試合日程・結果

GAME

2023-24 V.LEAGUE 東京グレートベアーズ戦

開催日時
2023年12月29日(金) 17:05
会場
有明コロシアム
サンバーズ
サンバーズ

3

  • 26-24
  • 25-17
  • 27-25

WIN

0

東京グレートベアーズ

試合経過

 12月29日、V.LEAGUE DIVISION1第15戦。現在2位のサンバーズは、8位東京グレートベアーズと対戦した。

 この日は主将でセッターの大宅が体調不良のため欠場し、西田が今季初の先発出場となった。

 第1セットはその西田のトスをムセルスキーがきっちりと決めて好スタートを切り、藤中謙のブロックで先行する。ミスが出て逆転されるが、佐藤、小野寺のクイックやアラインのスパイクでサイドアウトを重ねていく。中盤、サンバーズのスパイクをブロックやディグで阻まれて切り返され12-15とリードされたが、終盤、佐藤のサーブで崩し、アラインが連続ブロックを決めて18-18と追いついた。アラインのサーブでプレッシャーをかけ、ムセルスキーのカウンターアタックで21-20と逆転すると、好守備から、小野寺の鋭いクイックでブレイクし22-20。さらに、アラインがサイドラインぎわにノータッチエースを決めて23-20と引き離す。その後、東京GBの強力なサーブに崩され、ミスが出てデュースに持ち込まれるが、最後は堅い守備からムセルスキーのスパイクで切り返して競り勝ち、セットを先取した。

 第2セットはラリーの中でムセルスキーが真ん中からクイックを決めてスタートすると、ムセルスキーがノータッチエースを決め先行。西田が相手のレフトスパイクを立て続けに3本ブロックし9-3とリードを奪った。中盤は小野寺、西田などの好守備が続き、簡単に相手にスパイクを決めさせず、ムセルスキーのスパイク、ブロックなどで15-6と大差をつけた。西田はクイックを積極的に使うトスワークでサイドアウトを重ねて流れを渡さず、セットを連取した。

 しかしインターバルを挟んだ第3セットの立ち上がりは、つなぎやコンビなどにミスが続き3-6と先行された。小野寺が強烈なクイックを決めて連続失点を食い止めるが、中盤、東京GBのブロックに捕まったり、サーブに崩されて再び連続失点し5-11と点差を広げられた。それでも、アラインのカウンターアタックやブロックなどでブレイクし10-12と追い上げる。その後引き離されるが、西田のサーブで揺さぶり、藤中謙がブロック、スパイクで得点につなげ1点差に迫ると、西田の好守備をアラインが得点につなげ18-18の同点に。

 終盤、再び先行されるが、藤中謙が好守備でつないだボールをムセルスキーが豪快に打ち込んで追いつき、アラインのブロックで23-21とリードした。東京GBの粘り強い守備から切り返されてデュースに持ち込まれるが、藤中謙が巧みにリバウンドを取ったり、好守備でサンバーズも粘り、最後はアラインがパイプ攻撃を決めて27-25でゲームセット。6点差を逆転し、セットカウント3-0で勝利した。

 今季初先発の西田は試合後、「今、すごく安心しています。3-0で勝てたことは自分でも本当に大きかった。苦しい展開もありましたが、自分の中で切り替えながら、みんなに助けてもらいながら、目の前のプレーに全力集中して1点1点取りに行こうという気持ちで取り組んだ結果だと思う」と安堵の表情だった。

 緊張もあったが、「西田で行くぞと言われても、ヤベ!とは思わなかった」と言う。12月10日に行われた世界クラブ選手権3位決定戦で、劣勢の場面で出場し流れを変えた経験があったからだ。

「世界クラブのあの舞台でセッターとして出場した時に、やっぱりもっともっとセッターとして試合に出たいという気持ちが強くなった。そのチャンスが巡ってきたので、何が何でもこのチャンスをものにしてやるという気持ちで取り組みました」

 試合前の円陣では、「緊張してます!でも自分らしくやらせてもらいます!」と宣言していた。

 トスがずれる場面もあったが、スパイカー陣がブロックに当ててリバウンドを取ったり、巧みに打ち分けてカバーした。クイックを積極的に使うトスワークでチームのスパイク決定率は60.0%と高い数字を残した。

「オリビエコーチからも、積極的にクイックを使っていこうと言われていました。パイプを使えなかったのは課題ですが。強力なスパイカーが揃っているので、クイックを見せることでさらに両サイドが生きてきますから」

 難しいトスに対しても高い対応力を見せ、9本中7本のスパイクを決めたミドルブロッカーの小野寺はこう語る。

「コンビを合わせる時間があまりないまま臨んだ試合でしたが、西田もすごくいいパフォーマンスをしてくれましたし、みんなで勝ち取った1勝かなと思います。(西田は)少なからず緊張はするだろうと思っていたので、序盤はどんな展開になるかわからない、ディマ(ムセルスキー)一辺倒になることも、最悪の事態としてイメージしていたんですけど、積極的にクイックを使ってくれた。多少トスが低くなっても決めればいいと思っていたので、カバーするつもりで入っていました。ブロックを見てコースの打ち分けをしようと考えていて、うまくブロックアウトも取れていたと思います」

 山村監督も、「西田はストレスがかかる中でも、彼らしいプレーを随所に出してくれましたし楽しみながらやってくれていたのが一番。それが勝利につながったことが嬉しいし、彼にとって大きな成功体験になると思う。それに、助け合いが必要な競技の中で、託されたスパイカーが、自分の持ちうる引き出しをフルに使って助けていけた」とねぎらった。

 ピンチもチームの成長につなげる1勝となった。次戦も東京GBと有明コロシアムで対戦する。

「ストレートで勝つことはできたけれど、3セット目は相手に走られるシーンがあった。最近3セット目にスタートダッシュを切れない試合が多いので、しっかり自分たちの力を出し切って、もう一度ストレートで勝つことが明日のミッション。相手に隙を見せず、なおかつ西田がより良い経験ができるような試合をチーム全体で作っていきたい」と山村監督。

 2023年ラストゲームを、勝利で締めくくる。

2023/24シーズン

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