活動詳細
山梨県 山梨市 1990年受賞
妣田豊原塾
豊かな自然をいかし、芸術と住民の交流をはかる芸術村づくりを推進
代表:妣田 圭子 氏
1999年11月更新

1990年受賞 山梨県/牧丘町(現・山梨市)
妣田豊原塾
理事長:妣田 圭子氏
-豊かな自然をいかし、芸術と住民の交流をはかる芸術村づくりを推進-
草絵の創始者として、また舞踏家として海外にも多くのファンを持ち、国際的な活動をしている妣田圭子氏は、1978年、山梨県北東部の人口約7千人の山間の町牧丘町に、草絵のアトリエを構えた。天然の草木を染料とした画材をもちいて、自然を表現する、妣田氏の草絵の創作活動に適した、豊かな自然に恵まれた土地である。
1986年、同氏は、同町豊原地区に私財を投じて「芸術村」の建設に着手した。ここには陶芸家、染色家、版画家、音楽家らが住み集い、豊かな自然の中での芸術創造と相互交流の場としての活動を開始した。都会を離れた芸術家たちの集まる土地を耳にすることもあるが、この芸術村のように生活の場を移して、活動している例は稀である。
妣田氏を中心に、居を移した芸術家と、近在の農家の人々とも交流が深められており、草絵をはじめ、各種の文化・芸術教室を開設している。
染物の部では、地元名産の巨峰の皮や、木の皮、草の根を染料とする万葉以来の技法で布地や紙を染めている。草絵もこの紙を使っている。
陶器の部では、大きな穴を掘り、縄文時代と同じ方法で、年に1回土器を焼く。50人余のメンバーは芸術村創設以来の顔ぶれである。地元の土で形作られ、同じく地元で剪定された葡萄の枯れ枝で焼かれた焼きものづくりには、県内外の人々も参加し、町の活性化に役立っている。
また野山でつんだ草花を押し花にし、蝋に埋め込むろうそくの製作も手がけている。
1987年には、牧丘町豊原を芸術文化の拠点として、活動の幅を広げるために、「財団法人妣田豊原塾」が設立された。県や町も積極的に支援、協力している。妣田氏の草絵などの作品が納められ、仲間の芸術家の作品を展示し、地元の人たちが利用できるホールも備えた。若き日に、インド、ヨーロッパを歴訪した妣田氏は「芸術村」建設について、「ルネッサンスは、イタリアの片田舎の山裾から沸き起こったもので、芸術や、立派な仕事は、けっして都会からは生まれてはこない。山梨のこの土地の、自然とともに生活している人々の心はまだ傷んでいない。どこにも生み出せない芸術、文化をこの地で生み出したい」と力強く語っている。
妣田氏は長年にわたり、国立文楽劇場のポスターや公演プログラムの表紙を制作している。またライフワークとして、寸暇を惜しみ大般若心経600巻の写経に取り組んでいる。各巻8千〜1万字、気が遠くなるような大作業だが、すでに167巻を達成している。
芸術家と、住民が、交流・協力しながら、地域に密着した芸術村づくりを進めている「妣田豊原塾」は、山梨県はもとより、多くの地域でのモデルとなっている。




