活動詳細
沖縄県 沖縄市 1995年受賞
沖縄県民踊研究会
手軽に踊れる沖縄民踊を全島に普及させ、親睦と健康づくりに貢献
代表:仲本 興眞 氏
1999年11月更新

沖縄の舞踊は、村の祭りや神事等地域の伝承行事や労働の際に踊られる「民俗舞踊」と、首里の士族の生活を主題に宮廷で完成された「琉球舞踊」の二つに大きく分けられる。前者の民俗舞踊は「沖縄民踊」とも言われ、折にふれ庶民に親しまれている。
「沖縄県民踊研究会」は、仲本会長が沖縄県内のこのような「沖縄民踊」の愛好者を組織して1971年に設立。沖縄民踊の調査研究、民踊指導者の養成を目的に活動を開始し、現在会員数は、全島800名にのぼる。
同会では、各地に伝わる民俗舞踊を研究し現代に甦らせる一方、踊りを伴わない古くから伝わる民謡や最近の沖縄民謡、また沖縄で生まれ、県民に親しまれている新しい唄にも新たに振り付けを行いレパートリーを広げている。いずれも集団で音楽テープに合わせて踊れる。小道具を使わない「手踊り」のほか、バチ、扇子、小太鼓(バーランクー)、手拭などを用いる民踊もある。全ての振り付けは仲本会長が担当し、沖縄県下の那覇、国頭、中頭、島尻の4地区で毎月開く講習会や離島巡回講習会で仲本氏が会員に伝授し、その踊りを持ち帰った会員が各地域で指導する仕組みになっている。会員は民踊愛好会を組織し、あるいは地区の老人会や婦人会の講師として指導する。「踊りの輪は人の和」を合言葉に、いつでもどこでも誰でも手軽に踊れる民踊を普及させて、人々の親睦を深め、健康づくりに役立つことを目指す。練習会場で受講者は和気あいあいと楽しみながら踊っている。
同会は、全島にわたり同じ型の踊りを広めた。この踊りは祝い事や盆踊りなど事あるごとに踊られ、地域を越えて人々が一緒になって楽しむことができる。踊りの上手下手よりも踊ること自体の喜びを重視するため、生涯踊り続けられるという利点を持っている。人々に親しまれている民踊は、「めでたい節」、「長寿ジントーヨー」「稲しり節」をはじめ100曲をこえ、県外にもすでに30数曲が紹介されている。
同会では、1982年より毎年、民踊レクリエーション大会を県内4地区で開催し、広く民踊の発表と親睦の機会を提供してきた。この大会は年々その規模が拡大して、90年からは県内全地域の民踊愛好者が一堂に集い交流を深める「全沖縄民踊フェスティバル」として開催されている。99年の10周年大会では3歳から92歳までの老若男女4200人が全島から集い出演し、熱気あふれる祭りへと発展するに至っている。
仲本会長は、これからは離島、僻地にも会員を派遣して、一層広く民踊に親しんでもらおうと考えている。こうしたたゆまぬ日常的取り組みの結果、沖縄の踊りの輪と人の和は、着実に大きな広がりを描き発展しつつある。




