブレイクして先行。小野寺のクイック、髙橋藍のパイプ攻撃などでサイドアウトを重ねる。ブルテオンの好守備に粘られながらもアラインのパイプ攻撃でブレイクし14-12と抜け出した。髙橋藍がショートサーブで崩し、自ら強烈なパイプ攻撃を決め16-13とリードを広げ、途中から入った鬼木のブロックで17-13。終盤追い上げられるが、最後はムセルスキーのスパイクで逃げ切り、試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットは髙橋藍、アラインのパイプ攻撃を中心にサイドアウトを重ねるが、ブルテオン甲斐優斗のサーブに崩されて5-8と先行される。それでも、髙橋藍が鋭いサーブで立て続けに崩し、ムセルスキーの巧みなフェイント、髙橋藍のパイプ攻撃で連続ブレイクを奪い8-8の同点に。鬼木、小野寺のクイックでサイドアウトを重ねると、髙橋藍のブロックで14-13と逆転でマッチポイントを握った。しかし粘るブルテオンにデュースに持ち込まれると、互いにマッチポイントをしのぎ合い、両者死力を尽くした攻防は20点を超える。
ブルテオン西田がサイドラインぎわの厳しいコースに強力なサーブを打ち込み、名手・髙橋藍がサービスエースを奪われ20-21と逆転されると、あと1点でレギュラーラウンド優勝が決まるブルテオンのホームは熱狂に包まれた。それでも、アラインが冷静にサーブレシーブを受け、セッターの大宅がトスを髙橋藍に託すと、しっかりと決め切り21-21と踏みとどまった。
「(20-21になった)あそこは『この状況でここに打ってくるんだ』というかなりいいサーブだったので、チーム的にもすごく押された部分はあったし、相手のホームで盛り上がりがものすごかったので、一瞬『ヤバいな』という雰囲気はありました」と髙橋藍は振り返る。
「でもまだ負けてはいないので。自分はチームの中ではエースですし。ディマとAJ(アライン)もいて、厳しい状況ではその3人にトスが上がってくる。だから託されたトスをしっかり決め切ろうと。自分自身、最終セットにしっかりギアを上げられたので、最後まで諦めない気持ちで。しっかりそこを取り切ることで、チームからの信頼度も上がってきますし、ああいう場面を取れるか取れないかが勝敗を分けるので」
あの場面で髙橋藍に託した大宅は「バレーは流れのスポーツ。いろんな選手とやってきた中で、『ここ取り返したいだろうな』とか、『やり返してほしい』という気持ちが出てくることもある。特に藍は『ここ持ってきてほしい!』という目力が強いので(笑)」。
その後、髙橋藍がサーブで崩すと、相手にミスが出て23-22と逆転。最後はミゲル・ロペスのスパイクを小野寺がシャットアウトし、25-23でゲームセット。白熱の大激戦を制し、サンバーズが連勝を13に伸ばした。
オリビエ監督は「自分が日本に来てから、ベストなファイトだったんじゃないかと思うぐらい素晴らしい試合だった。両チームとも非常にハイレベルなプレーをしていて、気持ちも入っていた。その中で決して諦めることなく最後まで戦ってくれた選手たちを誇りに思う。今日の試合でチームはまた一つレベルが上がった」と興奮気味に選手を讃えた。
ブルテオンの強力なサーブと堅いブロックディフェンスに苦しんだが、髙橋藍は「一番は集中力。最後までみんなしっかりと集中力を保ってやれたことが勝ちにつながったのかなと。点差があっても自分たちから攻めて追いつくシチュエーションを作れたし、取るべきチャンスを逃さなかった。相手のサーブはよかったけど、しっかりと自分たちを見失わずに戦えたことがポイントだったのかなと思う」と勝因を挙げた。
大宅は、2セットを連取された後、うつむきがちにコートチェンジする選手を追いかけて1人1人に声をかけるなど、コミュニケーションを密に取り続けた。
「今日試合前の円陣で『1人にならないようにしよう』と言いました。こういう試合展開になると思っていたから。そういう展開で1人1人が向き合わなくなる場面が、このリーグ中にもあったし、自分自身もあったので。今日は、自分が言ったからには責任を持って、率先して仲間を鼓舞してやっていこうと思っていました。5セット目は『もうダメかもしれない』と思いそうになるところを、しっかりチーム全員で気持ちを持ち直して最後まで戦い切れたことは本当によかった。チャンピオンシップ前にこのハードな試合を勝ち切れたことはかなりの自信につながる」と語った。
そしてこの日は、左足の骨折のため離脱していた小野寺が第2セット途中からコートに入り、約2ヶ月ぶりの復帰を果たし、試合を締めた。相手の流れを食い止めるブロック、確実性のあるクイックは、相手に意識させるのに十分だった。
「これだけ試合から離れることはなかったので長く感じましたけど、僕が離脱していた間に(佐藤)謙次、(柏田)樹、鬼木、カッシー(樫村)が代わる代わるに、チームを何度も救っているシーンを見て、『負けてられないな』という思いでリハビリやトレーニングをやってきた。復帰早々こんなタフな試合をするとは思ってなかったですけど(苦笑)、みんなのおかげで今日勝ててよかったなと思います」
頼れるミドルの柱が戻り、頂上決戦に勝利してチャンピオンシップに弾みをつけたサンバーズ。レギュラーラウンド残り3試合は、勝ち続けるだけだ。