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サントリー地域文化賞

活動詳細

中部

長野県 飯田市 1988年受賞

いいだ人形劇フェスタ
市民と全国の人形劇人が交流する我が国最大の人形劇祭

代表:高松 和子 氏

1999年11月更新

写真
参加人形劇団が大通りをパレード

 信濃路の南玄関口、飯田は、古くから和歌・俳句・茶の湯が庶民の間に広がり、文化の香り高い町であった。また、この香りが近在にも及び、各村で人形芝居や村芝居が演じられ、伝統民俗芸能の宝庫となっている。

 夏の到来とともに、飯田市に人形劇の季節がやって来る。プロ、アマチュアの区別なく、2000人近い人形劇人が全国から飯田に集まり人形劇のお祭り「いいだ人形劇フェスタ」が開催される。期間中には公民館や幼稚園の遊戯室、小中学校の体育館、神社の境内、公園、目抜き通りの歩行者天国など市内90ヵ所に分散して200回をこえる人形劇が上演され、市民や劇人、観光客など3万人以上の人々が観劇と交流を繰り広げる。

 人形劇人の有志が全国規模の人形劇のイベントを行う場所として飯田市に協力を求め、市がこれに応えたことから、1979年、人形劇フェスタの前身「人形劇カーニバル飯田」が始められた。当初は、市の外部から来た人形劇人のお祭りとして市民の関心は薄かった。しかし回を重ねるにつれ、自分たちの住む町が日本中の劇人から愛され、日本で唯一の全国規模の人形劇カーニバルが開催されているという事実が、市民の郷土意識と誇りを呼びさました。地元伝統人形芝居への関心が高まり、伝統を継承する若者たちが育ちはじめた。また一方では外国の人形劇を迎える市民通訳や人形の展示にウインドーを開放する市内の商店主、分散公演の準備を受け持つ地元の人たちなど、幅広い市民がボランティアで開催に携わるようになっていった。

 人形劇は国境をこえ、言葉の壁をこえてわかりあえる。83年以降毎年、海外の人形劇団をカーニバルに招待していたが、第10回目の88年には、東京・名古屋と並んで「世界人形劇フェスティバル」が飯田市でも開催され、人形劇カーニバルの国際化と市民の国際交流の気運が盛り上がった。飯田市は国際人形劇連盟の本部が置かれているフランスのシャルルヴィル・メジェール市と「人形劇による交流」を目的とした友好都市関係を締結。台湾や韓国などの近隣諸国からは、招待参加だけでなく年々自主参加劇団が増加している。さらに第20回の98年には、単独で世界人形劇フェスティバルを開催し、国内外から379劇団を迎え、過去最大のカーニバルとなった。

 国内4番目の公立人形劇場の設立、人形劇人に対する市民の感謝を表わすモニュメントの製作など、人形劇を核としたまちづくりも着々と進んでいる。第21回の99年、市民が主体となった実行委員会が結成され、名称も「いいだ人形劇フェスタ」に変更された。文化の香り高い「人形劇のまち 飯田」は、国内のみならず世界の人形劇人に親しまれ愛される町を目指して、力強く歩み続けている。

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