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ニュースリリース
  • No.sfa0046(2021/3/18)

第52回(2020年度)サントリー音楽賞は三輪 眞弘 氏に決定

 公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤 剛、鳥井信吾)は、わが国の洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈る「サントリー音楽賞」の第52回(2020年度)受賞者を三輪眞弘(みわ まさひろ)氏に決定しました。

●選考経過
2021年1月11日(月・祝)オンラインによる選考会にて第一次選考を行い、候補者を選定した。引き続き2月25日(木)オンラインにて最終選考会を開催。慎重な審議の結果、第52回(2020年度)サントリー音楽賞受賞者に三輪眞弘氏が選定され、3月16日(火)の理事会において正式に決定された。

●賞金 700万円

●選考委員は下記の6氏
岡田暁生・片山杜秀・白石美雪・長木誠司・舩木篤也・松平あかね(敬称略・50音順)

なお岡田委員は受賞者が係わる公演の関係者であったため、最終選考会の受賞者選定にあたり退室し、5委員で選考を行った。

(ご参考)サントリー音楽賞についてはこちら

<贈賞理由>

 三輪眞弘の創作は一種のトリガーである。20世紀末から21世紀の今日に至るまで、日本の作曲界において独自の存在感を示してきたのはひとえにその問題喚起力による。だが、三輪の作品は思弁にのみ働きかけるわけではない。聴覚、視覚、ときには嗅覚や触覚までも動員して初めて、その本質が理解可能となるのだ。
 2020年はそのような作風を前提として、作曲家自身が企画と構成を行った「ぎふ未来音楽展2020 三輪眞弘祭 ―清められた夜―」のライブ配信が行われた。コロナ禍で起こった現象への批判的認識に立って、コロナ禍にあってこそ可能な無観客ライブの方法をとりながら、映像監督の前田真二郎、詩人の松井茂らの協力のもと、あらためて三輪の実力が示された公演だったと評価できる。新作「鶏たちのための五芒星」で実際に鶏たちが舞台周辺を歩き回る中、ガムランの演奏が行われ、パイプオルガンとともにJ・オケゲムのレクイエムを人工音声が歌う。「霊界ラヂオ」が死者の声を傍受し、粉が舞う中、ダンスが続き、同時に詩が配信されていく。さまざまな演奏や動作が重なり、接続されていくパフォーマンスは一種の儀式の様相を帯びていた。
 人工音声や死者の声の傍受といった仕掛けによって異界と結び、一つの架空の宗教を措定することは、音楽が古来持っていた儀式性を想起させる。コロナ禍に対して、癒しに向かうのではなく、かといって、コロナ以後の新しい日常といった楽観的な立ち位置でもなく、「音楽による音楽のためのお通夜」というシニカルで先鋭的な理念を実体化してみせたことが秀逸である。深夜3時間に及ぶ公演が示した強烈な世界観はこれまでの三輪自身の活動を総括するもので、第52回サントリー音楽賞の贈賞にふさわしい。

(白石美雪委員)

<略歴>

三輪 眞弘(みわ まさひろ) 作曲家

 1958年東京生まれ。1978年に渡独、国立ベルリン芸術大学で作曲をイサン・ユンに、1985年より国立ロベルト・シューマン音楽大学でギュンター・ベッカーに師事する。
 1980年代後半からコンピュータを用いた作曲の可能性を探求し、特にアルゴリズミック・コンポジションと呼ばれる手法で数多くの作品を発表。また、様々な分野のアーティストとのコラボレーションに加え、CD制作、著作活動など、その活動は多岐に渡る。
 1985年ハムバッヒャー国際作曲コンクール佳作、1989年第10回入野賞第1位、1991年「今日の音楽・作曲賞」第2位、1992年第14回ルイジ・ルッソロ国際音楽コンクール第1位、1995年村松賞新人賞、2004年オーケストラのための「村松ギヤ・エンジンによるボレロ」で芥川作曲賞、2007年音楽についての独自の方法論「逆シミュレーション音楽」がプリ・アルスエレクトロニカ、デジタル・ミュージック部門でグランプリ(ゴールデン・ニカ)を受賞。さらに2008年美術家マーチン・リッチズとの共作「Thinking Machine」が同賞ハイブリッド・アート部門で佳作入選。2009年フォルマント兄弟として「フレディーの墓/インターナショナル」が再び同賞デジタル・ミュージック部門で佳作入選。また、映像作家の前田真二郎との共同作品、モノローグ・オペラ「新しい時代」(2000年)の再演に対して、2017年に愛知県芸術劇場とあいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールが第17回佐治敬三賞を受賞。
 作品集CDに「赤ずきんちゃん伴奏器」(1995)、「東の唄」(1998)、「新しい時代信徒歌曲集」(2001)、「言葉の影、またはアレルヤ」(2001)、「村松ギヤ(春の祭典)」(2012)など。著書に「コンピュータ・エイジの音楽理論」(1995)のほか「三輪眞弘音楽藝術 全思考1998-2010」により2010年度第61回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。1996年より岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS]、2001年より情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授。旧「方法主義」同人。「フォルマント兄弟」の兄。

以上

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