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登美の丘ワイナリー通信

ワインづくりの現場から

ワインづくり

今年のビジュノワールは、素晴らしく良いです。

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「今年は、ビジュノワールの当たり年ですよ」と、収穫を終えた栽培Gリーダーの吉野は胸を張ります。

 

登美の丘ワイナリーは、好天に恵まれたシルバーウイーク中もぶどうの収穫・仕込みで全ての機能がフル稼働でした。このシルバーウイークで収穫したビジュノワールは、素晴らしくいい状態の果実でした。

 

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2015年のビジュノワールは、非常に色づきがよく、ぶどうの粒が小さく、果皮も厚く、糖度も非常にのっています。口に含むとしっかりと甘いのがわかります。他のぶどうに比べて果肉の弾力が非常に強く、プルプルと口の中で踊るかのような独特の食感です。これがビジュノワールの特長とのこと。
「ビジュノワール」というぶどう品種は、山梨県果樹試験場が「山梨27号」(甲州三尺×メルロ)と「マルベック」を交雑して開発し、2006年に農林水産省で正式に品種登録された新しい品種です。
萌芽が遅いため遅霜に有利で、さらに結実してから熟する速度が速いため秋の長雨や台風襲来する前に健全な果実を収穫することができるので日本の気候風土での栽培に適しているとされ、これから注目を集める品種であると考えています。まさに、8月後半からの日照不足から一転した9月中旬の好天でグンっと糖度が上がりました。


また、ビジュ(Bijou)とはフランス語で宝石、ノワール(Noir)は黒を意味します。つまり「ビジュノワール(Bijou Noir)」とは、「黒い宝石」という意味で、今年2015年のビジュノワールの果実の粒は色素が濃く、「ブルーム」と呼ばれるぶどうの粒の表面を薄く覆う白い粉の間から見える果皮の色はまさしく「黒い宝石」という名前がぴったりの印象です。
 

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いつものように「舟」に集積されたビジュノワールのぶどう果は、フォークリフトで運ばれて、除梗機に接続するホッパーに順々に投入されていきます。そして、どんどん除梗機に投入されていくビジュノワールを見ていると、まさに「黒い宝石」の名前のように輝いて見えます。


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除梗機で除梗した果実は発酵タンクに送られますが、一方の除梗された果梗はチューブを通ってトラックの荷台にワサワサと投入され積み上げられていきます。これはまた場内で有機堆肥にしていくこととなります。
 

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この日のビジュノワールは、登美の丘ワイナリーの発酵室の、向かって左側のタンクに移送され発酵していきます。これは、登美の丘ワイナリーのツアーにご参加いただくお客様に、その発酵の様子をご覧いただけるようにとの醸造Gのスタッフの配慮でもあります。非常に数多くの品種に加えてさらに産地別・畑別に分かれたり、数多くの発酵タンクの中でも容量や機能を駆使し使い分けして仕込み作業が多岐に渡っていく中でも、醸造スタッフはお客様に対するキメ細やかな気遣いをしてくれています。その姿勢はもちろんワインづくりに対しても同じで、赤ワインとしての発酵の状態を常に見て、目指すべき品質設計のために、それぞれのワインの状態に応じた発酵管理をキメ細やかく行なっていくことになります。それも後日レポートさせていただきたいと思っています。

 

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2015年のビジュノワールがワインに仕上がるのが今から非常に楽しみですが、現在、登美の丘ワイナリーのオンラインワインショップでは2012年産のビジュノワールを販売中です。2012年産のビジュノワールも収穫期の好天に恵まれたおかげで凝縮感のある味わいに仕上がっています。
ぜひ、「黒い宝石」の味わいをお試しください。
 

 

【登美の丘ワイナリー ビジュノワール 2012】

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