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サントリー地域文化賞

活動詳細

東北

秋田県 秋田市 1980年受賞

秋田伝承遊び研究会
伝承遊びと郷土の精神文化を次代に継承。幅広い年齢層によるコミュニティづくり

代表:加藤 亮 氏

1999年11月更新

写真
「童っ子の雪まつり」

 時代や環境の変化とともに、子どもたちの遊びも変わってきた。大人の郷愁としてではなく、昔からの素朴な伝承遊びを通じて、現代の子どもたちに自然に親しむ喜びや、遊びの創造性を体得させる機会をつくろうとの主旨から、1976年3月、会長の加藤亮氏を中心に本会が発足した。そうして実現させた実際の“遊びの場”が、本会の二大行事である冬の「童っ子の雪まつり」と夏の「童っ子と民話の夕べ」である。

 第1回「雪まつり」は会の発足の年、秋田市八橋運動公園で開催。竹スケート、竹スキー、箱そり、ドッコ(下駄の底に金具をつけた一種のスケート)遊びが復活し、かまくら作りも行われ、秋田伝承遊びに親と子が一緒になって熱中した。

 この年雪国秋田は暖冬で、雪不足のため建設会社の支援でダンプカー24台分の雪を運びこむという苦労話もあった。なんとか実行にこぎつけたいという会員の熱意が、学生グループ、婦人会、レク活動メンバーなど予想以上の多くの市民の善意と協力の輪を広げ、第1回雪まつりの成功をもたらした。

 その後、横手市のかまくら、湯沢市の犬っこまつり、男鹿市のなまはげ、大館市の飴っこ市といった県内各地の伝統的民俗行事も参加。1999年2月の第24回「雪まつり」には15万人の市民が参加し、現在では秋田市民の冬の恒例行事として定着している。この「童っ子の雪まつり」は県内各地にも波及し、今では秋田市の他15市町村で同種の「雪まつり」が開催されている。

 また、大自然の中で、手づくり道具を楽しみ、古老の話に耳を傾ける「童っ子と民話の夕べ」は、子どもと自然との交流、民話との触れ合いの場である。これも、1976年以来、秋田県内外各地に赴いて毎年開催。夏休みの一夜をともに過ごし、昔ながらの素朴な遊びを体験した子どもの数は、これまでにのべ2700人をこえている。

 「秋田伝承遊び研究会」の会員はすべて勤労青年である。会員は日曜日毎に交代で遊具のつくり方や様々な遊びを、集まってくる子どもたちに指導している。会員自らも県下の民話、伝承遊びの発掘・調査を行っており、その成果は37回にわたり新聞に連載された「秋田子ども歳時記」「雪国の遊び」となって実を結んでいる。また、「世代を結ぶふるさとづくり」というタイトルで、同会の活動が映画化された。この映画は1983年度、文部省教育映画祭優秀賞を受賞、全国から大きな反響を呼んだ。

 伝承遊びの中に培われた地域の精神文化の継承と、それを通じた子どもから老人に至る幅広い市民のコミュニティ形成は、今後さらに広がっていくであろう。

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