サントリー文化財団

menu

サントリー文化財団トップ > サントリー地域文化賞 > 地域別受賞者一覧 > 秋田県民謡協会

サントリー地域文化賞

活動詳細

東北

秋田県 秋田市 2021年受賞

秋田県民謡協会
暮らしの中で唄われてきた秋田民謡の普及に務め、民謡界を牽引

代表:王藤 正蔵 氏

2021年9月更新

写真
第9回秋田民謡全国大会

 「民謡の宝庫」といわれる秋田県には、現在確認されているだけでも1000曲以上の民謡がある。明るい旋律の唄が多く、労働に伴うものや、祭りや祝い事・宴席で披露されるものなど、多彩な唄があり、プロの歌い手が国内各地を回って披露してきたことで今では全国的に広まっている。

 かつては大家族の生活の中で自然と耳にし、口ずさまれていた民謡だが、核家族化や娯楽の多様化等の影響でその存在は次第に薄れてしまった。こうした状況の中、「民謡を唄っている者同士、互いに切磋琢磨して親睦を図りながら秋田民謡を盛り上げよう」と、アマチュア愛好家による「秋田県民謡同好会連合会」、プロの民謡家による「公益財団法人日本民謡協会 秋田県連合委員会」「一般財団法人日本郷土民謡協会 秋田地区連合会」の3団体が集結し、1980年12月に 「秋田県民謡協会」が設立された。

 設立後、県内すべての民謡を対象として県内一を競う「秋田民謡王座」や全国から参加者を募って競い合う「秋田民謡全国大会」の開催など、様々な活動を展開してきた同協会が、現在最も力を入れているのは、指導者の育成である。秋田民謡がこの先も永く唄い継がれるためには、歌詞の意味や歌い方などを正しく理解し、次世代に唄い継ぐことができる指導者の育成が重要との考えから、毎年、公認指導者の検定試験や研修会などを開催している。検定試験では講師から名誉教授まで7段階で指導者を公認しており、公認された指導者の中には、自ら子ども向けの民謡教室を開いて、地元の子どもが幼いころから民謡に親しみ、唄の背景や込められた思いを学ぶ場を提供するなど、同協会の意を汲んで積極的な普及活動を行う人も多い。

 また同協会は、民謡愛好家のすそ野を広げるための重要な取り組みとして、若手を対象とした伝承活動にも積極的に取り組んでいる。秋田県教育委員会を通じて、県内の学校と協力して民謡クラブを設置する取り組みを行っているほか、学校に講師を派遣して民謡や和楽器を指導する出前授業なども行っている。その他、動画サイトを活用して秋田民謡のPRを行ったり、オンラインで民謡教室を開催する等、コロナ禍の中、新しい手法で若手への伝承を進めようとチャレンジを始めた会員もいる。

 人々の暮らしの中で長年唄い継がれ、地域の大切な文化財産でもある秋田民謡。その普及に県全域で取り組む「秋田県民謡協会」は、先人たちが育ててきた民謡を受け継ぎつつ時代に合わせた伝承・普及活動に取り組むことで、今後も益々発展し民謡界を牽引していくことが期待される。

サントリー文化財団