「サステナビリティ・ビジョン」の策定で見出すサントリーの真の価値

企業理念に掲げる「人と自然と響きあう」の実現を目指してサステナビリティ経営をグローバルに推進する中で新たに策定された「サステナビリティ・ビジョン」と「プラスチック基本方針」、さらに「サントリー人権方針」について、有識者の方々にご紹介させていただき、評価やご意見をいただきました。

  • 開催日:2019年7月22日(月)
  • 場所:サントリーワールドヘッドクウォーターズ(お台場オフィス)

有識者

  • スコット T デイヴィス氏
    立教大学 経営学部 教授

  • 冨田 秀実氏
    ロイドレジスタージャパン株式会社 取締役

  • 黒田 かをり氏
    一般社団法人CSOネットワーク事務局長・理事

サントリー

  • 福本 ともみ
    サントリーホールディングス(株) 執行役員
    コーポレートサステナビリティ推進本部長

  • 北村 暢康
    サントリーホールディングス(株)
    コーポレートサステナビリティ推進本部サステナビリティ推進部長

  • 内藤 寛
    サントリーホールディングス(株)
    コーポレートサステナビリティ推進本部サステナビリティ推進部部長

司会

今津秀紀
学会「企業と社会フォーラム」プログラム委員

受け身ではないサントリーらしさをビジョンに打ち出してほしい

司会
本日は、サントリーグループが「Growing for Good」の志のもと、グローバルに取り組むサステナビリティ経営についてさまざまな視点からご意見をいただきたいと思います。まずは、サントリーグループにとって重要な7つのテーマを掲げて策定された「サステナビリティ・ビジョン」について、率直な感想や評価をいただけますでしょうか。
黒田
SDGsについて取り組むべき目標として、「水・衛生」「健康・福祉」「責任ある生産・消費」「気候変動対策」の4つを選ばれている点が評価できます。初期のころは17の目標にまんべんなく取り組むのがいいという論調もございましたが、SDGsが一般社会にも浸透しつつある中、決してそうではなく、優先順位をつけて「ここに注力する」ということを内外に示すことはとても重要でわかりやすいと感じました。私はサステナビリティを検討するにあたり、無理にSDGsの各目標につなげる必要はないと思っています。サントリーでは、SDGsが生まれる前から環境目標をしっかりと立ててやってきていましたから。しかしながら、SDGsはすでに世界共通の言葉になっているので、コミュニケーションツールとして活用するということは大事だと思います。
それから、「健康・福祉」が挙げられていますが、「福祉」と訳されている部分は、英語では「well-being」です。海外のレポートなどを見ると、最近、「well-being」という言葉をよく目にします。日本語に訳しにくい言葉で、「幸福な状態」や「生きがいのある」といった意味で使われたりしますが、まさに心身が健康である状態、つまりサントリーがずっとやってこられた、「心身ともに豊かな社会の実現に貢献する」という生活文化の部分とつながっていると思います。
冨田
「サステナビリティ・ビジョン」は網羅的にテーマを取り上げており、サントリーの事業をしっかりと反映していると思います。特に生活文化はサントリーの特徴的な部分が表れていて、社会を持続可能にすれば事業も持続可能であるという、社会と事業の2つを同時並行で高めていくことが大事だと感じさせてくれます。
ただ、サントリーはコミュニケーションがうまく、他社とは違ってメッセージ性を込められる企業であるのに、「サステナビリティ・ビジョン」というワードはあっさりし過ぎていてもったいないように思います。「人と自然と響きあう」は言葉そのものがもはやビジョンですから、そういうサントリーらしい言葉がほしいですね。
また、ESGの観点から見ると、社会との関係性をうまく保って儲けを出す企業であることが評価されます。サントリーの事業は水を多用しますし農産物も多く使うはずです。ですから、気候変動に対してはただ良いことをしているというだけでなく、事業継続を見据えて抜かりなく取り組んでいることを明確に打ち出したほうがいいと思います。
福本
「生活文化」に触れていただきましたが、「サステナビリティ・ビジョン」を策定する際、最も意識したのが“サントリーらしさ”です。そこで再確認したのは、私たちが目指すサステナブル社会は、「人と自然が響きあう」社会であり、私たちのミッションそのものだということでした。今、グローバル社会の中でSDGsやサステナビリティへの対応が求められているからというだけではなく、私たちにとっては創業以来大切にしてきた理念を実践し追求することこそが、サステナビリティ経営を前進させることにほかならないのです。ですから、「サステナビリティ・ビジョン」は、私たちの理念にしっかり根付いたものにしました。
人間は、生産性や効率一辺倒ではなく、心豊かな時間、生きがいなど人間らしく生きることを求めています。サントリーはお客様に飲料をお届けしていますが、単にのどの渇きを癒すだけではなく、リラックスやリフレッシュできる豊かな時間を届けたいと思っています。東日本大震災では、被災地に水を届けるなど生きていくために必要なサポートとあわせて、サントリーホールから音楽家を派遣するなど、被災地の方々に笑顔を届ける活動も行いました。「生活文化」は、私どものミッションであり存在意義を言い表した言葉であり、サステナビリティの中でしっかりと実現していきたいと思っています。
デイヴィス
私があらためて思うのは、サントリーは恵まれているということです。大変なヘリテージがあります。「水と生きる」というメッセージも、当たり前のことのように見えますが、読めば読むほど深く納得できます。「水と生きる」という姿勢と自覚を持って、水とどう付き合っていけばいいのかを私たち生活者も一緒に考え、より良い将来を実現できる約束事なのだと思いました。
一方で、そうした素晴らしいヘリテージが、今後より大きな財産となるか、お荷物となってしまうのかは、サントリーがどういった行動を起こすかにかかっています。そのポイントとなるのが、「Growing for Good」です。これからはGrowingとGoodの間での活発なサイクルを作ることが求められていると思います。まず、GrowingからGoodへ持っていくにはビジネスモデルの構築が必要で、サントリー以外にできないだろうという固有の貢献が求められます。さらに、GoodからGrowingには“社会的感受性”、つまり今回のダイアログのような取り組みが必要です。ただ、サントリーではすでに、GrowingとGoodはかなり重なった状態にあるように思います。これから未来に向け、この重なりを維持することが成長ストーリーなのではないかと思います。
冨田
今のデイヴィス先生のお話を伺っていて思うのは、この「サステナビリティ・ビジョン」は、良くできてはいるものの、ビジョンというよりは「SDGsに対応します」という受け身な姿勢に見えてしまうところが残念だということです。事業を行っていく中でGrowingとGoodがあって、このビジョンはGoodのリストのように見えてしまうところがあります。Growingの原動力となる“イノベーション”が一緒に動いている感じがしないんですね。その部分で、サントリーらしくもう一歩踏み込んでほしいと思います。最近、「価値創造モデル」というビジネスモデルがよく語られていますが、「価値創造モデル」のように事業との関連性や統合化されるイメージが見えてくるといいのではないでしょうか。
デイヴィス
『サントリー天然水』を消費者がどうして購入するのか。日本ではすでに、ニーズによる消費ではなく価値観による消費が行われていますから、「モノ」ではなく「コト」の付加価値がそこにあるわけです。生活者にとっては、「well-being」を含む表現、スタイル、自分のありたい姿を実現するための小道具であるということです。
サントリーが語る水のストーリーが好きな人はたくさんいて、「次はなんだろう?」という期待があります。その部分をビジネスモデルに落とし込んで、本業のストーリーとして語っていかなければいけないと思います。ですから、メインは「プラスチック基本方針」にあるペットボトルのリサイクルに関する「PETサステナビリティコンセプト」(後述)なのです。間違いなく、これが皆さんによる真のイノベーションなんです。
冨田
本来ビジョンというのは、「今できること」というより、「ここを目指す」という、できるかどうかわからないけれどここに到達しないとだめなのだというような思い切ったものであった方がいい。ディテールとしてはわかるので、「サステナビリティ・ビジョン」や「プラスチック基本方針」についてこれはこれで否定するものではないのですが、全体のストーリー性とういうか説得力というか、そこはもう一押し二押しほしい。サントリーであればそこまで踏み込んでほしい。
内藤
ビジョンやビジネスモデルといった、将来にわたる非常に大きなテーマをいただきました。一方で製造現場では、すでに「水を減らしましょう」「CO2」を減らしましょうという意識は落とし込まれていますが、ここからさらに一歩進んで、どれだけ、いつまでに、どうやってということへの取り組みが求められていると思っています。そこはチームメンバーの目をどのようにしてこちらに向けるのかが、1つの大きな課題です。サントリーはもともとお祭り騒ぎが好きな会社で、一時的にはわーっと勢いで立ち上げてどんどん進めていくという社風が古くからありますが、この課題については2030年に向けて、一定のテンションで継続的に進めていかなければいけないと思っています。
福本
「サステナビリティ・ビジョン」で掲げた7つの重点テーマの1つである「水のサステナビリティ」への取り組みについては、サントリーは水がないとなにもつくれない企業ですから、事業の持続可能性のために資源整備活動を行い、それによって30年後に素晴らしい水が生まれて、それをまたお客様の元にお届けするというGrowingとGoodのサイクルが1つできていると思っています。また、プラスチック問題への対応についても、完全な循環型社会、脱炭素社会に向けて、イノベーションを起こし、挑んでいこうとするものです。こうした個々のビジョンや取り組みはあるものの、それらのGoodをどうGrowingのドライバーとし、どう企業価値につなげるのかのストーリーが見えにくいというご指摘をいただきました。事業のバリューチェーンとの関係で7つの重点テーマが共有できましたので、次の課題として、企業価値につながるストーリーづくりをしていきたいです。
北村
急速に広まってきたSDGsには、ご指摘のとおりコミュニケーションツールとして取り組まなければいけないと思っています。しかしその枠にはまることなく、大事なのは先ほどからお話いただいたようにビジネスモデル化していくことやストーリーを作るということだと強く思います。これから、この「サステナビリティ・ビジョン」のもとでどう走っていくか。いろんな課題の中で、今までの延長では手詰まりな領域もあります。そこでどうイノベーションをキャッチして事業に昇華していくかについて、現在、さまざまな部署と連携して魅力のあるストーリーを模索しているところです。そのように積極的に取り組まなければ、GrowingとGoodの両輪をつなげるような事業はできないと、危機感を持って取り組んでいます。

世界を変える、世界が興奮する「プラスチック基本方針」の発表

司会
2019年5月に発表した「プラスチック基本方針」の取り組みについて、評価を聞かせていただけますか? ゴールは2030年と、あと10年ほどで全世界で達成しようという意欲的な取り組みです。また、すでにベトナムではサントリーがイニシアティブをとり、ネスレ社、コカ・コーラ社とともにベトナム政府にプラスチック・リサイクル制度の確立を促す企業アライアンスが立ち上げられています。
冨田
正直に言って、すごいなと思いました。これまでセオリーとしてはわかっていたことですが、どう実現するかが見えず、ここまで言い切ることはできませんでした。それが、リサイクルとバイオ由来の原料によって実現できる道筋が見えています。
ただ、本日用意いただいた「PETサステナビリティコンセプト(概念図)」では、「サントリーだけが取り組みます」と見えてしまう点が残念だなと感じました。もっと国内外で他社や自治体などを巻き込んで、「世の中を変えていくんだ」という勢いを示していただきたいですね。おそらく、それぐらいの勢いでやらないとこのイノベーションは実現しないと思います。
例えば、リサイクルにおける下流の業者とも協力して、“響きあう”ことが必要ですし、消費者とも響きあって回収できる仕組みを作らないといけません。最終的にはサントリーがどこまで貢献できるかではなく、色々な組織を巻き込んだ総体としてどれくらい社会のサステナビリティにインパクトを与えられるのかまで持っていってほしい。
黒田
この「プラスチック基本方針」は素晴らしいと思います。持続可能社会とは何かを考えると、突き詰めれば、“地上に出ているものを循環させていくこと”だと思います。プラスチックの課題をどう解決するのかというと、すべて自社で完結させるのは現実的ではないので、それぞれの問題を解決するのに必要な技術やアイディアあるいは政策を持った人や組織に入ってもらうことが大切だと思います。世界に発信することで、一緒に課題解決に貢献していこうという人や組織のネットワークが広がっていくことも期待できます。
デイヴィス
ベトナムでの取り組みは、1人の消費者として非常に良い話だと考えます。さらに言えば、私が大好きなサントリーの商品を買って飲むということは、自分自身もその活動に参加している、資金提供をしていると思える。そういう企業だから支持したいわけです。「プラスチック基本方針」の取り組みを外に向けて語るということは、もはやそういうビジネスモデルになるということです。
黒田
一方で、サントリーが目標に掲げる安全な水へのアクセスは、世界的にはまだまだ大きな課題です。そういう中で、今回の「プラスチック基本方針」で定めた世界が実現されれば、飲み水へのアクセスが格段に広がることにもつながり、人々の権利を実現することでもあるわけです。
デイヴィス
まさにそう思います。ですから、改めてペットボトルという容器の付加価値戦略についても再確認する必要があります。軽くて丈夫な容器があるおかげで、水にアクセスする権利が飛躍的に伸びているわけですから。それから、「プラスチック基本方針」には最初に「Recycle」と「Reduce」が並び、次に「Innovation」、そして最後に大事なことが書いてあります。「New Behavior」とありますが、これは権利行使志向ということです。みんなが想像もおよんでいないような、水にアクセスする権利をサントリーが実現していきますよということです。「基本方針」とありますが、今の並べ方では「計画」のように見えます。なかなかいい、立派な方針なのですから、ここで日本の美徳である謙虚さは不要です。この「New Behavior」を最初に、その次に「Innovation」を持ってきて方針とするべきです。
福本
「プラスチック基本方針」で示した2030年目標は、非常に“アンビシャス”なものですが、それでもあえて発表したのは、まさしくサントリーだけでは絶対に実現できず、“共創”がなければ解決できない課題だという認識がありました。だからこそ、大きく問題意識を打ち出すことで、少しでも刺激を与えて一緒に動く人を巻き込んでいきたいと思います。
内藤
容器を軽く、薄くするということを工場のものづくりの現場に落とし込んだとき、ただ軽く薄くしただけでは、ラインの中でクシャッと曲がってしまったり、うまく充填できなかったりという問題が起きます。そういう課題に対しても、どうにかしてやり遂げなければいけません。私自身、工場を回る際には省エネ、節水だけでなく、設計者が生み出したものを商品として世に送り出すことで、十分にリサイクルやサステナブルに貢献しているのだということに気付きましょうということを言い続けています。そういう意味では、バリューチェーンの中で、ものづくりの現場はしっかりと取り組んでいますから、そこに意義や大義というものを見出させてあげることが必要だなと、改めて思いました。

「人権」にもサントリーらしいビジョンの表明を

司会
最後に、「サステナビリティ・ビジョン」と合わせて策定された「サントリー人権方針」について、感想や意見をいただければと思います。
黒田
今、世の中で人権について議論すると、食品業は必ず入ってきます。特に中南米やアジア、アフリカなどで、食品のサプライチェーンにおける人権侵害リスクの高さが取り沙汰されています。今回、「サントリー人権方針」を策定されたことで、勢いを持って進めていかれると思いますが、注力する部分としてサプライチェーンや生産プロセスにおいて人権侵害が起きやすく、その救済をどうするかといったことを重点的に、優先順位を上げて取り組んでいただきたいと思います。
冨田
例えば昨年、日本では50数社が人権方針を出しており、ここ数年は改定される企業も多数出てきています。そうした現状を踏まえると、例えば、救済について書いてはありますが、積極的な問題解決のメカニズムを構築するということまで書かれていません。また、サントリーの場合、コーヒー飲料も製造しているので、コーヒー豆の栽培現場での問題についての話がなければいけないと思いますが、事業との関わりと考え方が感じられずもったいないという思いです。
さらに、水へのアクセスの権利が入っていない──現在は問題が起きていないからかもしれませんが、「水と生きる」サントリーにとって最重要課題ではないでしょうか。
福本
今回は、まだ2次3次のサプライチェーンのリスクを把握しきれていないので、具体的なリスクを人権方針に盛り込むことはしませんでしたが、これからは優先順位を上げてアセスメントを行っていきたいと思います。
デイヴィス
私としては、この人権方針は良くできていると思います。せっかくこうした方針ができたので、1つ提案です。先ほどもこれが方針なのか計画なのかという議論をしましたが、「サントリー・ヒューマン・ライツ・ビジョン」というものを別途作るというのはどうでしょうか。例えば、ご指摘のあった水へのアクセシビリティや、女性の社会進出などについてビジョンとして打ち出すのです。ほかにも、日本では若き音楽家がなかなか育たないと言われていますが、サントリーは誰にも負けないほどの若き音楽家を育てるインフラがありますから、そういうことを打ち出したり。人権方針はこれに留めておいて、それとは別にサントリーらしいとんでもないファイティングスピリットむき出しのビジョンを打ち出すというのもいいと思います。
内藤
デイヴィス先生のおっしゃるような音楽家の育成といったことを含め、人権とは改めて広い範囲のことだと思いました。生産現場も労働時間のことや休みをどうするかといったこと、高齢者でも働けるようにといった配慮もあります。実際の行動に移す際には、しっかりと人権とひも付けていくことが必要だという思いに至りました。
北村
「サントリー人権方針」について、率直なご意見をいただきましてありがとうございます。まだまだ、内容を詰める段階にあるので、こうして忌憚のないコメントをもっと伺いたいと思います。ヒューマン・ライツは社内でも関係部署が色々ありますが、今後はサプライチェーンまでかかわっていくため、新しい海に出ていくような気持ちでもあります。ですから、色々な方からご意見を伺い、プランニングをして、優先順位をつけて走り出していかなければと改めて思いました。
司会
最後にサントリーに対して、期待することをお聞かせいただければと思います。
冨田
サントリーにはトップレベルの活動をしていただきたいと思います。目指すのではなく、実際に行動してほしい。そして、それをグローバルに発信する。国際会議の場で、世界のオーディエンスをあっと言わせるようなことを目指してほしいと思います。
黒田
謙虚さというのは美徳だと思いますが、グローバルの中において謙虚さは、やっていないことと同じだと捉えられることもあります。グローバル企業と共創される場面では特に、国際NGOによる厳しい指摘などそういった企業と同等の視線にさらされます。これまで以上に水や環境、プラスチックについて世界へ向けて発信していただいきたいと思います。人権についても、事業活動全般にかかわってくることでもあるので、さらに力を入れていただければと思います。
デイヴィス
素晴らしいことをやろうとしているので、お話を聞けば聞くほど、あれもこれもと期待が生まれてきます。サントリーグループの「水と生きる」という約束に、私たち、つまり一生活者も混ぜてほしいと思います。サントリーの商品を私はモノとは思っておらず、私のありたい姿を実現するために欠かせない資源だと思っています。謙虚になりすぎてサントリーのファンである消費者が惨めな思いをしないように、もっと表現してほしいと思います。そういう意味で、サントリーが私たちの“水先案内人”の役割をより強く発揮していただけることを期待します。
内藤
本日のダイアログでは、視点や物事の見方など、まだまだ気付いていないことがあることを教えていただきました。こうして得た気付きを実際の製造現場でアクションに移すときに、私自身に何ができるか、みんなとどう進めていくべきか──パートナーシップを考えながら邁進していきたいと思います。
北村
私たちの「水と生きる」「人と自然と響きあう」「Growing for Good」は、かなりの部分で仕事の中で浸透させているつもりではありますが、今日、お話を伺っていて、自分事化からさらに進めて仕事化、あるいは現場化するレベルまで、早く到達しなければいけないと思っています。
もはや言葉の内容を知っているとか知らないということではなく、どう実現していくのか。社員それぞれの中で実現させていくには、ゴールを設定して、そこまで到達する時間を意識して進めていかなければいけないと強く思いました。
それから、SDGsの17番「パートナーシップで目標を達成しよう」ということがとても大事だと、それは本当にサントリーらしい、響きあうということかなとあらためて気付かせていただきました。今からすぐにでも動きたくなりました。ありがとうございました。
福本
忌憚のないご意見をいただき、本当にありがとうございました。改めて思うのは、サントリーという会社が社会にどういう価値を本質的に提供しているのか、また提供しようとしているのかをもう一度、きちんと考えなければいけないと感じました。
企業というのは本来、何か社会に足りないものや困りごとに対して、何かを提供してGrowing、つまり成長していくものです。それがモノであったり、コトであったりするわけですが、そこをしっかりと見極めた上で、サステナブルにしていく努力をする。その行動をきちんと伝えていくことが、一般の生活者の方を含めて共創を生んでいくのだと思います。サントリーグループのサステナビリティを実現していくことが、世の中のサステナビリティを実現していくことにもなるのではないかと感じました。
それから何より、皆様からの強い期待をひしひしと感じることができました。サステナビリティやCSRなど、グローバルなトレンドやフレームワークを学びながら自分たちで構築していくと、どうしてもお行儀の良いものになってしまうのですが、今日のお話を伺うことでもっと自由に、本来自分たちが持っているものを存分に生かしていけばいいのだということを感じました。
今日いただいた改善すべき点、取り組むべき課題は、実現に向けて取り組んでいきたいと思います。一方で、伸び伸びとやっていきたいとも思います。本日はありがとうございました。

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