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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2015年6月30日

サンゴリアスラグビー大辞典 #242“特別編”『マン・オブ・ザ・マッチその1』成田秀悦

サンゴリアスラグビー大辞典“特別編”として、試合の日に起こるシーンやシチュエーションを選手が紹介します。試合前後を含めた場面場面を、選手たちならではの経験と感覚をもとに解説していきます。
 
 
「マン・オブ・ザ・マッチ」その1(解説:成田秀悦)
 
 
「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれたことを告げられるタイミングは、試合によってまちまちです。バックスタンドに挨拶へ行っている途中で「すみません、今日マン・オブ・ザ・マッチです」と言われる時もありますし、試合が終わった瞬間に「今日はマン・オブ・ザ・マッチなのでお願いします」と言われることもあります。
 
ラグビー協会の人が呼ぶタイミングもあると思いますし、自分がどこでプレーを終えたかというのもあると思います。秩父宮であれば毎回一緒で、バックスタンドへ行って帰って来るぐらいに言われて、それで大型ビジョンに流れるという感じです。いただく賞はトロフィーなんですが、今まで5回ぐらい受賞していると思います。
 
最も印象に残っているのは、1試合4トライ取った時です。マン・オブ・ザ・マッチの表彰(2008-2009年シーズン〜)が始まって2年目ぐらいだったと思いますが、4トライ取って、最後10分ぐらいのところで怪我をして交替して、ベンチでアイシングをしていました。それで周りのチームメートから「おーっ!マン・オブ・ザ・マッチ」「今日お前だろう」みたいに言われていました。
 
「いゃー、僕ですかねぇ」とは言ったものの、心の中では「まぁ、ウイングで4トライ取ったら、まぁ、そうなるでしょう」と自分でも思っていました(笑)。それで「今日のマン・オブ・ザ・マッチを発表します」という放送が流れたので、皆に「行ってこい」「行ってこい」って言われて、僕も「いゃー」とか言いながら表彰場所の方へ歩いて行ったんです。そうしたら放送で「畠山健介選手です!」とアナウンスがあって、皆で「違うんかいっ!!」って。花園での思い出です。
 
その試合の後、ザワさん(小野澤)と「ウイングで4トライを取ってマン・オブ・ザ・マッチが貰えなかったら、もうウイングにはもらえない賞なんだね」っていう話をしました。そしてその後の秩父宮の試合でまた4トライを取ったんですが、前回のことがあったので、最初にラグビー協会の人が来たときに聞きました。「本当に、今日、僕ですか?」って。
 
<つづく>

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