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ニュースリリース
  • No.sh0458(2025/4/30)

耳が目覚める!頭に響く!圧倒的ナナメ上 音楽フェス
サントリーホール サマーフェスティバル 2025

ジョルジュ・アペルギス
© XAVIER LAMBOURS

向井 航
©池上直哉

芥川也寸志

1987年より開催し、日本の現代音楽界を牽引するサマーフェスティバル
ミュージック・シアターの先駆者アペルギスを招聘、芥川也寸志生誕100年を記念するプログラムも

サントリーホールは、2025年8月23日(土)~8月30日(土)の期間に、「サントリーホール サマーフェスティバル 2025を開催します。1987年にスタートし、音楽の“現在(いま)”を紹介する、東京の現代音楽の祭典として、最前線で活躍する世界各国の音楽家たちがサントリーホールに集まり、自由かつ冒険的な精神にあふれる音楽を発信しています。

■テーマ作曲家 ジョルジュ・アペルギス サントリーホール国際作曲委嘱シリーズNo. 47 (監修:細川俊夫)
 武満徹、クセナキス、ケージ、ノーノ、ヘンツェなど各時代の音楽シーンを代表し、世界の第一線で活躍する作曲家に管弦楽作品を委嘱し、世界あるいは日本初演の作品を披露します。今回はジョルジュ・アペルギスを迎えます。アペルギスは、クセナキスに師事し、フランスにおけるミュージック・シアターの先駆者として知られており、近年では器楽作品も大きく注目されています。今回は、日本初演となるオーケスト作品をはじめ、作風が色濃く表れる室内楽作品、代表作であり現代音楽の声の可能性を拡げた『レシタシオン』と、それぞれのプログラムでアペルギスの作風の魅力を多角的に紹介します。その他、恒例の作曲ワークショップでは、若手作曲家の作品の実演とアペルギスによるアドバイス、さらに本シリーズの監修者細川俊夫とのトークセッションも行います。そして今年ならではの現代声楽作品のためのヴォーカル・マスタークラスでは、『レシタシオン』公演に出演するドナシエンヌ・ミシェル゠ダンサクが講師を務め、アペルギスの音楽を更に深く垣間見ることができる貴重な機会となります。
■第35芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会
 「芥川也寸志サントリー作曲賞」は、戦後日本の音楽界の発展に多大な貢献をした作曲家、故 芥川也寸志(1925~89)の功績を記念して、1990年に創設されました。2024年(1月~12月)に国内外で初演された日本人新進作曲家の管弦楽作品から、選考委員の伊左治直、小出稚子、安良岡章夫による第一次選考を経てノミネートされた斎藤拓真廣庭賢里松本淳一の3作品を実演。その中から、もっとも清新かつ将来性に富む1作品を公開で選考し、贈賞します。第33回の受賞者、向井航委嘱した新作の世界初演と、芥川也寸志の生誕100年を記念し、作曲コンクールで特賞となった芥川の出世作『交響管弦楽のための音楽』の演奏もあわせて行います。

※特集ページはこちらからご覧ください。https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/summer2025/

[チケットのお申し込み・お問合せ]
 サントリーホール・メンバーズ・クラブWEB suntoryhall.pia.jp
 サントリーホールチケットセンター TEL 0570-55-0017 (10:00~18:00、休館日を除く)
[写真・資料のご請求、ご取材・お問合せ]
 サントリーホール 広報部 TEL 03-3505-1002 FAX 03-3505-1007
 〒107-8403 東京都港区赤坂1-13-1 suntory.jp/HALL/

― 記 ―

サントリーホール サマーフェスティバル 2025
Suntory Hall Summer Festival 2025

テーマ作曲家 ジョルジュ・アペルギス
Theme Composer Georges Aperghis
サントリーホール国際作曲委嘱シリーズNo. 47(監修:細川俊夫)
Suntory Hall International Program for Music Composition No. 47
(Artistic Director: Toshio Hosokawa)

◎オーケストラ・ポートレート(委嘱新作初演演奏会)
 Orchestra Portrait (Commissioned Work Program)

【日時】
2025年8月29日(金)19:00開演(18:20開場) 
Friday, August 29, 2025 at 19:00 (Doors open 18:20)

【会場】大ホール Main Hall

【曲目】
ジェルジ・クルターグ:『石碑』作品33(1994)
György Kurtág: ΣΤΉΛΗ [Stele], Op. 33
ハビエル・キスラント:『ルクス プルウィア』(2025)[世界初演]
Javier Quislant: Lux pluvia [World Premiere]
ジョルジュ・アペルギス:アコーディオン協奏曲(2015)[日本初演]**
Georges Aperghis: Accordion Concerto [Japanese Premiere] **
ジョルジュ・アペルギス:大管弦楽のための『エチュード』VI、VII、VIII (2014、2015、2025)
[日本初演]*VIIIのみサントリーホール委嘱新作
Georges Aperghis: Études VI, VII and VIII for Large Orchestra [Japanese Premiere]
[VIII…commissioned by Suntory Hall]

【出演】
指揮:エミリオ・ポマリコ Emilio Pomàrico, Conductor
アコーディオン:テオドーロ・アンゼロッティ** Teodoro Anzellotti, Accordion **
東京交響楽団 Tokyo Symphony Orchestra

プロフィールはこちら

【チケット料金】S席4,500円 A席2,500円 U25席1,000円 S ¥4,500 A ¥2,500 U25 ¥1,000

◎室内楽ポートレート(室内楽作品集)
 Chamber Music Portrait

【日時】
2025年8月24日(日)15:00開演(14:30開場) 
Sunday, August 24, 2025 at 15:00 (Doors open 14:30)

【会場】ブルーローズ(小ホール) Blue Rose (Small Hall)

【曲目】
ジョルジュ・アペルギス(1945~ ):
Georges Aperghis
 ヴァイオリン独奏のための『イ・イクス』~ヤニス・クセナキスに捧ぐ~ (2001~02)
 I.X. for Violin Solo ─ in memoriam Iannis Xenakis
 サクソフォーンとヴィオラのための『ラッシュ(素早く)』(2001)
 Rasch for Saxophone and Viola
 ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための『三重奏』(2012)
 Trio for Piano, Violin and Cello
 ヴァイオリン、アコーディオン、打楽器のための『カルステン三重奏』(2021)
 Carsten Trio for Violin, Accordion and Percussion
 クラベスとヴァイオリンのための『束の間のレクイエム』(1998)
 Requiem furtif for Claves and Violin
 2人の打楽器奏者/役者のための『再会』(2013)
 Retrouvailles for Two Percussionists/Actors
 ソプラノ、クラリネット、打楽器のための『7つの恋の罪』(1979)
 Les 7 Crimes de l’amour for Soprano, Clarinet and Percussion
 (ザルブを演奏する)打楽器奏者のための『取っ組み合い』(1978)
 Le Corps à corps for Percussionist(playing zarb)

【出演】
ヴァイオリン:
 尾池亜美 Ami Oike, Violin
 牧野順也 Junya Makino, Violin
ヴィオラ:東条 慧 Kei Tojo, Viola
チェロ:山澤 慧 Kei Yamazawa, Cello
ピアノ:大瀧拓哉 Takuya Otaki, Piano
クラリネット:田中香織 Kaori Tanaka, Clarinet
サクソフォーン:井上ハルカ Haruka Inoue, Saxophone
アコーディオン:テオドーロ・アンゼロッティ Teodoro Anzellotti, Accordion
打楽器:
 クリスティアン・ディアシュタイン Christian Dierstein, Percussion
 會田瑞樹 Mizuki Aita, Percussion
 飯野智大 Tomohiro Iino, Percussion
ソプラノ:薬師寺典子 Noriko Yakushiji, Soprano

プロフィールはこちら

【チケット料金】指定席4,500円 U25席1,000円 Reserved Seating ¥4,500 U25 ¥1,000

◎レシタシオン
 Récitations 

【日時】
2025年8月30日(土)13:30開演(13:00開場) ※休憩なし 1時間公演
Saturday, August 30, 2025 at 13:30 (Doors open 13:00)

【会場】ブルーローズ(小ホール) Blue Rose (Small Hall)

【曲目】
ジョルジュ・アペルギス(1945~ ):
Georges Aperghis
 2人の打楽器奏者/役者のための『再会』(2013)*
 Retrouvailles for Two Percussionists/Actors *
 1人の声のための『レシタシオン』(1978)
 Récitations for Voice Solo 

【出演】
ヴォーカル:ドナシエンヌ・ミシェル゠ダンサク Donatienne Michel-Dansac, Vocal
打楽器:
 クリスティアン・ディアシュタイン* Christian Dierstein, Percussion *
 飯野智大* Tomohiro Iino, Percussion *

プロフィールはこちら

【チケット料金】指定席4,000円 U25席1,000円 Reserved Seating ¥4,000 U25 ¥1,000 

◎作曲ワークショップ×トークセッション ※日本語通訳付
 Music Composition Workshop and Talk Session 

【日時】
2025年8月23日(土)19:00開始(18:30開場) 
Saturday, August 23, 2025 at 19:00 (Doors open 18:30) 

【会場】ブルーローズ(小ホール) Blue Rose (Small Hall)

【内容】
第1部:ジョルジュ・アペルギス×細川俊夫 トークセッション
[Part 1]Georges Aperghis×Toshio Hosokawa Talk Session
第2部:若手作曲家からの公募作品クリニック/実演付き
[Part 2]Workshop by Call for Scores

【出演】レクチャー:ジョルジュ・アペルギス/細川俊夫 Georges Aperghis / Toshio Hosokawa, Lecture

【チケット料金】自由席1,000円 Non-Reserved Seating ¥1,000

【作品公募 Call for Scores】
公募した採用作品を実演、アペルギス自ら作品についてアドバイスする特別なワークショップです。
応募詳細はこちら 
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/sf2025_callforscore_application.pdf

募集要項
提出書類:(1)作品のスコア (2)応募申請書 ((1)、(2)共にPDF 推奨)
作品の長さ:10分以内
作品の編成
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、フルート、クラリネットを使ったソロ、デュオ、トリオのいずれかの編成。(スコア、パート譜は作曲家自身の責任において作成されたものに限ります)
※既存/新作を問いません。※楽器の重複は不可とします。
楽譜に使用する言語:通常の音楽用語、記号のほかは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語のいずれかをご使用ください。
応募者の資格
日本在住、年齢35歳以下(2025年8月23日時点)に限る。国籍不問。
8月23日開催のワークショップへの参加が必須です。(交通費支給※関東圏外対象)
※ワークショップでは、採用作品を実演します。
応募方法
下記メールアドレスへ(1)と(2)を添付の上ご応募ください。
また、応募メールの件名は「作曲ワークショップ(氏名)」とご記入ください。
応募締め切り:2025年5月31日(土)23時59分まで
選考結果通知:採用された方へのみメールにて7月中旬までにご連絡いたします。
お問い合わせおよび応募先
東京コンサーツ サマーフェスティバル事務局 summerfes@tokyo-concerts.co.jp
※応募の際、記載いただきました個人情報は、目的以外では使用いたしません。

◎現代声楽作品のためのヴォーカル・マスタークラス(無伴奏独唱作品のための)※日本語通訳付
 Masterclass on Contemporary Vocal Works, for unaccompanied solo voice

【日時】
2025年8月27日(水)19:00開始(18:30開場) 
Wednesday, August 27, 2025 at 19:00 (Doors open 18:30) 

【会場】ブルーローズ(小ホール) Blue Rose (Small Hall) 

【曲目】
(1)ジョルジュ・アペルギスの声楽作品
(2)その他、声楽(ソロ)のための現代作品
 ※暗譜不要。
 ※講師からレパートリー提案の可能性あり

【出演】講師:ドナシエンヌ・ミシェル゠ダンサク Donatienne Michel-Dansac, Instructor

【チケット料金】自由席1,000円 Non-Reserved Seating ¥1,000

【受講生募集】ドナシエンヌ・ミシェル゠ダンサクがアペルギスの独唱作品あるいはその他の現代作曲家の独唱作品を中心にレッスンします。

応募詳細はこちら
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/SF2025_vocalmasterclass_application.pdf

募集要項
曲目((1)もしくは(2)のいずれかを選択)
(1)ジョルジュ・アペルギスの声楽作品
(2)アペルギス以外の声楽(ソロ)のための現代作品
 ※暗譜不要。
 ※上記レパートリーをお持ちでない方は、講師からレッスン曲目を提案
応募者の資格
高い技術を有する優れた声楽家、プロの声楽家、プロを目指す声楽家
22歳以上(年齢制限なし/2025年8月27日時点)
応募方法
(1)履歴書(学習歴、師事、一般的な声楽作品レパートリーなどを明記。
(2)下記2作品の演奏録音もしくは演奏動画(データ提出)
 ‐バロック、古典派またはロマン派から1作品(アリアまたはリート)
 ‐1970年代以降の声楽ソロ作品または伴奏を伴う声楽作品
(3)レッスン希望曲目と選曲理由を技術的ならびに作品解釈の視点から端的に説明(テキスト)
下記メールアドレスへ(1)、(2)、(3)を添付の上ご応募ください。また、応募メールの件名は「ヴォーカル・マスタークラス(氏名)」とご記入ください。
応募締め切り:2025年5月18日(日)23時59分まで
選考結果通知:採用された方へのみメールにて7月上旬までにご連絡いたします。
お問い合わせおよび応募先
東京コンサーツ サマーフェスティバル事務局 summerfes@tokyo-concerts.co.jp
※応募の際、記載いただきました個人情報は、目的以外では使用いたしません。 

35回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会
 The 35th Competition of Yasushi Akutagawa Suntory Award for Music Composition 

【日時】
2025年8月30日(土)15:00開演(14:20開場) 
Saturday, August 30, 2025 at 15:00 (Doors open 14:20) 

【会場】大ホール Main Hall

【曲目】
芥川也寸志(1925~89):『交響管弦楽のための音楽』(1950)
Yasushi Akutagawa: Musica per Orchestra Sinfonica
向井 航(1993~ ):『クィーン』ユーフォニアム、エレキギター、女声アンサンブルと大オーケストラのための(オルガン付き)(2025)[世界初演 第33回芥川也寸志サントリー作曲賞受賞記念サントリー芸術財団委嘱作品]
Wataru Mukai: QUEEN for Euphonium, Electric Guitar, Female Voice Ensemble and Large Orchestra (with Organ) [World Premiere, commissioned by Suntory Foundation for the Arts] 

 ユーフォニアム:佐藤采香 Ayaka Sato, Euphonium
 エレキギター:藤元高輝 Koki Fujimoto, Electric Guitar
 女声アンサンブル:松島理紗/岡﨑陽香/浅野千尋/個々・マユミ・歌楽寿/庄司絵美
 Risa Matsushima / Haruka Okazaki / Chihiro Asano / Coco Mayumi Callas / Emi Shoji, Female Voice Ensemble

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35回芥川也寸志サントリー作曲賞候補作品(50音順/曲順未定)
斎藤拓真(1992~ ):『アンティゴネーとクレオン』ソプラノ、アンサンブル、エレクトロニクスのための(2024)
Takuma Saito: Antigone et Créon for Soprano, Ensemble and Electronics
廣庭賢里(2000~ ):『The silent girl(s)』ピアノと室内オーケストラのための(2024)
Satori Hironiwa: The silent girl(s) for Piano and Chamber Orchestra
松本淳一(1973~ ):『空間刺繍ソサエティ』(2024)
Junichi Matsumoto: The Society of Space-Embroidery for Orchestra 

【出演】
指揮:杉山洋一 Yoichi Sugiyama, Conductor
新日本フィルハーモニー交響楽団 New Japan Philharmonic

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候補作品演奏の後、公開選考会(司会:長木誠司) Open Screening by juries after the concert (Seiji Choki, MC)
選考委員(50音順):伊左治 直/小出稚子/安良岡章夫 Sunao Isaji / Noriko Koide /Akio Yasuraoka, Jury 

【SFA総選挙~あなたの清き、耳の一票を】※候補作品応援企画、非公式開催!
選考演奏会を会場で聴いて、気に入った曲に投票していただきます。
観客による総選挙の結果は、作曲賞決定後に発表します。 

【チケット料金】
前売 一般3,000円 U25席 1,500円 Reserved Seating ¥3,000 U25 ¥1,500
当日窓口 一般3,500円 U25席 2,000円 Door Ticket ¥3,500 U25 ¥2,000
※前売券は、公演当日の正午までWEBでご購入いただけます。 

【チケット発売】
サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売:2025年5月7日(水)10時~9日(金)
※先行期間中は窓口での販売はございません。
一般発売:5月10日(土)10時~ 

【チケット取り扱い】
サントリーホールチケットセンター 0570-55-0017(10:00~18:00、休館日を除く)
サントリーホール・メンバーズ・クラブWEB suntoryhall.pia.jp
(登録料・会費無料、座席選択可能)
サントリーホールチケットセンター窓口:10:00~18:00、休館日を除く
※18:00以降開演の公演がある場合は開演時刻まで営業いたします。
チケットぴあ t.pia.jp
イープラス eplus.jp
※U25席はサントリーホールチケットセンター(WEB・電話・窓口)のみ取り扱い。
 25歳以下、来場時に身分証提示要。お一人様1枚限り。 

【主催】サントリーホール
【制作協力】東京コンサーツ

【後援】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ/駐日ギリシャ大使館(テーマ作曲家公演)
【協力】
(一社)日本作曲家協議会/(一社)日本音楽著作権協会/(特非)日本現代音楽協会
(芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会)

※内容が変更になる場合がございますので、あらかじめご了承ください。最新情報は、ホームページでお知らせします。(URL=suntory.jp/HALL/
※就学前のお子様は同伴・入場いただけません。 

【プロフィール】
作曲:ジョルジュ・アペルギス Georges Aperghis, Composer
20世紀のフランスにおけるミュージック・シアターの第一人者であり、器楽から映像・舞踊を伴う音楽に至る多彩な作品群を通して、音楽と広い意味での演劇性との関係を一貫して探究するその姿勢は、近年大きな注目を集めている。画家の母と彫刻家の父のもと、アテネに生まれる。5歳ころピアノを始め、ラジオ、レコードで芸術音楽、ギリシャの民俗音楽に親しみ、両親の知人に個人的に音楽を教わる。1963年パリに渡り、守衛をしながら生計を立てる傍らドメーヌ・ミュジカルのリハーサルを見学、カーゲル、ケージの創作美学に感銘を受け、同国人のクセナキスと親交を結ぶ。71年、フランス国営ラジオのプロデューサーでアヴィニョン演劇祭の音楽監督を務めていたギー・エリスマンからの依頼で、同演劇祭が注力していたミュージック・シアターを初めて手がける(『降霊術師イエロニモとその鏡の悲話』)。アヴィニョンなどのフェスティバルで新進作曲家として活躍していた76年、パリ郊外のバニョレに「演劇と音楽のアトリエ(ATEM)」を設立。俳優と音楽家とともに、一般の老若男女を対象としたワークショップを継続し、約20のミュージック・シアターを創作。ATEMはその後何度か拠点を変え、アペルギスの引退(97年)後はT&Mと改称、2023年まで存続した。00年、IRCAMで 4人の女声、エレクトロニクスとヴィデオのための『マシナシオン(計略)』を作曲。IRCAMとの共働は『ルナ・パーク』(11)、『シンキング・シングズ』(17~18)でも続けられ、これらの作品は、ミュージック・シアターという枠を超え、演者を伴う一種のメディア・アートとなっている。ザルツブルク音楽祭で同音楽祭の委嘱作『コントルタン(不慮の出来事)』(05~06)が初演されて以後、ドイツ、オーストリアでの注目度が高まり、フランスでは本流やアカデミズムから距離をおいていたのとは対照的に、ドナウエッシンゲン音楽祭やダルムシュタット国際現代音楽夏期講習といった由緒ある場に招かれる。21年にはエルンスト・フォン・シーメンス音楽賞を受賞。これまでいずれもドイツで初演されてきたオーケストラのためのサイクル『エチュードI~VIII』(12~25、VIIIは今回が日本初演)は、『壁に耳あり』(1972)以来となる管弦楽曲である。彼の作品でもっとも有名になったのが、ひとりの女声のための『レシタシオン(暗唱)』(1977~78)だろう。意味が明瞭となる一歩手前で切り取られた言葉の切れ端が、極度の技巧を駆使してありとあらゆる表情を込めて発せられる、音楽としての声の可能性を押し拡げた記念碑的作品である。ミュージック・シアターと並行して彼が作曲してきたオペラや器楽・室内楽作品でも、彼の言う「移された発話」、すなわち話し言葉や音素を思わせる細切れの音型が用いられ、不均等で快いリズムが生まれている。上述の『エチュード』における音型の集積は、彼が若い頃嗜んでいた絵画に似た質感をたたえている。潜在的な演劇性が宿るこうした作品とは対照的に、『7つの恋の罪』(79)や『再会』(2013)では明瞭な身ぶりが用いられる。ATEMで演者・奏者との対話を重ねてきたアペルギスはまた、音楽家との信頼関係を重視しており、たとえば打楽器奏者ジャン゠ピエール・ドゥルエ、ソプラノ歌手ドナシエンヌ・ミシェル゠ダンサク、近年ではクラングフォルム・ウィーンがよき演奏者、アイディアの提供者となってきた。とりわけ、早くもプリペアド・ピアノのための『シマタ』(1970)で特異な音への関心を顕わにしていたアペルギスが、ドゥルエのために非西洋楽器や創作楽器を用いた作品を書いたことは特筆される。最新作であるミュージック・シアター『地の工場』は2023年ルール・トリエンナーレで初演され、翌24年リール歌劇場でフランス初演が行われた。

[平野貴俊]

作曲:芥川也寸志(192589) Yasushi Akutagawa, Composer
1925年、芥川龍之介の三男として東京で生まれた。1945年東京音楽学校作曲科首席卒業。1949年同研究科修了。作曲を橋本國彦、下総皖一、伊福部昭らに師事。『交響管弦楽のための音楽』(1950)でNHK放送25周年記念管弦楽懸賞を得て本格的デビュー。1953年、團伊玖磨、黛敏郎と作曲グループ3人の会を結成。『交響曲第1番』(54/55)『エローラ交響曲』(58)を発表。54年当時、日本と国交がなかったソ連に密入国して、ショスタコーヴィチやハチャトゥリアンと会見して日露音楽の架け橋となった。代表作『弦楽のためのトリプティーク』(53)はニューヨーク・フィルで初演、56年にソ連で楽譜出版、ワルシャワ青年音楽賞を受賞。TVオペラ『ヒロシマのオルフェ』(67)はザルツブルク・オペラコンクール審査員特別賞受賞。国内外で評価を受けた。バレエ、放送、映画の音楽作曲も多く、バレエ『蜘蛛の糸』(1968)、大河ドラマ「赤穂浪士」(64)、「八甲田山」(77)は独立した楽曲として再演を重ねている。生涯徹底されたオスティナート技法による創作は『チェロとオーケストラのためのコンチェルト・オスティナート』(69)『オルガンとオーケストラのための響』(1986)など多彩な成果を残した。

作曲:向井 航 Wataru Mukai, Composer
作曲家、パフォーマー。『ダンシング・クィア』で第33回芥川也寸志サントリー作曲賞受賞。その他主な受賞歴に、第8回クロアチア国際作曲コンクール優勝、メンデルスゾーン全ドイツ音楽大学コンクール独連邦大統領賞、第86回日本音楽コンクール作曲部門第2位および岩谷賞など。宗次徳二海外派遣奨学生、ローム ミュージック ファンデーション奨学生。東京藝術大学音楽学部作曲科を首席卒業後、独マンハイム音楽大学を最優秀の成績で卒業。ABPU博士課程を経て、現在、東京藝術大学美術研究科博士後期課程在籍中。 

作曲:斎藤拓真 Takuma Saito, Composer
1992年4月22日横浜市生まれ。2015年、上智大学フランス語学科卒業。19年、パリ国立高等音楽院作曲科入学。24年、作曲科第二課程を首席で卒業。同年、フランス芸術アカデミーによりマルモッタン邸の24/25年度のレジデンスアーティストに選出される。 

作曲:廣庭賢里 Satori Hironiwa, Composer
2000年5月22日、徳島県生まれ。国立音楽大学附属高等学校ピアノ専攻を経て東京藝術大学音楽学部作曲科を首席で卒業。現在、同大学院音楽研究科修士課程作曲専攻作曲研究分野2年在学中。これまでに作曲を大久保みどり、愛澤伯友、野平一郎、金子仁美に師事。

作曲:松本淳一 Junichi Matsumoto, Composer
1973年北海道生まれ。国立音楽大学作曲学科卒業。第93回日本音楽コンクール作曲部門第1位、第33回芥川也寸志サントリー作曲賞ノミネート、第91回日本音楽コンクール作曲部門第2位、2011エリザベート王妃国際音楽コンクール作曲部門ファイナリスト賞、第37回日本アカデミー賞優秀音楽賞。 

以上

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