活動詳細
愛媛県 新居浜市 2003年受賞
日本のお手玉の会
昔ながらのお手玉遊びに競技性を加え、新居浜から日本と世界に広げる
代表:藤田 石根 氏
2003年8月更新
2m×2mのコートが幾面も広がり、全国各地から集まった老若男女が、個人戦・団体戦にわかれて技を競う。あちらこちらで、声援や歓声、ため息が湧きあがる。―――これは、「日本のお手玉の会」が主催する「全国お手玉遊び大会」の風景である。今年12回目を迎えるこの大会は、秋には福岡で開催される予定で、延べ2000人近い選手の参加が見込まれている。
「日本のお手玉の会」は、愛媛県新居浜市に本拠を置く。同市のまちづくりを考える市民有志の集まり「新居浜アメニティ倶楽部」が、1988年ころから、「お手玉でまちおこしを!」と考えたことに端を発する。懐かしさとぬくもりを感じさせるお手玉が、優れたコミュニケーションの道具となることに着目し、活動の輪を広げていった。1992年、市内23のボランティア団体と新居浜市の協力を得て、「ぬくもりを届けたい、手からこころへ」をスローガンに第1回の「全国お手玉遊び大会」を新居浜市で開催。この大会の前日に開催した「お手玉シンポジウム」の席上で、「日本のお手玉の会」が誕生した。
同会の日常的な活動としては、年3回の会報を発行するとともに、“世界と日本のお手玉を見る、自分でお手玉を作る、自分のお手玉で遊ぶ”を3点セットとして、愛媛県内外で年間100回以上にのぼるお手玉教室を開催、お手玉指導者の養成や、手づくりの“国際公認規格お手玉”の製造・販売などを行っている。こうした地道な努力のうえに、地域ごとに異なる伝統的な子どもの遊びに、競技性を加え、段位の認定も行うなどの独自の工夫が効を奏し、5歳の幼児から90歳のお年寄りまで、男女を問わず、幅広い層の関心を集めていった。また、お手玉が脳の活性化や健康に役立つという医学的な見解が追い風となり、現在では全国に30支部、1,500人の会員を抱えるまでに成長した。
さらに、この30の支部の中には、ハワイをはじめ海外4ヶ所の支部が含まれているのも注目すべき点である。1994年の「まつり in ハワイ」(主催:ハワイ州ほか)への参加以来、「日本のお手玉の会」は、年1〜2回のペースで海外遠征を行っている。お手玉によく似た遊びは世界各地にあるが、独特の意匠をもった日本のお手玉と、誰もが楽しめる遊び方や競技は、海外の人たちにも非常に人気があり、全国大会に参加する外国人もいる。
「全国お手玉遊び大会」は、第10回まで新居浜の地で開催され、11回目からは、各支部持ち回りでの開催になった。新居浜から全国、そして世界に広がったお手玉遊びの中心的存在として、「日本のお手玉の会」が一層の発展を続け、名実ともに新居浜をお手玉のまちにすることも、夢ではないかもしれない。






