試合日程・結果

GAME

FIVB世界クラブ男子選手権大会2023 予選ラウンド

開催日時
2023年12月 7日(木) 17:00 (日本時間20:30)
会場
コラマンガラインドアスタジアム
サンバーズ
サンバーズ

2

  • 21-25
  • 29-31
  • 30-28
  • 25-22
  • 12-15

LOSE

3

サダ クルゼイロ バレー

試合経過

「FIVB世界クラブ男子選手権大会2023」予選ラウンド第2戦。前日の初戦でヨーロッパ代表のハルクバンクに勝利したサンバーズは、南米王者のサダ クルゼイロ バレー(ブラジル)と対戦した。

 第1セット序盤、リベロの藤中颯がブラジル代表オポジットのバラス・デソウザの強烈なストレートスパイクを拾い、アラインが得点につなげ好スタートを切る。しかしその後、クイックをシャットアウトされたりミスが出て2-5とリードされた。クルゼイロはブロックとディグが堅く、サンバーズはスパイクを切り返されたり、ブロックに捕まり7-13と点差を広げられた。それでも、アラインが強力なサーブを打ち込み、自らパイプ攻撃を決めたり、ムセルスキーのカウンターアタックで追い上げる。終盤には、アラインがノータッチエースを奪ったり、相手のスパイクミスで21-23と迫ったが、最後は強烈なサーブにエースを奪われ、セットを先取された。

 第2セットはムセルスキーのスパイクで得点を重ねていく。中盤、ブロックのワンタッチやアラインのディグで粘ってラリーを制し11-10と逆転。藤中謙のスパイクでサイドアウトを重ねていく。ミスが出て再び先行されるが、藤中颯の好守備などで粘り、アラインのパイプ攻撃でブレイクして17-17。引き離されても、ムセルスキーが相手のクイックをシャットアウトして20-20と再び同点。サービスエースを奪われまたもリードされるが、藤中謙のディグなどで粘り、ムセルスキーのブロックで追いつきデュースに持ち込んだ。しかしブレイクすることができず、前に出られない。最後はコートエンドにノータッチエースを決められ、惜しくもセットを落とした。

 後がなくなった第3セットは、藤中謙のスパイクや小野寺のクイックなどでサイドアウトを重ねていくが、クルゼイロの堅い守備からブレイクされ6-8と先行される。中盤にはムセルスキー、アラインのスパイクが立て続けにブロックに捕まり10-14とリードされた。

 それでも、藤中謙のブロックなどでじりじりと追い上げる。終盤、藤中颯やアラインがボールに食らいついて拾い、得点につなげたり、ワンポイントブロッカーの鬼木のブロックポイントで19-20と迫ると、クルゼイロにミスが出て同点となり、このセットもデュースに。小野寺やアラインのスパイクでサイドアウトを重ね、小野寺のサーブで崩して28-27と逆転。最後は佐藤がブラジル代表のミドルブロッカー、ルーカス・サートカンプのクイックをシャットアウトし30-28で競り合いを制し、セットを取り返した。

 ブロックとディグの精度が高まってきたサンバーズは、第4セットも藤中颯のディグなどで粘り、クルゼイロのスパイクを一本では決めさせない。先行されても、藤中謙のスパイクや、アラインの好守備で粘って佐藤がブロックで仕留めて6-6と追いつくと、佐藤のクイックでブレイクしたり、藤中兄弟のディグやつなぎで粘って得点につなげ9-7とリードした。中盤、好調だったアラインが足をつって兪と交代するが、それでも流れを渡さない。小野寺のノータッチエースで15-12とリードを広げる。ミスが出て追いつかれるが、ピンチをムセルスキーのブロックでしのぐと、兪も鋭いスパイクを決めて逃げ切り、試合をフルセットに持ち込んだ。

 2セットダウンから巻き返せた要因の一つはディフェンス。第3セット以降、サンバーズのブロックディフェンスが機能し、相手が粘り負けする場面が増えた。

 リベロの藤中颯は「クルゼイロは本当に爆発力があるチームで、1、2セット目は相手のスパイクが強くて高くて、おされてしまった。でも3セット目以降はこちらのディフェンスが機能し始め、スパイクも決まり、全体的にうまくハマり始めた。例えばオポジットのバラセ選手は、トスの長さなど、最初ミーティングでやったこととズレがあったのですが、それに対してブロックやディグの位置どりを変えて対応していきました」と振り返る。

 第5セットも、兪が鋭いサーブで崩し、藤中謙のスパイクなどでブレイクして5-2と好スタートを切った。しかしその後、クルゼイロのフローターサーブに立て続けに崩される。ブロックに捕まったり、スパイクで切り返されて3連続でブレイクされ5-6と逆転された。その後、サンバーズのサイド攻撃がクルゼイロのブロックに捕まり11-9とリードを奪われた。ムセルスキーのスパイクや小野寺の巧みなクイックでサイドアウトを重ねるが、点差を詰めることはできず12-15でゲームセット。セットカウント2-3で惜しくも敗れた。

 第3セット以降巻き返し、着々と勝利を引き寄せていただけに悔しい敗戦。山村監督は、「勝てば1位通過が決定する試合だったのですが、1本の精度の重要性、ここ1本というところでの判断、一つ一つのチョイスの難しさを改めて選手も私自身も感じた」と無念さをにじませた。

 それでも、「ブラジルの強豪に対してフルセットまで持ち込む展開を作れた選手にリスペクトの気持ちが強い。相手にリズムをつかませず、自分たちのバレーを徹底できたことはすごくよかった。世界最高峰のチームに対して、自分たちのバレーが通用するということがわかった」と収穫も大きかった。

 予選ラウンドの2試合を通して、アラインをカバーしながら安定したサーブレシーブを返し、世界を驚かす粘り強い守備の中心になっているリベロの藤中颯も、手応えを漂わせる。

「Vリーグにも強いサーバーがいますけど、こういう世界の舞台でサーブレシーブをして、やっぱり世界はすごいなと感じるとともに、自信をつけることができた部分も大きい。それは大きな収穫です」

 初めて世界を相手に戦っているミドルブロッカーの佐藤も、この日は3本のブロックポイントを挙げ、特に勝負どころでチームを救うブロックが光った。攻撃面については「自分のクイックがうまく通せなかったせいで、最後、兪にがっつりブロックが2枚来ていたり、ディマ(ムセルスキー)以外で決めたい時にうまくいかなかった」と反省を口にしたが、ブロック面では大きな気づきがあったという。

「自分は経験がないので、大会が始まる前までは、正直手がつけられないんじゃないかと思っていました。でも実際に戦ってみると、もちろん自分個人の力ではやっぱり難しいんですけど、自分1人で戦うわけじゃないので、ディマがいたり、アラインや謙也さんがいたり、後ろにはディグがいる。そうした戦術で戦っていけば、世界にも通用する部分があるなと、チームで戦えばいけるなと感じています」

 敗れたものの、サンバーズは予選ラウンド1勝1敗で、9日に行われる準決勝進出が決定した。

 佐藤は「チームみんなの力で、こういう世界の準決勝という舞台を経験させてもらえる。人生で最初で最後ぐらいの貴重な経験ができるので、精一杯楽しんで、メダルを獲りたいなと思います」と意気込みを語った。

 世界の舞台で、チーム一丸で戦う重要性と可能性を改めて噛みしめているサンバーズ。世界一への戦いはまだまだ続く。

2023/24シーズン

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