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白州蒸溜所便り

新シリーズ「『白州の森』で働く仲間たち」!第一回目は醸造グループの栗山さんを紹介します

2025年1月17日

こんにちは。森川ユタカです。
今年から、白州蒸溜所で働く人たちのインタビューをリレー形式で繋いでいく新シリーズ「『白州の森』で働く仲間たち」をスタートします。
豊かな森に囲まれた白州蒸溜所で、どのような人たちが、どのような想いを持って働いているか、ご紹介していきます。


記念すべき第一回目は、白州蒸溜所の醸造グループで働く栗山さんにインタビューしました。入社5年目の栗山さんから、いったいどのような話が聞けるのでしょうか。


2510hd_001.jpg栗山さんのホームグラウンド、蒸溜棟の前にて


栗山さんがウイスキーづくりに携わることを決めたきっかけは、学生時代に白州蒸溜所でのインターンシップに参加したこと。入社後は醸造グループに配属となり、現在は主に蒸溜工程に携わる仕事をしています。


森川「インターンシップ先に蒸溜所を選んだ理由は、もともとウイスキーに興味があったからですか?」
栗山「実はインターンシップで白州蒸溜所を訪れるまでは、ほとんどウイスキーについての知識はありませんでした。」
森川「では、なにか関連した分野を専攻されていたのでしょうか?」
栗山「それも違います(笑)。学生時代に専攻していたのは全く異なる分野でしたが、逆に分からないことだらけだったからこそ、『おもしろそう!』と強く興味をひかれました。」
森川「なるほど。未知の分野に飛び込むのは勇気がいることですが、それこそ『やってみなはれ』の精神ですね!」


2510hd_002.jpg蒸溜釜の中をのぞく栗山さん


今では蒸溜工程にかかわるオペレーションだけでなく、蒸溜釜のメンテナンスも担当するなど、徐々に仕事の範囲を広げている栗山さん。実際に働いてみて感じるウイスキーづくりの魅力について聞いてみました。


栗山「毎日『あ、これおもしろいな』と感じることが必ずあります。ウイスキーづくりは奥が深く、まだまだ知らないことばかりです。毎日学びや感動があるのでとてもわくわくします。」
森川「わくわくしながらお仕事ができるのは素敵ですね。例えばどんな時に『おもしろいな』と感じますか?」
栗山「蒸溜釜毎に異なる個性のニューポットが生まれることです。同じ条件で製造しても、蒸溜釜の形状によって、それぞれ違った個性をもつ原酒ができる、そしてそれらの個性が合わさって一本のウイスキーをつくり上げていくというのが特におもしろいですね。」
森川「なるほど。ちなみに栗山さんが担当している部署では24時間体制でウイスキーづくりを見守っているそうですが、私たちの知らない栗山さんにとっての白州蒸溜所の"とっておき"があればぜひ教えてください。」
栗山「そうですね...。夜勤明けに見る、朝日が昇る風景でしょうか。」
森川「ここから朝日が見えるんですか?」
栗山「蒸溜室の奥の窓から雄大な山々や白州の森が見えるんです。野鳥の鳴き声が聞こえ始め、少しずつ森に朝日が差してくる。それを見ると『あぁ、森の中で働いているんだな』としみじみ感じます。」
森川「なるほど。白州で働くつくり手しか知りえない景色ですね!羨ましいです。」


2510hd_003.jpg蒸溜釜を見上げながら相談している様子


蒸溜室をのぞいていると、白州グリーンの制服ではない水色のつなぎを着たつくり手の方がいました。実は私が案内をしている時に、お客様から水色のつなぎについてよく質問をいただくので、直接つくり手にどのような時に着るのか聞いてみました。


栗山「つなぎは主に生産設備をメンテナンスをする際に安全面を考慮して着用します。特に今(インタビュー当時)はオーバーホール(※)中なので、普段よりつなぎを着用しているつくり手が多いです。日々の業務を安全に進めるためには、このような配慮が不可欠ですね。」
森川「私もつなぎは見慣れていないので、とても新鮮です!」
栗山「実は僕も、先ほどまでつなぎを着て現場作業を行っていたのですが、インタビューがあるので急いで着替えました(笑)」
※オーバーホールとは設備や機器を分解して行う大規模な点検のこと。


2510hd_004.jpg栗山さんが心に秘める熱い想いとは


計16基が並ぶ蒸溜釜を見渡しながら栗山さんが語ってくれたのは、これからのウイスキーの話でした。


栗山「自分が携わったニューポットが樽詰めされ、それが製品になるのはいつなのか?そんなことをよく考えます。今、お客様が愉しんでくださっているシングルモルトウイスキー『白州』は、言わば先輩方がつくってきてくれたものだと思っています。5年目の僕はまだ胸を張って『自分がつくりました!』とは言えない気がする。僕ら若手は10年、20年先にしっかりと繋げられるよう、良い麦汁を仕込み、良いもろみをつくり、良いニューポットを生み出す。それを毎日、実直に続けることが大切だと思います。」


森川「栗山さんは日々心を込めてウイスキーづくりに励んでいるのですね。その気持ちを持ち続けることは簡単なことではないと思いますが、どんなところでモチベーションを保っているのでしょうか?」
栗山「僕はお客様に直接関わることは少ないのですが、ありがたいことに、シングルモルトウイスキー『白州』を愉しんでくださっている方々がたくさんいらっしゃることはよく知っています。応援してくださる方々の気持ちにいち早くお答えしたい、という気持ちがウイスキーづくりのモチベーションになっています。」


栗山さんの熱い想いを聞いていると、以前インタビューした、白州蒸溜所で40年以上働く小澤さんが、全く同じ想いを語っていたことを思い出しました。白州の地でウイスキーづくりを始めて51年間、ウイスキーづくりに対するつくり手たちの思いは、たすきとしてしっかりと後世に引き継がれていることを実感し、胸が熱くなりました。


白州蒸溜所で40年以上働く小澤さんにインタビューをしている過去の記事はこちら


2510hd_005.jpg鮭のホイル焼きにカボスを絞って


ウイスキーづくりだけでなく、実は料理も好きだという栗山さん。最後に、おすすめのシングルモルトウイスキー「白州」とのマリアージュについて聞いてみました。


栗山「シングルモルトウイスキー『白州』のさわやかさに、鮭のホイル焼きを合わせると相性がとても良いんです。」
森川「おいしそうですね。今回はカボスを添えていますが、いかがですか?」
栗山「和柑橘のすっきりした香りがよく合いますね。白州『森香るハイボール』ともぴったりです!」


2510hd_006.jpgシングルモルトウイスキー「白州」と樽燻さけとば


森川「ぜひ試してみたいですね。他にも手軽に愉しめるマリアージュもあれば、教えてください。」
栗山「白州蒸溜所のGift Shopで売っているものでぴったりのものがありますよ!引退した熟成樽を燻製チップとして使った『樽燻さけとば』です。ほかの鮭とばも試しましたが、これは香りがとてもいい。スモーキーという共通点もあり、相性抜群だと思いますよ。」
森川「ありがとうございます。確かにスモーキーさが合いそうですね。」
皆さんも白州蒸溜所のGift Shopで見かけた際には、ぜひお手に取ってみてくださいね。


森川「栗山さん、最後に次回インタビューに答えてもらう『白州の森』で働く仲間を紹介してください。」
栗山「僕が入社してから公私ともに仲良くしてもらっている、工務グループの近藤さんにバトンを渡します。ウイスキーづくりは色々な部署が力を合わせて初めて出来ることだと思っています。きっと、工務グループならではのおもしろい話をたくさん聞けると思いますよ!」


ということで、次回は「白州の森」の工務グループで働く近藤さんをご紹介します。お楽しみに!


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詳細につきましては、白州蒸溜所のホームページにてご確認をお願いいたします。


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