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サントリー地域文化賞

活動詳細

関東

千葉県 市川市 1980年受賞

市川交響楽団
県下の音楽・文化団体のまとめ役として活躍するアマチュアオーケストラ

代表:村上 正治 氏

1999年11月更新

活動紹介動画(02:00)
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市川交響楽団

 1980年7月13日、市川市民会館ホールで市川交響楽団30周年記念の演奏会が開かれた。同楽団の初代の幹事長であった郭博氏と、その弟であるピアニストの郭志鴻氏を中国から迎えての日中交流演奏会である。兄弟は市川市にゆかりの深い郭沫若氏の子息たち。志鴻氏のピアノ演奏によるべートーベンの皇帝協奏曲は見事なアンサンブルをみせた。同交響楽団の育ての親である村上正治氏はじめ古い団員にとっては、永年にわたる努力が結実した記念すべき公演であった。

 この楽団は1951年5月に結成されたが、これに先立つ5年前、終戦の年の12月に市川市文化会音楽部が村上氏をキャップにスタート。レコードコンサートを催したり、著名な音楽家を招いて生演奏と懇談の会を開くなど活発な活動を行っていた。その後合唱団が編成され、引き続いて20人程でオーケストラが誕生した。

 結団後、小学校の教室を借りて練習を始めたものの、譜面台がわりに椅子を重ねたり、足りない楽器を練習ごとに借り集め、ピアノを大八車で運ぶなどの苦労が続いた。病院や施設、学校や工場などに演奏に出かけるほか、しばしば定期演奏会を開いてきたが、そのほとんどは無料公演であった。「音楽を楽しむ喜びを一人でも多くの人へ」という村上氏の信念が、同時に団員の精神ともなってこの活動が続けられてきたという。

 現在団員は百余名。99年12月に278回目を迎える定期演奏会を含め、これまでに行った公演の数は900回をこえるが、今でも定期演奏会は原則入場無料の方針を貫いている。その音楽水準は極めて高く、質量ともに全国に冠たるものがあるとの評価を得ている。81年の千葉県芸術祭開会記念演奏、83年の第1回千葉県オーケストラフェスティバル、県民500万人記念「県民オーケストラ演奏会」、91年の40周年記念日中交流交響楽コンサート、99年のモーツァルト戴冠ミサなど、つねに多くの聴衆を魅了し続けている。

 市川交響楽団はまた、市川混声合唱団(49年結成)、市川交響吹奏楽団(60年結成)、市響ジュニアオーケストラ(75年結成)、行徳混声合唱団(79年結成)とともに市川交響楽団協会を組織し、千葉県の地域音楽文化の中核として大きく貢献している。その結果、千葉県のアマチュアオーケストラの団体は社会教育団体で35、学校関係で50を数え、着実に数を増やしている。

 とかく東京の周辺地という独自の文化が育ちにくい環境のなかで、ユニークな音楽活動をたゆみなく続けてきた同交響楽団の未来に期待する声は強い。

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