試合日程・結果

GAME

2023-24 V.LEAGUE ヴォレアス北海道戦

開催日時
2024年1月 5日(金) 18:30
会場
旭川市リアルター夢りんご体育館(旭川市総合体育館)
サンバーズ
サンバーズ

3

  • 25-22
  • 17-25
  • 25-18
  • 21-25
  • 15-12

WIN

2

ヴォレアス北海道

試合経過

2024年最初の試合は、北海道旭川市で行われたV.LEAGUE DIVISION1第17戦。現在2位のサンバーズは、9位ヴォレアス北海道と対戦した。

 今季DIVISION1に昇格したヴォレアスとはこの試合が初対戦。サンバーズは小野寺が体調不良のため欠場し、ムセルスキーも肩の不調のためスタメンから外れる布陣で臨んだ。

 第1セットは立て続けにヴォレアスのブロックに捕まり出遅れるが、オポジットに入ったアラインのスパイクで流れを引き寄せ、初先発のアウトサイド・兪のブロックで7-7と追いついた。中盤には、久しぶりのスタメン出場となったミドルブロッカーの鬼木がクイック、ブロックで3連続得点を奪い12-10と抜け出した。その後は藤中謙のブロックでリードを広げる。終盤、ヴォレアスのサービスエースで追いつかれるが、最後は佐藤のサービスエース、兪のブロックで引き離してセットを先取した。

 第2セットはヴォレアスのブロックや、サンバーズのスパイクを粘り強く拾われて切り返され0-3と出遅れた。それでも、兪とアラインのブロックですぐさま追いつき、アラインのサーブでプレッシャーをかけてミスを誘い6-5と逆転。しかし中盤ミスが出て10-12とリードされる。その後もヴォレアスのサーブに揺さぶられ、スパイクを拾われて次々に切り返され、セットを取り返された。

 第3セットは佐藤のクイックで勢いよくスタートすると、鬼木のブロックも出て3-0とスタートダッシュに成功。なかなかコンビが合わなかった兪のパイプ攻撃も勢いよく決まって流れを渡さず、佐藤が力強いクイックで確実にサイドアウトを切る。中盤はサンバーズの守備が機能し始め、藤中謙の好守備を藤中颯が懸命につなぎ、最後はアラインの強烈なバックアタックでラリーを制し12-7とリードを広げた。このセット、大宅はクイック、パイプ攻撃を使って徹底的に真ん中からサイドアウトを重ねていく。終盤には、ワンポイントブロッカーとして入ったムセルスキーがきっちりブロックを決めて点差を広げる。さらに、リリーフサーバーの喜入が強力なジャンプサーブを打ち込み、藤中謙のブロックで22-15と大差をつけ、セットを奪った。

 第4セットもアラインのサービスエースなどで3-1と好スタートを切る。このセットも佐藤のクイックや兪のパイプ攻撃などで得点を重ねていく。中盤、サーブレシーブの連携ミスが出て追いつかれると、ヴォレアスの強力なサーブにおされ、切り返されて16-17と逆転された。藤中颯がスタンドまで飛び込んでボールをつなぐなど粘りは見せるが、連続失点を止められず16-19とリードされた。終盤、大宅が巧みなサーブでエースを奪い追い上げるが、勢いに乗るヴォレアスのサーブと堅いブロック、守備に阻まれて引き離され、試合をフルセットに持ち込まれた。

 第5セットはヴォレアスのミスで先行すると、アラインの好守備を藤中謙が得点につなげ4-1とスタートダッシュに成功。さらに、ブロックのワンタッチから、鬼木が強烈なクイックを叩き込み5-1とした。中盤もネットぎわのボールを大宅が巧みに押し込んだり、アラインのバックアタックでブレイクし8-2と点差を広げた。相手の好守備から切り返されて8-5と迫られるが、その後、アラインのカウンターアタックやブロックで11-5と再び引き離す。サービスエースを奪われたりミスが出て追い上げられるが、アラインのスパイクで流れを切ると、最後は鬼木が立て続けにクイックを決めて逃げ切り、サンバーズが辛くも勝利した。

 体調不良のため年末の試合を欠場していたセッターの大宅が2週間ぶりにコートに戻ったが、練習に合流してからまだ数日。しかもこの日は小野寺、ムセルスキーがコートにいない。

「ベストのメンバーではない中で、連係の部分で隙を見せてしまい、相手に全力を出させてしまったというのが今日の第一印象」と山村監督は苦戦の要因を振り返った。

 主力が抜け、これまで出場機会が少なかった選手がコートに入り、コンビや守備の連携面にはまだまだ課題が残る。だが選手たちには悲壮感はなく、大宅はむしろ前向きに捉えていた。

「ディマ(ムセルスキー)とはもう6シーズン目で、こういうアクシデントにもいい意味で慣れたというか、今日のような布陣で試合ができることにワクワクしている。1年目ぐらいの時は、『ディマがいない、どうしよう』という気持ちになっていたけど、今は、彼がいない中でできることを探すのが楽しみだし、新たな自分の発見、成長にも絶対つながる。大エースがいない中で、相手ブロックとの駆け引きを楽しもうというマインドにチェンジできている。外から見ているディマに『早く戻りたい』と思わせるのは僕ら次第」と語った。

 その中で、この日のトスワークには「当たっている選手をいかに使っていくか」と、「コンビを合わせる時間が少なかった選手とは実戦の中で合わせていく」という2つの目的があったと言う。

「アラインは何シーズンか前にオポジットをやっていたとはいえ、今はレフトに慣れているのでまだオポジットは難しいし、兪とはコンビの精度がまだまだなので、コミュニケーションをどう取っていくかが課題。そんな中で今日はミドルの2人と(藤中)謙也さんが当たっていたので、取りたい時にはその選手たちで行きました」

 中でも久しぶりの先発出場となった鬼木は、12本中10本のスパイクを決め、決定率83.3%と期待に応えて躍動した。

「今日はあまり緊張することなく、楽しもうという気持ちで臨んだ結果だと思う。スパイクに関しては本当にいい場面で使ってくださっているので、気持ちよく打てたし、相手ブロックの傾向に合わせてコースの打ち分けをしたことで、効率よく決めることができたのかなと思います」と鬼木はニコニコと微笑みながら答えた。

 はたから見れば苦境だが、プレーしている選手たちが、今しかない状況を楽しみながら勝利につなげている姿がなんとも頼もしい。

2023/24シーズン

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