試合日程・結果

GAME

2023-24 V.LEAGUE 東京グレートベアーズ戦

開催日時
2023年10月14日(土) 14:05
会場
スカイアリーナ (第一総合運動場)
サンバーズ
サンバーズ

3

  • 16-25
  • 25-19
  • 25-22
  • 25-17

WIN

1

東京グレートベアーズ

試合経過

2023-24V.LEAGUE DIVISION1が幕を開けた。王座奪還を狙う昨季準優勝のサンバーズは、ホーム箕面市のスカイアリーナに、東京グレートベアーズを迎えた。

 第1セットの立ち上がり、サンバーズはムセルスキーのカウンターアタックで先行するが、その後、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され逆転されると、サービスエースを奪われ2-5と先行された。初出場の鬼木がVリーグ初得点となるクイックを決めたり、アラインの強烈なパイプ攻撃でサイドアウトを重ねるが、中盤、グレートベアーズの強力なサーブに押され、エースを奪われるなど4連続失点して7-13と点差を広げられた。藤中謙のスパイクや佐藤のブロックで追い上げるが、終盤、再びグレートベアーズのサーブに崩され、相手の好守備から切り返されてセットを先取された。

「1セット目は相手の速い展開のバレーに泡を食ってなかなか対応できなかった。ミーティングで準備はしていたけれど、映像で見るのと、実際にコートで感じるのとでは違うものだとわかっていた。ただ、強打でやられたというより、軟打で点を取られていたので、自分たちが今季やってきたブロックとディフェンスの関係性を明確にしようと伝えた」と山村監督。

 ブロックで抑えるべき場所、ディグで対応する場所を再確認し、仕切り直した。

 第2セットは、藤中謙の巧みなパイプ攻撃やムセルスキーのスパイク、鬼木のクイックでサイドアウトを重ね、ムセルスキーのブロックで8-6と先行。中盤にはムセルスキーのサーブで崩し、アラインがダイレクトスパイクを叩き込んで点差を広げた。第1セットはスパイクを拾われていたアラインも、このセットは冷静にブロックアウトで得点を重ねていく。中盤、藤中謙のサーブで揺さぶり、アライン、鬼木の連続ブロックで16-11と引き離した。さらに、ムセルスキーの巧みなフェイントなどで19-11と大差をつける。終盤にはリリーフサーバーで喜入、ワンポイントブロッカーで鳥飼がコートに入る今季の新しいスタイルも披露し、セットを取り返した。

 第3セットはアラインのブロックで好スタート。リベロ藤中颯を中心としたディグも機能し始めた。スパイクミスで先行されるが、アラインが巧みなサーブでエースを奪い5-5と追いつくと、鬼木のブロックで7-6と逆転。その後逆転されても、再びアラインのブロックで逆転すると、ムセルスキーのカウンターアタックや、アラインのブロックで13-10と引き離した。グレートベアーズの堅い守備に粘られて17-18と逆転されたが、ムセルスキーのブロックで19-18とまたも逆転。相手の強烈なサーブも藤中颯がきっちりとセッターに返してサイドアウトを切ると、リリーフサーバーとして入った西田が強力なサーブでエースを奪い21-19と抜け出した。佐藤の強烈なBクイックも決まり、最後は大宅のブロックで締め、セットを連取した。

 第4セットは、勢いに乗るアラインが強力なサーブを立て続けに打ち込んでチャンスを作り、自らパイプ攻撃を叩き込んだり、大宅のブロックで8-2とスタートダッシュに成功。中盤にはムセルスキーのカウンターアタック、藤中謙のブロックで12-5と引き離す。グレートベアーズの強力なサーブに押されミスが出て追い上げられるが、サンバーズもリリーフサーバーの西田が好サーブでプレッシャーをかけて相手のミスを誘い19-14と再び引き離す。追い上げられても、粘り強くブロックフォローをしてつなぎ、最後は藤中謙が決めてラリーを制すると、大宅のノータッチエース、鬼木のブロック、ムセルスキーのカウンターアタックなどで5連続得点を挙げ、一気にマッチポイントを握った。最後は藤中謙がライトスパイクを叩き込み、ゲームセット。セットカウント3-1でサンバーズが開幕戦を勝利で飾った。

 第1セットは大差で奪われたが、誰も慌てていなかった。主将の大宅は「開幕戦なので想定内というか。僕らが悪かったというより、グレベアさんが本当にいいバレーをしていて、昨季とはスピード感がかなり違ったので、初見では戸惑ったけれど、2セット目以降慣れて対応できた。対応能力は昨シーズン以上についているのかなと感じた」と手応えを漂わせた。

 第2セット以降は各ブロッカーが相手の速い攻撃に対して位置どりや手の出し方を修正し、アラインの4本を筆頭に、トータルで14本ものブロックを量産。ブロックを抜けたボールは藤中颯を中心とした堅い守備で拾って切り返し、流れを引き寄せた。

 この日がVリーグ初出場初先発となった1年目のミドルブロッカー鬼木も3本のブロックを記録し、試合後は安堵の笑顔を浮かべた。

「2セット目ぐらいまでなかなか思うようなプレーができなくて、チームのみんなに迷惑をかけてしまった。夏場の合宿や練習試合でブロックを鍛えてもらったんですが、最初は緊張で視野が狭くなってしまってうまくいかなかった。でも『楽しめ』というふうにたくさん先輩方に声をかけてもらって、3セット目からは自分でも変えていこうという気持ちで臨みました。勝ててホッとしました」

 試合中、ムセルスキーもシャイな鬼木に「競っている場面でのブロックは本当にチームに勢いを与えるから、吠えていいんだよ」とアドバイスを送っていたという。

 山村監督も「鬼木はもともとブロックのいい選手ですが、今年はユニバーシアードを経験したり、オリビエコーチに指導されて、求められることを実践していく中で非常に楽しみな選手だと感じた。彼に多く経験をさせてあげることが、彼のいい財産になるし、ポジション争いを苛烈にするためにも必要」と成長に期待する。

 昨季以上に連携力と対応力を増した経験値のあるメンバーと、新戦力が噛み合い、勢いのつく白星スタートとなった。1試合1試合、今季の新たな色を濃くしながら、勝利を重ねていく。

2023/24シーズン

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