2023-24 V.LEAGUE ジェイテクトSTINGS戦
- 開催日時
- 2024年2月11日(日) 13:30
- 会場
- Asueアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
3
- 25-19
- 25-21
- 25-21
WIN
0
試合経過
V.LEAGUE DIVISION1第26戦。前日の勝利でV・ファイナルステージ進出を決めた現在2位のサンバーズは、8位ジェイテクトSTINGSと対戦した。
第1セットは、2試合連続スタメンの鬼木のブロックで先行する。その後逆転されるが、ジェイテクトのアグレッシブなサーブをサーブレシーブ陣がしっかりと返球し、小野寺のクイックやアラインのパイプ攻撃などでサイドアウトを重ね、好守備からムセルスキーのカウンターアタックで8-7と逆転。ムセルスキーのノータッチエースや、アラインの強力なサーブで崩し14-11とリードした。しかし終盤、ジェイテクトの好守備から切り返されて19-19と追いつかれた。
それでも、アラインのスパイクで流れを切ると、20-19からアラインのサーブが爆発。エンドラインにノータッチエースを突き刺すと、その後も立て続けに強力なサーブを打ち込み、大宅のブロックや小野寺のクイックでブレイクしてセットポイントを握る。最後は相手レシーバーが一歩も動けないノータッチエースを決め、6連続得点で締めてセットを先取した。
アラインのサーブの前に相手は警戒してタイムアウトを取ったが、アラインは「別に嫌じゃなかった」と気にしない。「誰を狙うということはあまり考えず、(サーブの)トスが良かったら思い切り打つということだけ。今日はトスが良かったので強く打ち続けられた」と振り返る。
第2セットは先行されるが、大宅のサーブで揺さぶってミスを誘い8-8と追いつくと、ムセルスキーの2本のブロックやカウンターアタックなどで4連続得点を奪い12-9とリードした。中盤以降、大宅は息の合ったコンビが復活した小野寺のクイックでサイドアウトを重ねていく。終盤はリリーフサーバーとして前日に続き甲斐、兪が好サーブを打ち込んでプレッシャーをかけ続けて流れを渡さず、セットを連取した。
第3セットも気を緩めることなくスタートから高い集中力を発揮。ムセルスキー、アラインの連続ブロックで3-0と好スタートを切った。大宅のスパイクや鬼木のブロックでリードを広げると、中盤には藤中謙が強力なサーブを打ち込み、ノータッチエースを奪ったり、相手のミスを誘い12-5と突き放す。その後も小野寺が相手のパイプ攻撃をシャットアウトし、相手の攻撃の選択肢を狭めていく。しかし終盤、ジェイテクトのサーブに崩され、好守備から立て続けにカウンターアタックを決められ19-18と迫られた。それでも、リリーフサーバーの兪が鋭いサーブを打ち込み2連続エースを奪って22-18と再びリード。最後はアラインが強烈なサーブでこの日3本目となるエースを奪って締め、セットカウント3-0で勝利した。
この日のサンバーズは安定したサーブレシーブからバランスのいい攻撃を展開。特に小野寺のクイックが攻撃の軸となり、12本中8本という高い決定率でムセルスキーに次ぐスパイク得点を挙げた。
前日の試合後、小野寺が大宅とのコンビについて手応えを語っていたが、大宅も「今は自信を持って使える」と語る。年末年始に2人が体調不良でコートを離れてからズレが生じていたが、今週はピタリとはまった。
「(年明けに)お互いにコンディションの問題で体のキレがなかった分、コーチからスピードを出すよう言われていました。もともと僕は小野寺に対しては、打ち分けられるタイプなので、スピードよりも高さを意識していたんですが、国内のリードブロックのレベル、特にサイドブロッカーの(クイックに対する)ヘルプが年々厚くなっている中、コーチの目から見てスピードが必要だと感じたようです。その中でなかなかコンビが合わない期間があったんですが、僕自身はセットアップの高さを出すために、いつも以上にボールの下に早く入るとか、セット時のジャンプの高さを意識したことで、今週の頭ぐらいからしっくりきて、自信を持って使えるようになった。今小野寺のBクイックは自分にとってチームの調子を作っていける攻撃。今後は彼とのAクイックも増やして、バリエーションを増やしていきたい」
チームの軸となる頼れるコンビの復活は終盤戦に向けて心強い。
また、2人と同学年の喜入も、この日はディグのリベロとして出場し頼もしい働きを見せた。今季は開幕からリベロでは藤中颯が1人で出場を続けていたが、この日は藤中颯がサーブレシーブ、喜入がディグの場面で出場。
山村監督は、「颯志が悪いというわけではなく、今後のためにも準備をしていこうということ。昨日はジェイテクトのオポジットの高橋慶帆君にだいぶやられて、ディマ(ムセルスキー)のブロックを当てるかたちを取りましたが、今日はそうではなくブロックとディフェンスの関係で対処しようとして、ブロッカーとリベロでどう対応するかを決めさせました。スタートから喜入を入れましたが、いいディフェンスをしてくれた」と評価した。
ブロッカーとの話し合いの中で、喜入は「思い切ってラインを開けていいから」など割り切った位置どりを指示し、相手がブロックの横を抜いてきたスパイクを確実に拾った。
「普段の練習で世界トップレベルのサンバーズのAチームに対してディフェンスに入っているので、その部分の自信はついています。ブロックが、ボールを追って流れるということがいつもより少なく、まっすぐ跳ぶことを徹底してくれたので、いいタッチも取れていたし、抜けてきたボールを上げることもできた。よくコミュニケーションは取れていたかなと思います。与えられるチャンスは多いものじゃないので、『もう一回使おう』と思ってもらえるように、しっかり結果を出すということは意識しました」と喜入は胸を張った。
前日ファイナルステージ進出を決めたが、優勝という目標に向けて、サンバーズが立ち止まることはない。主将の大宅は言う。
「ファイナルステージ進出は決まりましたけど、今サンバーズには現状に満足している選手は誰一人いないと思います。レギュラーラウンドの残りの試合でも絶対成長できるし、もっと強くなれると思うので、先週から今週までやってきた気持ちというのは、Vリーグが終わるまで絶対忘れずにやっていく。目の前の1点を貪欲に取れるチームにこれからも成長していけたらと思います」
戦力の厚みを増しながら、さらに強く。レギュラーラウンドの残り10試合も、サンバーズは進化を止めない。