試合日程・結果

GAME

2023-24 V.LEAGUE ウルフドッグス名古屋戦

開催日時
2024年3月 9日(土) 14:05
会場
おおきにアリーナ舞洲(舞洲アリーナ)
サンバーズ
サンバーズ

3

  • 27-25
  • 19-25
  • 26-24
  • 27-25

WIN

1

ウルフドッグス名古屋

試合経過

 V.LEAGUE DIVISION1、レギュラーラウンドは残すところ4試合となった。現在2位のサンバーズは、3位ウルフドッグス名古屋と、ホーム・おおきにアリーナ舞洲で対戦した。あと1勝した時点でサンバーズのレギュラーラウンド2位以上が確定する。

 第1セットからサンバーズのブロックと守備が機能し、WD名古屋のスパイクを1本では決めさせない。小野寺やアラインのサーブで崩してミスを誘い7-4とリード。WD名古屋にも好守備が出てラリーが続くが、サンバーズはムセルスキーのスパイクや小野寺のクイックなどでリードをキープする。終盤、WD名古屋のサービスエースなどで18-18と追いつかれるが、藤中謙が強力なサーブをきっちりと返し、アラインが強烈なスパイクを叩き込み逆転を許さない。デュースとなるが、藤中謙が好ブロックでチャンスを作り、大宅がダイレクトスパイクを決めて27-25。接戦を制しセットを先取した。

 第2セットはWD名古屋のサーブに崩され先行されると、中盤にもエースを奪われたり、ブロックに捕まり6-11とリードを広げられた。アラインのパイプ攻撃や小野寺のクイック、ムセルスキーのスパイクなどで流れを引き寄せ、アラインの巧みなフェイントでブレイクして追い上げるが、WD名古屋のクレク・バルトシュにこのセット2本目のサービスエースを奪われるなど再び引き離され、セットを奪われた。

 第3セットはサンバーズにスパイクミスが続いて先行され、その後もショートサーブで崩されて切り返され5-9とリードを広げられた。それでも中盤、藤中颯がサーブレシーブで踏ん張り、小野寺が立て続けにクイックを決めて流れを引き寄せる。大宅が食らいついてブロックフォローしたボールを粘り強くムセルスキーが得点に結びつけ追い上げると、大宅のブロックで14-15と迫った。さらに、堅いブロックでWD名古屋の攻撃を阻み、ムセルスキーのスパイクで切り返して15-15。アラインがエンドラインにノータッチエースを決め16-15とついに逆転した。さらに、アラインのサーブで崩して、このセット途中から入った佐藤のクイックで切り返し17-15。怒涛の5連続得点に、コート内もベンチも一体となって沸いた。

 このシーンを佐藤はこう振り返る。

「2セット目以降ムード的に沈んでしまっていたんですけど、(大宅)真樹さん中心に盛り上げて、チームを立て直すことができて、自分もすごく心を動かされた。(5-9の場面でコートに入った時は)『やべ、来た!やるしかない!』と思って入りました。(16点目のクイックは)トスを呼んではいたし、全力で(助走に)入ってはいたんですけど、最近練習であまりコンビを合わせていなかったので、正直トスが上がってくるとは思っていなくて......。でも完璧なところに上がってきて、100%で打てたので、自分としても気持ちが上がりましたし、チームのみんなも『ウオー!』となってくれたので、気持ちよかったですね」

 一方、大宅は冷静に観察していた。

「最近、鬼木がスタートで出るようになって、それまで出ていた(佐藤)謙次が少なからずモヤモヤしていたことは感じていました。謙次に上げたあのトスは、その1本で吹っ切ってほしいという思いがありました。それと、メンバーチェンジで呼ばれた瞬間を見ていたんですけど、あまり準備ができていなかったのは見ていてわかった。僕は試合に出ている身なので言いづらい部分はあるんですけど、やっぱり急に呼ばれたとしても、自分の持ち味は出せるように準備はしておかなきゃいけない。それがリザーブの仕事だと思う。"チーム一丸"って言葉では簡単に言いますけど、今後戦っていく中で一番必要なことだと思います。そういう意味でも、1本まず決めさせて本当に試合に入らせる意味もあったし、"試した"ところもありました。そこでしっかり決めてくれた。そこからは空いた期間を感じさせず、自然と馴染んでいく謙次がいたのでよかったなと思います」

 短い時間の間に信頼関係の再構築がされていた。その後、デュースにもつれるが、好守備をムセルスキーが得点につなげて26-24で競り勝ち、セットを奪った。

 第4セットは、WD名古屋の堅い守備に苦しめられながらも、粘り負けせず1点ずつ積み重ねていく。第2セットは相手のサーブに直接ポイントを奪われる場面が多かったが、第3セット以降はサーブレシーブ陣が踏ん張り、「とにかく上にあげさえしてくれたら、なんとかつなげる自信はある」と言う大宅が懸命にカバーし得点につなげた。ネットから離れた場所からも積極的に小野寺のクイックを使って相手を翻弄し、ムセルスキーがラリーを締める。このセットもデュースに持ち込まれたが、ムセルスキーのスパイクでサイドアウトを重ね、藤中謙が際どいコースを狙ったサーブで崩し、最後は小野寺のブロックでラリーを制し27-25でゲームセット。

 セットカウント3-1で勝利し、ファイナルステージで大きなアドバンテージを得られるレギュラーラウンド2位以上を確定させた。

 山村監督は、「勝てば2位以上が確定する、見えないプレッシャーがある難しい試合だった。2セット目にサーブに崩されて静かになったけど、そこからベンチの選手、スタッフ、コートの中の選手も声を掛け合い、そのままで終わらなくなったのは今のサンバーズの強みだと思う」とねぎらった。

 WD名古屋の堅いブロックとディグに苦しめられながらも、ムセルスキー、アラインが得点源としての役割をしっかりと果たした。

 アラインは、「名古屋さんはブロックとディフェンスがよくて、ブロックの上とか横を抜いて打っても拾われるので、(ブロックの)手に当てたほうが点数を取れる可能性があると思って、手を使った」と巧みにブロックアウトを奪い得点を重ねていった。

 主将の大宅は、「2位以上が確定する試合というのはわかっていましたが、それ以上に、僕個人としては一番負けたくない相手だった。昨シーズン、一番負けちゃいけないところで負けた相手だったので。2位以上は確定しましたけど、まだ1位通過の可能性も残っているので、残りの3試合もすべて自分たちのプラスになる試合にしていきたい。ここで安心せず、明日も攻める気持ちを忘れずに戦っていきたい」と語った。

 2位以上はセミファイナル進出を意味する。そこに最高の状態でたどり着くために、残された3試合でどのような戦いを見せるのか。いずれもホームゲーム。セミファイナルを見据えたサンバーズの戦いに注目だ。

 

2023/24シーズン

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