2026.11.02

日本から、世界の市場を動かす。グローバルRTD戦略に挑む、事業企画サントリアン

日本から、世界の市場を動かす。グローバルRTD戦略に挑む、事業企画サントリアン

サントリー株式会社 グローバルRTD推進部で、日本を除くAPAC地域の事業企画・推進を担う小菅智彦さん。入社後はコーポレートブランド戦略部で企業理念の改定などに携わったのち、社内公募でグローバルRTD事業(※)へ。異なる2つの領域を経験した小菅さんに、日本から世界の市場と向き合う仕事の面白さを伺いました。

※RTD:Ready to Drinkの略。ふたを開けてそのまますぐ飲める缶チューハイや缶カクテル、ハイボール缶などのアルコール飲料

グローバルへの思いを胸に。企業理念と向き合った6年間

父親の仕事の関係で、幼少期と中学時代をイギリス・ロンドンで過ごした小菅さん。就職活動でも、「グローバルの舞台で働きたい」という思いを軸にしていました。

小菅さん:特定の業界に絞らず就職活動をしていましたが、どの会社の面接でも「グローバルなビジネスに携わりたい」ということは伝えていました。しかし、会社によっては「ウチは日本の会社だし、国内のビジネスがメインだよ」といった反応もあり、そこに温度差を感じることも少なくなかったですね。

そのなかで、「そういうことをやりたい方にも、活躍できる分野や成長機会がちゃんとあります」と前向きに受け止めてくれたのが、サントリーでした。面接で自分自身がいちばん自然体で、一方通行ではなく会話のキャッチボールができたところも、入社を決めた理由のひとつです。

2017年に入社した、サントリー株式会社 グローバルRTD推進部の小菅智彦さん。

入社後はコーポレートブランディング部門で海外向け企業広告や海外社員への理念浸透などを担当。特に印象に残っているのが、グループ企業理念の改定プロジェクトです。

小菅さん:企業理念とは、創業から今に至るまで会社が大切にしてきた信念や考え方だと捉えています。改定に際して、鳥井信治郎のエッセイや佐治敬三の著作など、過去の文書や書籍を何十、何百と読み込むうちに、「こういう歴史があったから、この価値観を大切にしているんだな」と、一つひとつ腑に落ちていきました。

並行して、若手社員からマネージャー、トップマネジメントまで、さまざまな方とサントリーの企業理念は今どうあるべきかについて議論を重ねました。「やってみなはれ」「利益三分主義」といったキーワードが挙がるなか、特に自然を大切にする想いは、サントリーが大切にすべき価値観だとみんなが口を揃えていたんです。

入社してすぐに、会社概要の制作も担当。「この業務がサントリーの企業理解の基礎をつくってくれました」。

小菅さん:鳥井信治郎も著作で、自らの信念のひとつに、自然に生かされていることへの深い畏敬の念を語っています。社員全員がそのエッセイを読んでいるわけではないのに、100年以上前から創業者が大切にされてきた価値観が、今も時を超えて社員の共通認識として受け継がれている。これこそが“理念が浸透する”ということなんだと、そのすごさを実感しました。

成長を求めて挑んだ、グローバルRTD事業

企業理念の改定という大仕事を終えた小菅さんは、まったく異なる領域であるグローバルRTD事業の社内公募に手を挙げます。

小菅さん:コーポレートブランディングの業務にはやりがいを感じていましたが、6年いると自分の成長が鈍化している感覚があったのも事実です。同期や後輩が3、4年で異動し、新しいフィールドで成長していく姿を見て、焦りを覚えていたようにも思います。

公募のあったグローバルRTDは、希望していた「グローバル」と未経験の「事業部門」の両方に携われるところが魅力でした。自分も次のステージにチャレンジすることで、社会人としての成長スピードを上げていきたいという気持ちがありましたね。

異動先は、グローバルにRTD事業を推進する新会社として発足したSuntory RTD Company。RTD市場は世界的に成長しており、サントリーにとっても重要な成長領域のひとつです。

小菅さん:サントリーは現在、RTD市場の販売数量で世界2位、金額では世界3位になっていて、あとはトップを目指すのみ、というポジションにいます。それぞれのマーケットの嗜好に合わせた中味を展開していることも、事業戦略のひとつです。

たとえば、日本では比較的甘みの少ないドライなレモンサワーが多く飲まれますが、海外では嗜好もさまざま。「−196」も日本のノウハウを活かしながら、国や地域に合わせて中味をローカライズしています。

世界で発売しているRTD商品の一例。缶には日本語を残しつつ、エリアのニーズに合わせた中味設計に。

異動当初は、世界各国のRTD事業の予算策定や予実管理、事業推進を担当。日本を拠点に、これまで経験のなかった財務諸表の読み方や会計の基本などにイチから挑戦する日々がはじまりました。

小菅さん:当初はマーケティングの業務を想定していたのですが、公募の面接で「企画領域はどう?」と提案があり、興味も意欲もあったので、思い切って挑戦することにしました。初めてのことばかりで新鮮でしたし、上司や先輩がていねいに教えてくれたのも心強かったです。できることが増えていくたびに、自分の成長を実感できました。

「最近はアメリカの公認会計士の資格取得を目指して勉強中です」と、小菅さん。

小菅さん:事業企画の仕事には大きく3つの役割があると考えています。1つ目は「今を見る」こと。売上や利益が計画通りか、どの市場やブランドが好調で、どこに課題があるのかを見える化します。2つ目は「未来を考える」こと。3年後、5年後にどの市場、どのブランドがどれだけ成長し、どれだけの投資が必要なのかを、市場データや競合分析をもとに描いていきます。

そして3つ目の「事業を動かす」ことが、いちばん難しく、いちばんやりがいのある部分です。どんなにいい戦略も、実行されなければ絵に描いた餅です。だからこそ、現地事業会社やマーケティング、サプライチェーン、R&D(研究開発)、税務、法務など多様な部門の関係者とゴールを共有し、足並みを揃えて進めるよう調整していきます。

バンコクにて、グローバルRTDチームのメンバーと撮影。

事業企画では、経営層や意思決定者と仕事をする機会も多くあります。

小菅さん:準備が不十分だったりすると、手厳しい指摘を受けることもしばしばです。そういうときは、忙しい人たちの時間を無駄にしてしまったと、悔しい思いでいっぱいになりますね。ただ、それだけプレッシャーがあるぶん、やりがいも大きいです。自分のなかにプライドを持って、「半端なものは出さない」という思いで日々業務に取り組んでいます。

違いを知り、同じゴールを目指す。グローバルで磨いた仕事観

当初はグローバルの全地域を見ていた小菅さんですが、現在は日本を除くAPAC地域に絞って担当。一つひとつの市場と深く向き合いながら仕事をしています。

小菅さん:同じAPACとはいえ、国が変われば市場の条件はまったく異なります。だからこそ、どれだけ現地を理解し、戦略をローカライズし、最適化できるかが重要です。そのためには、国も専門性も異なる関係者と、ひとつのゴールに向けて足並みを揃えることも大事にしています。専門領域ではプロの力を借りつつ、AIなども活用して自ら学び、基本的なことは自分の言葉で説明できるようにしています。

「アメリカはもちろん、オーストラリアもRTDを語る上で絶対に外せないマーケットです」。

小菅さん:また、例えば同じ英語圏のオーストラリア、アメリカ、イギリスでも使う言葉や表現が異なります。そういうときには、わからないことは「わからない」と伝え、一つひとつ理解する。小さなことから大きなことまで、エリアによって異なる慣習や市場のルールを理解することは大変ではありますが、それこそグローバルビジネスの基本だと実感しています。

幼少期をロンドンで過ごした小菅さんですが、「最初からグローバルマインドセットがあったわけではない」と語ります。

ロンドンで過ごした幼少期。「貴重な人生経験をさせてくれた両親には感謝しかないです」。

小菅さん:幼少期に海外経験があるといっても、私が知っているのはイギリスだけでした。サントリーで仕事をするようになって、「アメリカってこうなんだ」「アジアではこうなんだ」と、新しい発見ばかりです。はじめから世界を舞台に働く素養があったわけではなく、業務経験の積み重ねを通じて、グローバルマインドセットが少しずつ培われているように感じています。

また、グローバルというと海外駐在をイメージしがちですが、私の場合は日本から各国と向き合うヘッドクオーター的な仕事をしています。地域を跨いで複数の国を相手にするという点では、海外にいても日本にいても同じ。国によって時差や物理的な距離などがハードルになるときもありますが、仕事の本質はきっと変わらないと思っています。

軸足は日本に置きながらも、世界各国のメンバーとの協働が重要。「海外出張も多いです」と、小菅さん。

コーポレートブランディングとグローバルRTDの事業企画。2つの領域を経験したことは、小菅さんの大きな強みになっています。

小菅さん:「精神と肉体」にたとえるなら、コーポレートブランディングや企業理念の世界はまさに「精神」の部分で、会社が大切にする想いや信念など、非常にエモーショナルで情緒的な領域だと感じています。一方で、企業が活動するうえで不可欠な利益を生み出す事業は「肉体」のようなもので、今のグローバルRTD事業での仕事は、まさにその部分に携わっているのだと考えています。

会社にとってはその両方が欠かせませんが、この2つの領域を経験できたことは、今の自分にとって大きな糧になっています。今後もグローバルを軸に、RTD以外のカテゴリーでの事業企画や、特定の地域に深く携わる仕事にも挑戦したいと思っています。

サントリーは風通しがよく、求めれば求めるほど成長の機会を与えてくれる会社です。ここ数年を振り返っても、グローバル化は驚くほどのスピードで進んでいます。そんな変化のなかで、これからも成長に貪欲な仲間と切磋琢磨し、一緒に新しい挑戦を重ねていけたらうれしいですね。

※社員の所属・役職、内容は取材当時のものです。
編集:サントリーホールディングス株式会社 人財戦略部

【サントリーのグローバル×RTD事業にまつわる記事はコチラ!】

小菅 智彦

小菅 智彦Tomohiko Kosuge

サントリー株式会社
グローバルRTD推進部

2017年、サントリーホールディングス株式会社入社。コーポレートブランド戦略部を経て、2023年、社内公募でSuntory RTD Company グローバル経営戦略部へ異動。組織統合・変更を経て、2026年9月より現職。日本を除くAPAC地域を対象に、RTD事業の予算・計数管理と事業推進に携わる。

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