サントリー文化財団

menu

サントリー文化財団トップ > サントリー地域文化賞 > 地域別受賞者一覧 > 豊橋交響楽団

サントリー地域文化賞

活動詳細

中部

愛知県 豊橋市 1981年受賞

豊橋交響楽団
高い演奏水準を誇り、全国のアマチュアオーケストラの中心的存在として活躍

代表:神野 信郎 氏

1999年11月更新

写真
僻地への巡回コンサート

 豊橋交響楽団の創立は1975年であるが、その前身である豊橋リード・フィルハーモニー交響楽団が設立されたのは1965年である。

 現在の音楽監督森下元康氏が、豊橋市の羽田中学校在勤中の1961年、同校内にリード・オーケストラ部を創設した。このオーケストラ部は、早くも翌年には「NHK全国器楽合奏コンクール」中学校の部で1位をおさめる偉業をやってのけた。

 厳しい練習で鍛え抜かれたすぐれた技術とチームワーク、これらを社会人となっても引き続きオーケストラの中で発展させたい。森下氏はじめメンバー一同が強く希望し働きかけて、羽田中学校のOBを中心に豊橋リード・フィルハーモニー交響楽団が結成されたのである。その後さらにアコーディオン主体からヴァイオリン、ヴィオラ中心に編成替えをしたのが、今日の豊橋交響楽団である。

 この間、森下氏のアマチュア・オーケストラに対する情熱は、豊橋市の音楽人の結集を生み、71年には東京虎の門ホールでの公演を実現させた。

 団員135名は音楽監督森下氏の強力な指導の下に結集し、東京から招聘した専門家による本格的指導を受けて、技術的にわが国のアマチュア・オーケストラとしての指標となっている。

 豊橋交響楽団は年3回の定期演奏会のほか、奥三河など僻地への巡回コンサートに力を注いでおり、正規の服装のフルメンバーによる巡回演奏は80回をこえる。

 72年には、当楽団の呼びかけによって、日本アマチュアオーケストラ連盟(JAO)が設立された。そして95年には社団法人の認可がおり、現在全国157団体が所属している。連盟の事業として、年1回開催される全国アマチュアオーケストラフェステイバルは本年(99年)で27回、青少年を対象とした青少年オーケストラキャンプも15回を数えている。さらに98年、JAOの呼びかけで世界アマチュアオーケストラ連盟(WFAO)が設立され、世界27ヵ国2,323団体、約16万人の人々の交流が始まった。

 これらの活動の原動力である豊橋交響楽団は、平均年齢35歳という若いオーケストラで、今後も日本のアマチュアオーケストラ発展のために指導的役割を果たしていくことであろう。

サントリー文化財団