Ｖ.LEAGUE DIVISION1第22戦。現在18勝3敗で2位につけるサンバーズは、10位VC長野トライデンツと対戦した。

　第1セットは互いにサイドアウトを取り合う展開。サンバーズは安定したサーブレシーブから、佐藤、小野寺のクイックやアラインのパイプ攻撃という真ん中からの攻撃を中心にリズムよく得点を重ねていく。前日に続き好調のアラインが、強力なサーブを打ち込み、自らパイプ攻撃を決めてブレイクし14-10とリード。その後も小野寺のクイック、藤中謙のパイプ攻撃など、的を絞らせない攻撃でサイドアウトを重ねて相手にブレイクを許さず、セットを先取した。

　第2セットはVC長野のブロックや、サーブレシーブを崩され4-6と先行されるが、ムセルスキーの強烈なサーブでチャンスを作り、藤中謙がノーマークでパイプ攻撃を決めてすぐに追いつくと、中盤、アラインのサーブでプレッシャーをかけ、大宅のブロックなどで9-7と先行。藤中謙が、真ん中に切り込んでクイックを決めたり、好守備とつなぎでコートの外から上がったトスを打ち込んで連続得点を奪い12-9と点差を広げた。その後追い上げられるが、佐藤の力強いサーブで崩し、アラインがツーでバックアタックを決めたり、小野寺のクイックで連続ブレイクし20-15と再び引き離す。多彩な攻撃で相手を寄せ付けず、セットを連取した。

　第3セットはムセルスキーのサービスエースで先行するが、徐々にVC長野の武器である粘り強い守備が機能し始める。中盤、ブロックに捕まったり、スパイクミスが出て追いつかれると、サンバーズの攻撃を拾われて切り返され12-13と逆転された。ムセルスキーやアラインの強打も拾われてラリーに持ち込まれ、サンバーズの攻撃がなかなか1本で決まらず13-15と先行された。

　粘りでは負けないと、サンバーズもリベロの藤中颯や大宅、藤中謙らがボールに食らいついてつなぎ、最後はムセルスキーが決めてラリーを制する。再びリードを広げられるが、終盤、藤中颯の好守備をムセルスキーが得点につなげ1点差に。さらに、相手のセットポイントでも藤中颯が強烈なスパイクを拾い、小野寺のクイックでラリーを制して24-24とデュースに持ち込んだ。27-27からアラインが強烈なサーブでレシーバーを弾き飛ばしてエースを奪い、逆転してマッチポイントを握ると、次の1本にも高い集中力で力を込め、連続サービスエース。29-27で一気に試合を締めくくった。

　この2試合、好調のスパイク、サーブでチームを牽引したアラインは「あの時（27-27）は、『4セット目に行きたくない！』という気持ちで、打つしかない思っていいサーブが打てた。2本目も全力で行きました」と最後の場面を振り返る。

　そのアラインが63.6％という高いスパイク決定率を残したのをはじめ、チームとしても61.8％という高い数字を残した。

　この2日間は非常にバランスのいい攻撃配分で、ムセルスキー、アライン、藤中謙の打数が均等に近く、そこにミドルブロッカーをうまく絡めた。特に藤中謙のパイプ攻撃を積極的に使い、この日は相手の意表を突く藤中謙のクイックもあった。セッターの大宅はこの2戦のトスをこう振り返る。

「ディマ（ムセルスキー）を少し休ませる試合も作っていきたいと思っているので。その中でも勝ちにつなげる要所のポイントでディマに託す場面はありましたけど、両サイドと、ミドル、特に今日は小野寺がうまくトスに合わせて打ってくれたのでよかったです」

　年明けから6連勝で19勝3敗としたサンバーズ。次週は試合がなく、2週間後の2月3、4日は、現在19勝1敗で首位に立っているパナソニックパンサーズと対戦する。

　今季最初の直接対決に向けて、大宅は「ブロックディフェンスに関しては年明けからすごくよくなってきているので、そこは継続しつつ、あとはコンビの精度。特にミドル陣とのコンビを詰めていきたい。それと、サーブが鍵になってくると思うので、そこは1人1人が意識を高く持って練習していきたい」。

　山村監督は「ようやく全員が揃ってまたできているところなので、少し体を休める期間を設けた後に、フィジカル面の調整と強度の高い練習で、パナソニックとも対等以上に戦える準備をしたいと思います」と2週間後を見据えた。

　王座奪還を目指す上で、パナソニックは打ち破らなければいけない相手。ホーム・おおきにアリーナ舞洲で開催される首位決戦に向けて、サンバーズは全身全霊を傾ける。