試合日程・結果

GAME

2023-24 V.LEAGUE ヴォレアス北海道戦

開催日時
2024年3月17日(日) 12:00
会場
Asueアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
サントリーサンバーズ大阪
サントリーサンバーズ大阪

3

  • 25-23
  • 26-24
  • 25-22

WIN

0

ヴォレアス北海道

試合経過

V.LEAGUE DIVISION1 レギュラーラウンドはついに最終戦を迎えた。レギュラーラウンド2位でセミファイナル進出を決めているサンバーズは、ホーム・Asueアリーナ大阪で9位ヴォレアス北海道と対戦した。

 この日はVリーグ初出場の内定選手・染野、今季初先発の柏田、髙橋塁、内定選手のオポジット甲斐などフレッシュなメンバーが先発に揃った。ロッカールームの声出しでは、柏田が声量マックスで「来週につながるように、ここ勝って弾みをつけましょう! そして今日はBチーム主体です! 泥臭く、Bチームらしく、元気に行きましょう!」と叫び、チームの士気を高めた。

 立ち上がりは硬さが見えたが、喜入の好守備を、初出場の染野が巧みなスパイクで得点につなげてブレイクすると、若い力が一気に勢いに乗った。甲斐や久しぶりの出場となった柏田が勢いよくスパイクを決めてサイドアウトのリズムを作る。染野の好ブロックから、甲斐が鋭いスパイクで得点につなげ9-7と先行。髙橋塁も力強いパイプ攻撃を決めて流れに乗る。サーブレシーブを崩されても、甲斐が思い切りよくバックアタックを決めてピンチを救う。追いつかれても、喜入の好守備から、染野や甲斐のスパイクでブレイクし18-16と再び先行。終盤には甲斐が強烈なサービスエースを奪い21-18とリードした。追い上げられても最後は甲斐のスパイクで締めて逃げ切り、セットを先取した。

 第2セットは柏田のサーブで揺さぶり、佐藤の連続ブロック、染野のスパイクでブレイクし3-0と好スタートを切る。このセットもリベロ喜入の好守備が光り、それを甲斐が得点につなげリードを広げた。中盤追い上げられるが、柏田のクイック、ブロックで12-7と再び引き離す。その後もラリーを佐藤のブロックで制して流れを渡さない。終盤、ヴォレアスのサーブにおされ、エースを奪われたりブロックに捕まり23-24と逆転されたが、佐藤のクイックでデュースに持ち込むと、佐藤のサーブで揺さぶり、ヴォレアスにミスが出てデュースを制し、セットを連取した。

 第3セットからは、今リーグ限りで勇退するリベロの髙橋結がコートに入った。髙橋結にとってはラストゲームだが、「自分はプロバレーボール選手としてここにいるので、勝つことだけを考えていた。楽しむとか、そういうものは後からついてくるものだと思っている。勝つことが仕事なので」と最後まで貪欲に"勝利"を求めた。

 その第3セットの立ち上がりは、入ったばかりの髙橋結がきっちりとサーブレシーブを返し、染野がスパイクを決めると、髙橋結は走り回ってムードを盛り上げる。さらに甲斐のスパイクで立て続けにラリーを制し3-0とスタートダッシュに成功した。追い上げられても、髙橋結の好守備を甲斐が得点につなげたり、髙橋塁の鮮やかなカウンターアタックで連続得点を奪い6-2と再びリード。甲斐のサービスエースなどで点差を広げた。中盤、追い上げられるが、セット途中から入った鍬田がブロックで連続失点を断ち切り、終盤は鍬田がパワフルなスパイクでブロックを弾き飛ばして得点を決める。最後は髙橋結の正確なサーブレシーブから、染野がスパイクを決めてゲームセット。ベンチからも選手がコートになだれ込み、髙橋結と熱いハグを交わした。

 試合後、髙橋結は清々しい表情で語った。

「嬉しかったです。勝って、ホッとしたし嬉しかった。そこは責任というか、勝たないと意味がないんで。Bチームの若い子たちがあれだけ躍動してくれたので、本当に嬉しかった。それに、試合前の(柏田)樹の円陣の声出しも......普段はあまり前に出てワーワー言うタイプじゃないんですけど、やっぱり悔しい気持ちをずっと抱えていて、それでも進み続けていたから、ああいう心の声が出たと思う。嘘偽りのない言葉が自分にはすごく響いたし、『ほんまにこの同期でよかったな』とめちゃくちゃ思いました」

 その柏田は、今季初先発で7本中6本のクイックを決め、効果的なサーブでも貢献した。

「スタメンで行くからと言われて気持ちが上がっていたし、結人が最後の試合だから、気持ちよく終わってもらいたいという思いもあった。最初にAクイックが一発バシッと決まったところから緊張も解けて、普段通りの自分のプレーができたかなと思います。今季はベンチアウトの試合が多かったので、崖っぷちでしたね。この試合、このチャンスを逃したら、ここで何も残せなかったら、もうたぶん終わりやなと思って臨んでいました」と覚悟を明かした。

 この日はアウトサイドの髙橋塁もVリーグ初先発を果たした。精度の高いサーブでブレイクにつなげたり、スピードとパワーのあるパイプ攻撃でも流れを引き寄せた。

「サーブは武器にしていて、ピンサー(リリーフサーバー)として積み重ねてきた信頼があったから今日のスタメンを勝ち取れたのかなと思うので、やってきたことは間違っていなかったなという嬉しさがありました。自分はトータル的な部分で期待してもらっていると思っていて、ミスを抑えながら、リバウンドを取ったり、バックアタックもいいコースに打てたんじゃないかと思います。ただサーブレシーブは課題だと感じました。勝つことだけを考えていたので、勝ててよかった。結人さんからは気迫が伝わってきていたし、Bチームのメンバーが思い描いていたシナリオ通りにできた。Bチームもできるんやぞというのを見せられたかなと思います」

 また、揃って先発出場した内定選手の甲斐と染野が高いスパイク決定率を残し、甲斐がチームトップの22得点、染野が2番目の14得点を奪う活躍を見せた。

 Vリーグ初出場の染野は、今季のホームゲーム最多4504人の前でも、「全然緊張はなかった。これだけのお客さんが来てくれたので、それを楽しもうという気持ちでした」と言ってのける強心臓。

 アピールポイントは守備面だと言うが、この日は相手ブロックを利用した巧みなスパイクでも魅せた。

「いいところで(西田)寛基さんが、(ブロックを)1枚とか1.5枚にして持ってきてくれたので、そこまでやってくれたんだから、自分が責任持って決めないとなという思いがありました。自分は身長が低いし、打点も高いわけじゃないので、ブロックを利用して打っていかないとVリーグの舞台では戦えない。それは高校時代から意識してやってきました」

 様々な思いを胸に、若手が躍動して勝ち取った勝利でレギュラーラウンドを締めくくった。山村監督は「今日は勢い勝ち。ヴォレアスさんからすれば情報がなかった難しさもあったと思いますが、若手選手にとっては自信になったと思う。特に甲斐、染野の2人は目を見張る活躍だった」と収穫を語った。

 次週はいよいよセミファイナル。ここからは一発勝負の戦いとなる。

「セミファイナルは名古屋さん対東レさんの勝者と対戦することになりますが、対相手というより、自分たちのパフォーマンスを出せるかどうかが一番の課題。それさえできればどのチームとやっても負けない自信があるので、まずはその準備をしっかりすること。ここまではいい流れで来ているので、いい準備をして、最高のパフォーマンスを発揮し、バレー界が盛り上がるように、かつ、勝てたら最高です」

 1人1人が自身の役割にフォーカスし、残り2試合、"PLAY HARD"で勝利をつかむ。

2023/24シーズン

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