Liqueur & Cocktail

スピリッツ入門 3.ジン 製法と種類

ジンの製法

一般にジンといえばドライジンを指す。ドライジンは連続式蒸溜機で蒸溜したグレーンスピリッツに、杜松(ねず)の実(ジュニパー・ベリー)の他、多様なボタニカル(草根木皮)を加えて、さらにポットスチル(単式蒸溜器)でゆっくりと再蒸溜してつくる。
再蒸溜には主として2通りの方法があり、ひとつはグレーンスピリッツに草根木皮を加えてポットスチルで蒸溜する。ビーフィーター・ジンにおいては、再蒸溜の前にボタニカルをグレーンスピリッツに24時間浸漬(スティーピング)する。もうひとつはポットスチル内部の上部にジン・ヘッドと呼ばれる円筒(上下は金網)を取り付け、その中にボタニカルを詰めて、蒸溜によって立ちのぼるスピリッツ蒸気とともに香味成分を抽出する。
ボタニカルはジンの生命線といえる。ジュニパー・ベリー、コリアンダー、アニス、キャラウェイ、フェンネル、カーダモンなどの種子、アンジェリカ、オリス、リコリスなどの根、レモンやオレンジなどの果皮、シナモンの樹皮などさまざま。使用するすべての材料種や細かな配合比率などは企業秘密であり、公表されていない。

ドライジンの基本的な製法

ジンの種類

ジンは世界各国でつくられているが、主なジンのタイプは下記の通り。

イギリス

ドライジン Dry Gin /現在、主流のジン。純度が高く、ジュニパー・ベリーや柑橘系の爽やかな香味が特長的で、カクテルのベースとして世界中で広く親しまれている。
オールド・トム・ジン Old Tom Gin/蒸溜酒にまだ雑味が多かった時代の甘口ジン。現在はドライジンに砂糖を2%程度加えて仕上げる。18世紀、ロンドンで猫の口にコインを入れると、足から甘口のジンが出てくる自動販売機(実際は、裏で人がジンを注いでいた)が大ヒットした。オス猫をトム・キャットと呼ぶことに由来する。現在の生産量は極めて少ない。
プリマス・ジン Plymouth Gin/18世紀からイングランド南西部のプリマスでつくられる香りが強く、ほのかに甘味のあるジン。プリマスはイギリス海軍の軍港であり、海軍御用達ジンとして知られた。
コンパウンド・ジン Compound Gin/ボタニカルを加えて再蒸溜することなく、グレーンスピリッツにハーブやフレーバー・エッセンス、糖分などを加えただけのジン。いわゆる合成酒的なジン。

オランダ

ジュネヴァ、ダッチ・ジュネヴァ、イェネーフェル、ホランズ Hollands、スキーダム Schiedamなど、さまざまに呼ばれる。
ドライジンと異なる点は最初のグレーンスピリッツの蒸溜に連続式蒸溜機を使用せず、ポットスチルでおこなうこと。ボタニカルを加えた再蒸溜ももちろんポットスチル。これにより香味が濃厚で、麦芽の香りが残る。ストレートで飲まれることが多い。

ドイツ

シュタインヘーガー Steinhagerと呼ばれ、シュタインハーゲン村で生まれたことに由来する。オランダジン系であるが、発酵させたジュニパー・ベリーをポットスチルで蒸溜してから、グレーンスピリッツを加え再蒸溜する。

日本(サントリー)

ドライジン・タイプで、トウモロコシを原料としたグレーンスピリッツに、ジュニパー・ベリーをはじめとしたボタニカルを加えて再蒸溜する。軽快なグレーンの味わいと柑橘系の爽快感が特長。
現在、クラフトジンが世界的ブームとなっているが、日本ならではのボタニカルを加えた「ジャパニーズクラフトジン[ROKU]」が欧米を中心に海外で人気となっている。

その他

ジュニパー・ベリーの他にフルーツといった材料を使い、仕上げた、甘口のフレーバード・ジンがある。日本では酒税法上、リキュール類に分類される。

ジン製品情報

3.ジン

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