試合日程・結果

GAME

FIVB世界クラブ男子選手権大会2023 決勝ラウンド 準決勝

開催日時
2023年12月 9日(土) 20:30 (日本時間24:00)
会場
コラマンガラインドアスタジアム
サンバーズ
サンバーズ

2

  • 25-22
  • 22-25
  • 30-28
  • 20-25
  • 15-17

LOSE

3

イタンベ ミナス

試合経過

「FIVB世界クラブ男子選手権大会2023」準決勝。予選ラウンドプールBを1位で突破したサンバーズは、決勝進出をかけて、プールA・2位のイタンベ ミナスと対戦した。

 第1セットは互いにサイドアウトを取り合う緊迫した展開。ミナスの強力なサーブも、サンバーズのサーブレシーブ陣が正確に返し、小野寺のクイックやムセルスキー、藤中謙のスパイクで得点を重ねていく。中盤、ブロックタッチでチャンスを作ると、ムセルスキーのスパイクで両チーム初めてのブレイクを奪い11-10と先行。その後ミナスのブロックなどで逆転されるが、サンバーズは佐藤のサーブで揺さぶり、アラインのブロックでラリーを制して逆転。ムセルスキーのカウンターアタックで16-13とリードした。サーブレシーブが崩れても大宅が懸命にカバーし、ムセルスキーが得点につなげて相手にブレイクを許さない。終盤には小野寺のサービスエースで点差を広げ、セットを先取した。

 第2セットは佐藤が相手選手の間を狙った巧みなショートサーブでエースを奪い2-0と先行する。中盤にも、佐藤のサーブで崩し、ムセルスキーが豪快にダイレクトスパイクを叩き込みリードを広げた。ミナスの好守備から切り返されて11-11と追いつかれ、ミスが出て逆転されるが、サーブレシーブを崩されても、ムセルスキーが高さと巧さを兼ね備えたスパイクで得点し、ついていく。先行されても、アラインの鋭いスパイクですぐに流れを取り戻し、好守備からムセルスキーのトスを藤中謙が得点につなげて19-19と追いついた。さらに、ブロックタッチなどで粘り、大宅の巧みなツーアタックでラリーを制して20-19と逆転。ところが終盤、ミナスのサーブに火がつき、2本のサービスエースを奪われてセットを取り返された。

 山村監督は「相手のサーブは序盤ミスが多かったけれど、フローターサーブを織り交ぜるなど、スピードサーブと効果的なサーブを戦略的に打つようになってきて苦しさが出てきた」と分析する。

 それでも第3セットは大宅のブロックで6-3とリードし、アラインのパイプ攻撃などでサイドアウトを重ねていく。中盤、ミナスの2本のサービスエースで11-11と追いつかれ、ミスが出て逆転されると、ブロックに捕まり13-16とリードされた。それでも終盤、ムセルスキーのサーブで崩し、ムセルスキーが自らバックアタックを決めて追い上げると、大宅が左手1本で相手のレフトスパイクをシャットアウトし20-20と追いついた。

 スパイクミスが出てセットポイントを握られるが、セット途中に藤中謙に代わって入っていた兪のブロックでデュースに持ち込むと、ムセルスキーのブロックで25-24と逆転。ムセルスキーのスパイクや、佐藤、小野寺のクイックでサイドアウトを重ね、最後はアラインのサーブから、小野寺がブロックで仕留めて30-28で競り合いをものにした。

 しかし第4セットはミナスのサーブに崩され、切り返されて2-5と先行される。その後もスパイクを拾われて切り返され点差を広げられた。中盤、アラインが連続サービスエースを奪い追い上げるが、ミナスのブロックで再び点差を広げられる。アラインやコートに戻った藤中謙のスパイク、小野寺の巧みなクイックでサイドアウトを重ねるが、追い上げは届かず、試合はフルセットに持ち込まれた。

 第5セットは序盤、大宅と小野寺の息の合ったBクイックが決まる。しかしミナスの好守備から巧みなスパイクで切り返され4-6と先行され、その後スパイクミスやミナスのカウンターアタックで4-8と点差を広げられた。それでもムセルスキー、アラインのスパイクで立て直すと、リリーフサーバーとして入った兪がエースを奪い8-10と追い上げ開始。引き離されても、アラインのサーブでエースを奪ったり、サーブでプレッシャーをかけて相手のミスを誘い12-13と迫る。

 さらに、相手のマッチポイントから、ムセルスキーがフライングレシーブで拾ったボールを、大宅が懸命につなぎ、藤中謙が相手ブロックを弾き飛ばして得点につなげ14-14と追いつきデュースに持ち込んだ。しかしブレイクのチャンスをものにできず、最後はムセルスキーのスパイクがアウトとなり15-17でゲームセット。セットカウント2-3で敗れ、惜しくも決勝には届かなかった。

 試合後は、ガックリと肩を落とし、コートに座り込む選手たちの姿があった。

 パワーあふれるサーブでエースを奪い、最後まで相手に食らいついたアラインは、「めっちゃ悔しい。ファイナルに行く可能性がなくなったので、悔しいしか言えないです」と思いをにじませた。

 小野寺も、「決勝に進出したいし、メダルを確定させたいという思いが強く、みんないいパフォーマンスをしていた中で接戦をものにできなかったのは悔しい。もちろん相手にもいい選手がたくさんいたんですが、それぞれ『ああすればよかった、こうすればよかった』という反省点が今になってすごく出てきて、悔しい思いがいっぱい。勝ちたかった」と語った。

 予選ラウンドでは非常に機能していたサンバーズの粘り強いブロックディフェンスが、この日は思うように噛み合わなかった。

「相手のセッターが非常に賢く、こちらの一番弱いところから攻めることを徹底した攻撃だったし、サーブレシーブを返された時の真ん中の攻撃、クイック、パイプの使い方が本当に上手で、最後まで的を絞ることが難しかった」と山村監督。

 小野寺も、「サーブで崩しきれなくて、崩した後もブロックをうまく使われたスパイクが多かった。ブロックやディフェンスの位置どりを修正してうまく機能させられなかったのが痛かった。2セット目にリードしていた中で、1本のミスから連続失点したり、5セット目も取りたいところで1点を取りきれなかった」と振り返った。

 決勝進出のチャンスをものにできなかった悔しさが一番だが、世界を相手にしたこの3戦で、それぞれ手応えや自信もつかんでいる。

 アラインは「みんな身長が高いし、ビックリするぐらいレベルが高い。それを、テレビの中や携帯の中じゃなく、自分の目で見て感じている。その中でサンバーズがよく戦っているのは嬉しいし、自分のスキルを世界に見せられているのも嬉しい」と充実感を漂わせる。

 サンバーズにとって最高の経験となっているこの舞台での戦いはいよいよ最終戦。銅メダルをかけた3位決定戦だ。相手は、予選ラウンドで勝利しているヨーロッパ代表のハルクバンク(トルコ)。

 山村監督は「自分たちがこの場に立てていることに感謝の気持ちを持ちながら、最後までサンバーズらしく戦うことが我々の使命。もう(準決勝の)結果は覆すことができないので、明日までの短い時間で前を向いて、もう一度戦っていきたい」。

 小野寺は「残り1試合なので、最大限の結果と、自信を持って日本に帰りたいし、やられたままではいられない。相手は予選で当たったチームですけど、メダルがかかった試合になればプレーや気迫も違ってくると思うので、それに圧倒されないように、自分たちの強みを生かして勝ちたい」と意気込みを語った。

 メダルをかけた最終戦。サンバーズはすべてを出しきり、メダルをつかみにいく。

○試合後コメント
山村 宏太 監督

「本日もご声援いただきありがとうございました。悔しい気持ちでいっぱいですが選手たちは本日の準決勝を精一杯戦ってくれました。私の今大会の目標であった世界クラブ選手権大会の決勝進出が果たせないことに悔いが残りますが、明日の3位決定戦に向けて準備をしていきます。世界の舞台でもサンバーズが戦えることを証明します。引き続きご声援よろしくお願いいたします。」 

小野寺 太志 選手
「応援ありがとうございました。結果としてはとても悔しいですがサンバーズでも世界のトップと渡り合えることが大会を通して証明できたのではないかと思う。チームとして世界に挑戦することがとても新鮮だし、貴重な経験をさせてもらっています。明日の3位決定戦で勝利すればメダル獲得のチャンスがありますので、チーム一丸となって勝利に向かって戦います。引き続き応援よろしくお願いいたします。」

デ アルマス アライン 選手
「応援ありがとうございました。今日負けてしまったことは本当に悔しいです。今回の大会は個人的に調子もよく世界のトップと戦うことができてモチベーションも高い状態で臨んでいます。明日3位決定戦に勝利して気持ちよく日本に帰りたいです。明日も応援よろしくお願いします。」

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