• 開催日時
    2019年5月 6日(月) 13:30
  • 会場
    丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)

第68回 黒鷲旗大会 決勝 パナソニック戦

  • サンバーズ

    3

  • 25-21
    21-25
    25-20
    33-31
  • 1

黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会はついに決勝を迎えた。4年ぶりに決勝の舞台に帰ってきたサンバーズは、今季のVリーグ王者、パナソニックパンサーズと対戦した。

 前日に引き続きサーブが好調のサンバーズは、第1セット、小野がショートサーブでエースを奪い3-1と先行すると、秦もコートエンドにノータッチエースを決めて6-3とし、スタートダッシュに成功した。その後も、塩田のサーブで崩し、藤中がダイレクトスパイクを打ち込み8-4とリードを広げる。中盤、パナソニックのカウンターアタックなどで点差を詰められるが、塩田のサービスエースで16-13と再び点差を広げ、藤中のブロックポイント、ムセルスキーのカウンターアタックで19-14と引き離した。終盤は秦のスパイクや塩田、小野のクイックでサイドアウトを重ね、サンバーズがセットを先取した。

 しかし第1セット終盤からサンバーズはサーブミスが目立ち、第2セットの立ち上がりはサーブで押し切れない。すると、第1セットは決まっていたムセルスキーのスパイクがブロックに捕まり、決定率の高い塩田のクイックにも2枚のブロックがついて止められ、3-6とリードされた。それでも、ムセルスキーのカウンターアタックで追い上げ、小野の好守備をムセルスキーが得点につなげて10-10の同点に。さらに、塩田のクイックで

逆転すると、小野が強烈なサービスエースを奪って12-10とリードした。その後、ムセルスキーのサーブで崩して14-11と点差を広げる。しかし再びパナソニックのブロックに捕まったり、巧みなフェイントを決められ追いつかれると、スパイクミスが出て15-16と逆転された。さらに、サーブレシーブを崩されてカウンターアタックを決められ16-19とリードされた。終盤にはブロックで点差を広げられ、セットを奪われた。

 第3セットはムセルスキーのブロックで2-0と先行するが、その後、立て続けにサーブレシーブを崩され、パナソニックのブロックや巧みな攻めで切り返され4-6と逆転された。その後、点差を広げられるが、小野が移動攻撃を決めて流れを引き寄せると、ムセルスキーがミドルの位置でブロックに入ってクイックをシャットアウトし9-10と追い上げる。さらに、小野のジャンプサーブで崩してミスを誘い11-11と追いつくと、塩田の連続ブロックで14-12と逆転した。サービスエースを奪われ追いつかれるが、サンバーズは小野の強烈なサーブで崩し、3枚ブロックで仕留めて20-18と再び先行。終盤には、セット途中からコートに入っていた米山が、持ち味の鋭いサーブで連続サービスエースを奪って締め、サンバーズが優勝に王手をかけた。

 第4セットはスパイクミスが出て1-3と先行されるが、藤中がフローターサーブで崩し、大宅のツーアタックや塩田のブロックで4-3と逆転。米山が切れのあるスパイクを決めてサイドアウトを奪う。逆転されても、米山の好守備で粘って小野がブロックを決め8-7と逆転した。ところが、パナソニックの強力なサーブに連続エースを奪われ8-10とリードされる。小野のサーブで攻め返し、ムセルスキーがカウンターアタックを決めて10-10と追いつくが、パナソニックの強烈なサーブが再び襲いかかる。藤中や鶴田が、何とかポイントを奪われずに上げるが、サンバーズのスパイクを拾われて次々に切り返され12-16と引き離された。その後、パナソニックのブロックで点差を広げられるが、ムセルスキーのブロックで再び追い上げる。

 さらに終盤、ムセルスキーがサイドライン際に強烈なサーブを打ち込んでエースを奪い1点差とすると、相手のクイックを拾って、塩田がクイックで切り返して22-22と追いついた。デュースとなるが、ムセルスキーのスパイクや小野、塩田のブロックでサイドアウトを重ね、相手のセットポイントを8度しのぐと、31-31で米山にサーブが回った。

 米山は、鍛えあげた右腕を振り抜いて強烈なサーブを放ち、相手レシーバーを吹き飛ばしてエースを奪い32-31と逆転。次のサーブも相手を大きく崩し、藤中がブロックで仕留めて33-31。サンバーズが4年ぶりに黒鷲旗優勝を果たした。

 大会を通して得点源となりチームを支えたムセルスキーが黒鷲賞(最高殊勲選手賞)を受賞。ムセルスキー、大宅、藤中の3人がベスト6に選出された。

 大会を通して、リーグ後に課題のサーブを強化してきた成果が出た。サーブで相手にプレッシャーを与え、ブロックとディグも機能した。そのおかげで、第4セットに5点差を逆転したように、相手に先行されても反撃することができた。

 主将の藤中は、「今大会を通して、サーブはブレイクするための大きな武器になった。リーグでは苦しい場面で攻めきれなかったので、そこは今大会に向けて練習してきて、今回は苦しい場面や負けている場面でもしっかり自分のサーブを打てていたというのが優勝につながった大きな要因だと思う。すごくきつい試合でしたが、最後リードされた展開でも、全員があきらめずに勝ち切れたことは、すごく今後の自信につながると思います」と収穫を語った。

 この試合を最後に現役生活を終える米山は、自らの勝負強さで勝利を引き寄せ、有終の美を飾った。

 試合後、第4セット32点目のサービスエースについて聞かれた米山は、「全然覚えていなくて、今言われて『エースだったんだ』って知ったぐらい。とりあえずいつも通り、『思い切りかちこんでやるぜ』ぐらいの気持ちでやった結果でした。その後の最後の1本は、ラストだったので、知っている人に骨を拾ってもらおうかなと思って、学生時代から一緒にやっていた永野(健)さんを狙ったんですけどそこに行かなかった。ちょっと恥ずかしいです」と苦笑した。

 藤中は、「あの場面は、たぶんチーム全員が期待していた。やってくれるんじゃないかと思っていたことを、本当にやってくれた」と語る。

 荻野監督も、「チームが沈んでいる時に自ら声を出したり、リーダーシップをとってチームの支柱になってくれていた。それを最後の試合でも発揮してくれたので、他の選手も見習わないといけないし、それがあったから優勝できた。今日もしっかり準備してくれていたし、最後にあそこでサーブが回ってくるのも、米山が今までやってきたことの結果なのかなと思う」とねぎらった。

 今大会中も米山は、出番が少なかった試合後にはサブコートで練習し、翌日の試合に備えるなど、勝つための準備を最後まで怠らなかった。

 内定選手時代からリーグ戦に出場し、10シーズンをサンバーズで過ごした米山は、「今日は泣かないようにしようとずっと思っていた。『ヤバイ』というシーンは何度も訪れていたんですが、最後は笑って終わりたかったので、耐えて、泣かなかった自分、よくやったぜって誉めてやりたいです」と笑った。

 ただ、「10年間サンバーズでプレーして、リーグ優勝できなかったことだけが唯一の心残り」と悔しさもにじませた。「まだ現役生活をやれる選手にはチャンスがある。終わった時に後悔しないように、1日1日を大切にやっていってもらいたい」と後輩にあとを託した。

"令和"となって最初のタイトルをつかんだサンバーズ。"平成"で前人未到のリーグ5連覇を達成したように、"令和"でもリーグ優勝を果たし、常勝チームを築いていくためには、米山が最後に示したような勝負強さや勝利への執念を、1人でも多くの選手が受け継ぎ、コートで体現していかなければならない。

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