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サントリー地域文化賞

活動詳細

中部

静岡県 浜松市 1986年受賞

浜松まつり凧揚げ保存会
市民挙げての勇壮な凧揚げ祭の伝統と技術を保存・継承

代表:鈴木 正一 氏

1999年11月更新

写真
中田島砂丘で
くりひろげられる凧合戦

 浜松の凧揚げの起こりは、今から約430年前に遡るといわれる。時の城主の長子誕生祝いに、大凧にその名を記し城中高く揚げたと伝えられている。その後時代が過ぎ、長子が誕生すると町内の若衆たちが端午の節句に「祝い凧」を揚げる風習が盛んとなった。

 さわやかな風そよぐ5月3日正午、広大な中田島砂丘に、市内167ヵ町の若衆たちが凧印の入った町旗をなびかせ揃いの法被を着て結集する。数十万人の観客の見守るなか、花火の轟音を合図に、紺碧の空を舞台として勇ましい大凧合戦の幕が切って落される。進軍ラッパが鳴り響き、「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声と共に、各町が幅2〜4メートルもある大凧を一斉に揚げ、太さ約6ミリの麻糸を互いに絡み合わせて切合う。10町以上の糸が絡み合い、数百人の若衆が入り乱れての戦いが、糸の焼けるにおいと白煙が立ちこめるなかで繰り広げられ、祭は最高潮となる。

 浜松まつりは、この「凧合戦」を中心に、長子誕生を隣人、知人たちが手作りの凧を揚げて祝う伝統に根ざした「初凧揚げ」や、77台の屋台が夜に市中を練り廻す「ご殿屋台引き回し」など3日間にわたる盛り沢山の行事があり、遠方よりの観光客も合わせ、人出はのべ125万人に達する。

 まつりの運営組織は、市、商工会議所、コンベンションビューロー、自治会連合会の4団体からなる「浜松まつり本部」であるが、凧揚げの運営は自治会の手によって行われ、会場の清掃から弁当、菓子の配給にいたるまで、地元の人々が無報酬で奉仕している。

 浜松まつり凧揚げ保存会は、この伝統ある凧揚げの技術の継承と向上を目的として、自治会が中心となって結成したものである。凧合戦用の統一された規格の凧糸作成のほか、凧揚げ技術の全国各地への普及活動を活発に展開しており、筑波の科学万博においても技術披露を行っている。また海外からの要請を受けて、これまでハワイ、韓国にも遠征しており、凧揚げを軸として、日本各地との交流から世界との交流へと活動は拡がっている。

 1985年4月には、市が6億2千万円を投じて「浜松まつり会館」を建設した。凧合戦の模様を生々しく再現する凧展示室、郷土芸能展示室があり、凧糸製造室では、将来、浜松まつりを担う子どもたちに凧や糸の製作法も指導している。

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