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サンゴリアスをもっと楽しむコラム

2008年3月27日

YELLOW FLAG TALK 第5回「有賀 剛×萩原 智子(水泳)」その4

萩原 智子(はぎわら ともこ)
1980年4月13日山梨県生まれ。山梨学院カレッジスポーツセンター研究員。その他、日本水泳連盟強化スタッフ、日本オリンピック委員会アスリート委員他を務める。

『優しさってはね返ってくる』(萩原)

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—— スポーツにおける激しさと優しさは、どこで切り替え、どうやったら両立出来るのでしょうか?

有賀:戦いが終わったという感じです。だから自然となります。敵だけれど同じラグビー仲間という気持ちもあるし、街で会ったら話す仲ではあるし。

萩原:スポーツぜんぶがそうでしょうね。
優しさばかりの人って絶対ないし、アスリートとしての強さも必要だし、人間として芯を持っている強さも必要だし、そこに優しさがあれば、なおかついいんじゃないって、私は思います。

例えば水泳でいうと、北島康介君とか柴田亜衣ちゃんとか見ていると、トップアスリートなのに物凄く周りに気を遣える人なんですよね。

そういうことを考えると、やっぱり"優しさ"って、はね返ってくるのかなと思います。ご褒美じゃないけれど、やっぱり優しさを持っていることで、例えばその人の人間性とかを見て応援したいと思うじゃないですか。応援したいと思っている人が応援してくれて、支えてくれて、というのは人徳だと思うんです。

北島康介選手は、本当にまさしくそうで、周りの人を大事にするから、みんな彼を惜しみなく支援するし、ただ有名になって強いからだけじゃなくて、人間性があるからみんな応援したいということだと思います。

『いま出来ることにどんどんチャレンジ』(萩原)

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—— 萩原さんは新しいモチベーションを持って新しい行動をパッパッとやっている様に見えます。有賀選手にしてみれば、それだけ水泳をやっていたのに、パッとラグビーにそのモチベーションを持って行く。そのモチベーション、目標を作る力の秘訣は?

萩原:いや、まだダメなんですよね、私の中では。まだやりたいことはいっぱいあるし、出来ていないこともいっぱいあって、イライラすることもありますよ。最近、子供たちに水泳をもっと広げたいと思っていて、水泳連盟として何か出来るんじゃないかと思いながらも、3年経ってやっと動き出したんですよ。

次のステップに関しては、いま出来ることをやらなきゃダメだなと思いますよね。いま自分の目の前の、やりたいと思ったり、出来るんじゃないかなと思ったことには、どんどんチャレンジして行きます。無理かも?って思う前に。

水泳をやっている時には水泳しかなかったから、そうはあまり思いませんでした。やることは決まっていましたし。練習でもこれをやらなきゃダメだし、あれもやらなきゃダメというのがありましたから。

—— 天性のものですかね?

有賀:持ってるんじゃないですか、やっぱり。

萩原:人と会ったりするのが大好きなので、いろんなところにも取材に行きます。明日もバレーを見に行きます。

—— 例えばバレーボールを見に行く時に、どんなところが楽しみですか?

萩原:試合の雰囲気とか、私、人間ウォッチングが凄い好きで、キョロキョロしちゃうんですよ(笑)。ご飯を食べに行っている時でもキョロキョロして人のことを見ちゃうし、試合会場なんてメチャ好きです。

決勝とかで1発勝負という時には、涙が出ちゃうんですよ、始まる前から(笑)。だから水泳の日本選手権とか、やばいと思います。絶対に泣くと思う。一生懸命な、マジな時、ガチンコで本当にこれで日本一が決まるとか、これでオリンピックが決まるという時の選手の気持ちがわかるので、わかればわかるほど...

有賀:これでしょ、これ(※と言って、携帯電話で曲を流す)。決勝の時の音楽って、これなんですよ。

萩原:水泳の日本選手権の決勝の音楽なんですよ、【水夢】(スイム)って言う決まっている曲なんです。

有賀:かっこいいんすよ。

萩原:わざわざ作ったんですよ、水連がこのために委託して。石川一宏さんというテレ朝のゲットスポーツとかで音楽を担当している方が作ったんです。

有賀:燃えるんですよ。

萩原:燃えるよね、これ絶対ね。

—— ラグビーでも欲しいですね

萩原:あったじゃない?ワールドカップの時に。

有賀:ワールドカップ、カッコよかったですね。

萩原:ラグビーでは去年のマイクロソフトカップ決勝戦の時、涙が出ました。あのシーズンはずーっとラグビーへ行っていたので、お客さんがどんどん入って来て、余計に「これは本気だ」と思って、「凄ぇ」と思って涙が出ちゃいました。

有賀:震えますね、あれは。

萩原:あと、選手紹介とかね。バーン!と画面に出るじゃないですか...

有賀:あれ、カッコいいですよね。

萩原:あの時ファンが「ワァーッ」て言うのが好き。大好き。水泳ではないんですよ。コース順しか言わないので、あぁいうの、やって欲しいんですよ。あれカッコいいなと思って、大好きです、あぁいうの。

私、男に生まれたかったんですよねぇ、男系なんですよ。姉が2人いて、姉もさばさばしてますが、私は弟が欲しかったんですよ。

—— 有賀選手が弟の様なものでは?

有賀:いゃいゃ、こんなごつい弟、いらないでしょ(笑)。

萩原:(笑)。

『1日の時間をもっと長く』(有賀)

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—— いままで自分が立てて来た目標は、達成していますか?

萩原:達成していますよ。と、思います(笑)。

—— これからの目標は?

萩原:これからの目標?なんか凄く恥ずかしいんですけれど、笑わないでくださいね。私の引退してからの目標は、"笑顔の普及活動"なんですよ、スポーツから広がる。スポーツで笑顔の普及活動をしたいということです。

スポーツ界だけじゃなくて、スポーツ以外の人たちに、スポーツから笑顔を広げることによって、「スポーツって楽しいんだな」とか、もっと興味を持ってもらいたいんです。それで、やってもらいたいんです。

例えばスポーツ選手がラグビーをやっていて、私たちが観戦します。観戦したらやって欲しい。体験したら、もっともっと選手の気持ちがわかるんじゃないかなと思うんですよ。

今年も大事な試合で剛ちゃんがトライして、バーンとボールを空に投げたじゃない。あぁいうのって、メチャメチャ子供たちに夢を与えると思います。どう?実際、優勝して?

有賀:ずーっと「ワァーッ」とかいう感じじゃあないですね。「あーっ、勝った勝った、良かったね」というのは、その日ぐらいですよね。で、次の日の朝起きて、あぁ良かったなぁっていうので...。お花とかもクラブハウスに来るので、実感とかもするんですが、清宮さんは「なるべく早く気持ちを切り替えよう」と言っていました。

ブログにも書いたんですけれど、1年前は「サントリーのラグビーをしようぜ」と言って挑んだ決勝戦だったんですよ。1対1で勝って、オフロードパスをつないで、前へ出ろ、みたいな。それで勝てなかったから、ちょっと学んだんですよね。

だからリーグ戦とファイナルゲームだと、まったく戦い方が違うんですよ。清宮さんは天気予報とか、ずーっとチェックしているので、「たぶん風が強いよ」みたいなことも言っていて、前半うちは珍しくて風下を取って、ずっと風下での戦い方をその週の練習でやっていたので、見事はまったという感じでした。

—— いまの目標に戻りますと...?

萩原:いまの目標は、とにかく自分の出来ることをしたいです。やりたいことは、いっぱいあります。

—— いっぱいやっている様に見えますが

萩原:いっぱいやっていますか?でも足りないです。1回だけの人生ですからね(笑)。だって今年だって2月は29日まであって、1日多いじゃないですか、けどもっと多ければいいのになと思います。速いもん。

有賀:僕は1日の時間をもっと長くして欲しいですね。

—— やることがいっぱいあるってことですか?

有賀:やることはないですけれど(笑)、もっと休みたいです。

萩原:そりゃそうだ(笑)。いいなーラグビー、楽しそう。

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