• 開催日時
    2018年5月 3日(木) 10:00
  • 会場
    丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)

第67回黒鷲旗大会 準々決勝 vs.東レ

  • サンバーズ

    2

  • 21-25
    25-21
    25-23
    23-25
    11-15
  • 3

黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会準々決勝。サンバーズは、今シーズンのV・プレミアリーグ4位の東レアローズと対戦した。
 第1セットの立ち上がり、サンバーズはコンビが合わずに東レに切り返され、レセプションも乱れて連続失点し1-4と出遅れた。その後もサーブに崩されて2-6とリードを広げられる。それでも中盤、サンバーズのサーブが走り始めた。まずは松林が力強いサーブを打ち込んで崩し、藤中が速いカウンターアタックを決め7-9と追い上げる。さらに塩田のサーブで崩して東レのミスを誘い13-14と迫った。しかしスパイクミスが出て再び引き離される。終盤にはサービスエースを奪われて点差を広げられ、第1セットを失った。
 しかしサンバーズは徐々に選手たちから声が出て、足が動き始めた。第2セットはエスコバルの強力なサーブで崩し、藤中がカウンターアタックを決めて先行。ブロックにもしつこさが出て、ワンタッチを取って切り返したり、エスコバルのブロックでラリーを制し8-5とリードした。中盤、サンバーズのスパイクを拾われ11-11と追いつかれるが、好守備から松林が3枚ブロックを弾き飛ばしてカウンターアタックを決め14-12と再びリード。その後追いつかれるが、終盤、ラリーを塩田の巧みなクイックで制して20-17と抜け出した。東レのチャンスを塩田がブロックで封じて流れを渡さず、サンバーズがセットを取り返した。
 第3セットは東レに粘られてサンバーズにミスが出たり、ブロックに捕まり2-5と先行された。藤中のパイプ攻撃などで攻撃のリズムをつかみ、好守備からエスコバルのカウンターアタックで9-11と追い上げる。引き離されても、松林のブロックで13-15と再び追い上げ開始。鈴木のクイックや塩田のブロックで1点差に迫ると、エスコバルが立て続けにカウンターアタックを決め、ついに19-18と逆転。山本と塩田の息の合ったコンビで流れを渡さず、松林が爆発力のあるスパイクを打ち込んで立て続けに得点を奪い23-21とリードして逃げ切り、サンバーズがセットを連取した。
 その勢いのまま第4セットは松林がノータッチエースを奪って好スタートを切る。鈴木、塩田のクイックでリズムを作り、松林のブロックなどで6-3と先行。塩田のサーブで崩して松林が得点につなげ8-4と点差を広げた。しかし中盤、東レのブロックやサンバーズのミスなどで4連続失点し12-13と一気に逆転される。その後リードを広げられるが、塩田が2枚ブロックを打ち抜いてクイックを決めると、エスコバルのカウンターアタックで18-17と逆転した。そこから互いにサイドアウトを奪い合うが、エスコバルが強力なサーブで崩し、カウンターアタックを決め22-20と抜け出した。しかし粘る東レに切り返されて22-22の同点に。そこでサンバーズにスパイクミスが出てしまい逆転されると、サービスエースを奪われて引き離され、試合をフルセットに持ち込まれた。
 第5セットは東レのブロックやサンバーズのスパイクミスで相手を勢いづかせてしまい、立て続けにカウンターアタックを決められ1-5と出遅れた。その後もエスコバルのスパイクが東レのブロックに捕まり点差を広げられる。中盤、ピンチサーバーとして入った米山の好守備で粘り、松林のブロックで追い上げる。さらに、米山のサーブで崩し、鈴木のブロックで仕留めて8-10と迫った。その後は松林が力強いスパイクを打ち込みサイドアウトを取るが、連続得点を奪えず、11-15でゲームセット。サンバーズはベスト8で大会を終えた。
 前日までの試合に比べれば、アグレッシブな攻撃や粘り強さは出ていた。セッターの山本はクイックを積極的に使うなど徐々に本来の持ち味を発揮し、先発した2年目の松林は高い打点から思い切りよくスパイクをたたきこんだ。ただ、勝負所の1点を奪えず、あと一歩のところで勝ちきれないという、リーグからの課題は解消されなかった。
 ディグのリベロとして出場した酒井は、この試合が現役生活15年間のラストゲームとなった。安定した守備と、的確な指示やアドバイスで周囲に安心感を与え続けた守護神。試合後の第一声は、「悔しいです」だった。
「勝機があったのにこういう展開になってしまった。サンバーズに来てから、勝てなかった...自分の力不足だったなと思います」と声を震わせた。そしてチームの現状について率直な思いを語った。
「ずっと勝っていないから、勝ちを知らない。勝負所を知らない。それは教えて培うものではなく、いつか勝った時に気づくこと。それを今大会にしたかったんですが...」
 それでも、自身のバレーボール人生は「本当に幸せだった」と振り返る。「現役である時間というのはいつかなくなってしまう時間。30歳を越えてからそういうことを考え出して、36歳までできたというのは、自分でも頑張ってきたなと思うし、選手の時代が一番いい時間だと思います」と穏やかな表情になった。
 守護神の座を引き継ぐ鶴田は試合後、涙をユニフォームでぬぐった。
「自分が1セット目に相手サーブに押されて、ポイントを取られたりしたのが影響した。それに、相手にトスが読まれている場面があったけど、そういうところで僕がもっとセッターに声かけをできていれば...。酒井さんに『リベロには周りを動かす力が必要だ』と教わったのに。酒井さんには、僕がポジションを奪ってから引退してもらいたかったのに、全然追いついていない。格が違いすぎる。自分のせいで負けて、酒井さんを今日引退させてしまったので本当に申し訳ない気持ちです。こんな不甲斐ない姿を見せてしまったので、酒井さんを不安にさせてしまったかもしれない。僕はこれから来季に向けて、本当に頑張らないといけない」と神妙な面持ちで語った。
 コートを去る酒井が、言葉で、プレーで伝え続けたメッセージを、サンバーズはなんとしても来シーズンの糧にしなければならない。

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