試合日程・結果

GAME

2022年アジアクラブ選手権大会 準々決勝

開催日時
2022年5月18日(水) 13:00(現地時間)
会場
イラン・テヘラン
サンバーズ
サンバーズ

3

  • 25-20
  • 25-20
  • 25-22

WIN

0

カタール

スターティングメンバー

髙橋 結人

リベロ

試合経過

 2022アジアクラブ選手権準々決勝。予選リーグを2勝1敗の2位で通過したサンバーズは、カタールのアルライヤンクラブと対戦した。

 第1セットの立ち上がりは、サンバーズのスパイクを拾われて切り返され0-2と先行される。その後サービスエースを奪われたり、ブロックに捕まり1-5とリードされたが、ムセルスキーのサービスエースで追い上げ、ブロックのワンタッチから柳田のパイプ攻撃で切り返したり、彭がサービスエースを奪って8-8と追いついた。小野のスピードあふれるクイックで相手ブロックを置き去りにし、藤中のショートサーブで揺さぶり、堅いブロックとディグから、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて12-11と逆転。小野が緩急をつけたサーブで崩してミスを誘ったり、ムセルスキーのブロックで16-12と引き離した。その後クイックにミスが出て追い上げられ、サーブレシーブを崩されたり、ブロックに捕まり3連続失点で17-17と追いつかれた。それでも、柳田が二段トスをストレートに打ち込んで流れを切ると、終盤、好守備からムセルスキーのカウンターアタックで21-19と再び先行。藤中が巧みなショートサーブでエースを奪って点差を広げ、サンバーズがセットを先取した。

 第2セットは小野のクイック、藤中のパイプ攻撃と真ん中の攻撃でサイドアウトを重ねる。ムセルスキーのサーブで崩し、大宅がツー攻撃を決めて3-1と先行。スパイクミスが出て追いつかれるが、彭がサービスエースを奪い6-4と再び先行する。追いつかれても、柳田の好守備をムセルスキーが得点につなげ8-6と抜け出し、小野のブロックで9-6とリードを広げた。相手の強力なサーブもリベロの喜入と藤中が正確に返し、柳田のスパイクや小野のクイックでサイドアウトを重ねていく。追い上げられても、柳田の好守備から、藤中がライン上に鋭いカウンターアタックを打ち込み15-12と再び点差を広げた。終盤には大宅が連続サービスエースを奪って18-13と引き離す。小野、彭のクイックでサイドアウトを重ね、柳田が相手レシーバーが一歩も動けない鋭いサーブでエースを奪い23-17とさらに点差を広げ、セットを連取した。

 第3セットは小野のサーブから、ブロックとディグが機能し、ムセルスキーや柳田のカウンターアタックで得点につなげ3-0と好スタートを切る。その後は柳田のパイプ攻撃や彭、小野のクイックなどでリズムよくサイドアウトを重ねていく。中盤には、ムセルスキーのサーブで崩し、ムセルスキーのスパイクや彭のクイックで切り返し12-7とリードを広げた。アルライヤンクラブのブロックやサンバーズのスパイクミスで12-10と追い上げられるが、セッターの大宅が、ミスをした彭のクイックを再度使い、彭がそれに応えて連続失点を断ち切る。その後、相手のブロックやサンバーズのミスで18-18と追いつかれるが、柳田のスパイクで流れを切ると、相手にミスが出て21-19と再び抜け出す。終盤は柳田の躍動感のあるパイプ攻撃やレフトスパイクで得点を重ねてゲームセット。サンバーズがセットカウント3-0で勝利し、準決勝に進出した。

 この日は藤中、喜入を中心とした正確なサーブレシーブから、クイック、パイプを軸にバランスのいい攻撃を展開することができた。
 藤中は「立ち上がりにリードされはしましたが、コートの中に焦りはなく、それぞれが仕事をしっかりこなそうという雰囲気があって、ブレイクのチャンスをしっかり取っていくことができた。序盤以外は内容的に悪くなかったと思う」と手応えを漂わせた。
 サーブレシーブの安定感が持ち味の藤中だが、予選リーグの1、2戦目はそのサーブレシーブが安定せず、途中でコートを退いていた。だが、負けられない決勝トーナメントにしっかりと照準を合わせて立て直した。
「相手はいいサーブ、嫌なサーブを打ってくるし、普段とはボールの変化や質感が違って、予選リーグではそれに合わせられなかった。フローターサーブは、オーバーハンドで取る時に手に入る感覚が違ったり、手に入っても、滑って後ろに抜けてしまったりした。ジャンプサーブも伸びてくる感じがあって、感覚的なズレが失点につながっていました。でも今日はその感覚のギャップを埋めて、うまく対応できた。ボールを待ってしまっていたのがミスにつながった原因の一つだと思ったので、ボールが自分の手元に来る前に早めに形を作って返すということを意識しました」
 同じく予選ではサーブレシーブに苦しんだリベロの喜入も、この日は安定したプレーでチームを支えた。
「ボールが滑りやすかったり、球によってすごく柔らかいボールがあったりして難しい部分があったんですけど、やっていくうちに慣れてきました。滑らないように、今日はあまりオーバーハンドで取らず、できるだけアンダーハンドで取りに行くようにしていました」と振り返る。
 ただ喜入にとっては、プレー面以上に精神面の変化が大きかったと言う。
「ヨネさん(米山コーチ)に予選で『不安そうにやってるぞ』と言われて、確かにそうだなと思ったんです。監督にも『ミスは誰にでもある。ミスしない人はいないんだから、切り替えろ。びびってるように見えるぞ』と言われました。ミスした時に『あ、どうしよう』と思ってしまったり、『次取り返そう』と思いすぎてボールがネットを越えてしまったりしていたので。自分のプレーをああしようこうしようということしか考えられていなくて、本来の自分の持ち味である、声を出して元気よく周りを鼓舞する、というのができていなかった。もしパスが返らなかったとしても、自分がチームのためにできることはそういうことだ、と。
(高橋)結人を見ていてもそう思いました。どんな時もワーッと声を出して走り回っている姿を見ると、自分も本来はこういう姿でワイワイやってたよな、と。二段トスの精度とか、まだまだな部分もありますけど、これが今の自分だと受け止めて、今できることをやろう、というマインドで今日は臨みました」
 やるべきことを明確にしたことが、プレーの安定にもつながった。

 アジアの頂点まであと2つ。だがここからは強豪との連戦となる。藤中は「今日はスパイクミスなど単純なミスがたまに出ていた。次の試合からは、それは許されない。もう一段ギアを上げていかないと」と気を引き締める。
 残り2戦、今シーズンの集大成を、アジアに見せつける。

2021/22シーズン

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