2023-24 V.LEAGUE JTサンダーズ広島戦
- 開催日時
- 2024年1月13日(土) 14:05
- 会場
- おおきにアリーナ舞洲(舞洲アリーナ)
3
- 21-25
- 22-25
- 25-17
- 25-19
- 15-13
WIN
2
試合経過
V.LEAGUE DIVISION1第19戦。現在15勝3敗で2位のサンバーズは、3位JTサンダーズ広島と、ホーム・おおきにアリーナ舞洲で対戦した。JT広島は、今季初めて黒星を喫した相手だ。
そしてサンバーズにとっては約2ヶ月ぶりのホームゲーム。ムセルスキー、小野寺が先発に復帰し、久しぶりにいつものメンバーがスタメンに顔を揃えた。
第1セット序盤は互いにブレイクを奪い合う一進一退の展開。サンバーズは佐藤のノータッチエースなどでブレイクし、藤中謙や大宅、アラインの好守備でラリーに持ち込み、アラインが巧みなスパイクで得点につなげて先行。大宅のサーブで崩し、佐藤がダイレクトスパイクを決めて11-8とリードした。しかしその後、JT広島の戦術的なサーブに主導権を握られ、粘り強い好守備から切り返されて逆転された。第2セットはミスが続いて出遅れ、その後、ムセルスキーの強力なサーブからブレイクし追いつくが、終盤、JT広島の堅い守備に阻まれてスパイクが決まらず、2セットを連取された。
「今日のスタートは失敗した。全員がどこか淡々とプレーしていて、雰囲気は悪くはないけど、点数が決まっても盛り上がりに欠けていた」と大宅は反省する。
それでも第2セットの後、ロッカールームに戻った時のメンバーの表情を見て、大丈夫だと感じたという。
「1人1人がわかっていたと思う。ヘラヘラしているような雰囲気はなく、逆に締まっていたと感じたので、あまり心配はしていなかった」と大宅。
仕切り直した第3セットは、ムセルスキーが緩急をつけたクレバーなスパイクで得点を重ね、小野寺のブロックで先行。佐藤が強力なサーブでエースを奪い6-3とリードした。中盤には小野寺のサーブで崩し、大宅のブロックで仕留めたり、ムセルスキーやアラインの好守備で粘り、ムセルスキーが得点につなげて12-7と点差を広げた。その後も、藤中謙に代わって入った兪のブロックや、アライン、佐藤の強烈なスパイクで得点を重ねる。終盤にはムセルスキーのサービスエースや、気迫みなぎるアラインのサービスエース、兪のブロックなどで21-13と大差をつけ、セットを取り返した。
勢いに乗るサンバーズは、第4セットも佐藤のサーブで揺さぶり、アラインのスパイクや小野寺のブロックで5-3と好スタートを切る。追いつかれても、兪が鋭いスパイクやブロックで流れを引き寄せて逆転し、大宅のサービスエースで11-8と再びリード。中盤は兪のサーブが爆発。強烈なジャンプサーブで連続サービスエースを奪い15-9と一気に引き離した。終盤には、リリーフサーバーとして入った鍬田が好サーブと守備で貢献し、ムセルスキーのスパイクでブレイクして点差を広げ、セットを連取。試合をフルセットに持ち込んだ。
第5セットは大宅のサービスエースで2-0と先行。その後追いつかれても、ムセルスキーのスパイクで相手の勢いを断ち、アラインのスパイクでサイドアウトを重ねる。兪が中国代表のチームメイトであるJT広島のオポジット・江川のスパイクをシャットアウトし10-7とリードすると、さらに兪のスパイクでブレイクし11-7と引き離す。JT広島のブロックで迫られるが、佐藤の鋭いクイックで再び流れを引き寄せる。ムセルスキーの巧みなスパイクでマッチポイントを握ると、最後は小野寺が豪快にBクイックを叩き込み15-13で逃げ切った。2セットダウンからの大逆転で、今年初のホームゲームを勝利で飾った。
この日は途中から出場した兪が、2本のサービスエースを奪うなど、持ち味のジャンプサーブで相手のサーブレシーブを混乱に陥れ、流れを引き寄せた。
「今日はスタートがうまくいかなかったけど、1人1人が試合中に修正して、いいバレーができて勝てたことがとても嬉しい。最初はサーブミスもありましたが、オリビエコーチから、『しっかりトスを上げてから、そのあと力を抜いて打つように』というアドバイスをもらって、それを意識することでうまくいきました」と兪は振り返る。
サーブだけでなく、要所で4本のブロックを決め、セッター大宅との呼吸も合ってキレのいいスパイクも次々に決まった。
兪が初先発した年明けの試合で大宅は「アータイ(兪)とのコンビネーションの精度はまだまだ。言葉の壁があるので、コミュニケーションをどう取っていくか」と課題を語っていたが、その日の夜、早速動いていた。
「通訳の中島さんを介してアータイと話をしました。アータイはよく、スパイクが得点にならなかった時に『自分のミスだ』というふうに言っていたんですが、それはやめてほしいと伝えました。『本当に好きなトスを知りたいので、ちょっとでも低かったりしたら言って』と。それから変わって、今日の試合中も『ネットから少し離して』と言われた。そういうことが信頼関係を作っていく上で大事だと思う。要求してもらわないと、僕も何が原因で合わなかったのかわからないまま流れていくのは嫌なので。今週もボール練習がない日にアータイのほうから『コンビを合わせたい』と。そういうアクションもしてくれているので、今日途中から入ってくれた時も不安なく上げられました」
王座を奪還する上で、層の厚さは必須。これまでアウトサイドは藤中謙、アラインの対角で固定されていたが、頼もしい選択肢が加わった。明日のメンバーは果たしてーー。
おおきにアリーナ舞洲で行われるJT広島戦の第2戦は、スターティングメンバーから注目だ。