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ニュースリリース
  • No.sfa0040(2020/4/2)

第51回(2019年度)サントリー音楽賞は河村尚子氏に決定

©Marco Borggreve

 公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤 剛、鳥井信吾)は、わが国の洋楽の発展にもっとも顕著な業績をあげた個人または団体に贈る「サントリー音楽賞」の第51回(2019年度)受賞者を河村尚子(かわむら ひさこ)氏に決定しました。

●選考経過
2020年1月13日(月・祝)ANAインターコンチネンタルホテル東京において第一次選考を行い、候補者を選定した。引き続き2月27日(木)アークヒルズクラブにおいて最終選考会を開催、慎重な審議の結果、第51回(2019年度)サントリー音楽賞受賞者に河村尚子氏が選定され、3月31日(火)の理事会において正式に決定された。

●賞金 700万円

●選考委員は下記の6氏
岡田暁生・片山杜秀・白石美雪・沼野雄司・舩木篤也・松平あかね(敬称略・50音順)


(ご参考)サントリー音楽賞についてはこちら


<贈賞理由>

 いまや優れた日本人ピアニストの名を挙げることは、さして難しいことではない。しかし、河村尚子くらい表情豊かで血の通った音楽を奏でる人がどれくらいいるだろうか。
 彼女の演奏は、周到なまでに構築的な設計がなされているのだが、しかしなにより驚くのは、その土台の上で、猫のような敏捷性に支えられた閃きの数々が、次々と生気に満ちた音楽的瞬間を炸裂させる点にある。どのフレーズも、どのフォルテも、どのクレッシェンドも、はっきりとした意志と感情が込められているから、それを彼女がどう解釈しているのか、どう扱いたいのかが手に取るように分かる。聴き手は、音楽がひとつの運動であることを、「生きている」何ものかであることを、その演奏からあらためて知らされることになるだろう。
 2019年の河村尚子は、ベートーヴェン・ピアノソナタ・プロジェクトと銘打った演奏会シリーズを完結させるとともに、RCAから「ベートーヴェン・ソナタ集1、2」をリリースした。演奏会の中では、「第29番」の弾力性や「第32番」の神秘的な幸福感を、CD録音では「第18番」の可憐さや「第8番」の変幻自在な解釈などを、その豊かな成果の象徴として挙げることができよう。また、新しいレパートリーの開拓という点では、山田和樹指揮NHK交響楽団との共演による矢代秋雄「ピアノ協奏曲」において多彩な音色と鋭敏なリズム感を存分に駆使して、作品の再評価にもつながる鮮やかな演奏を展開した。
 選考会においては、その演奏の「語る」ような性格を委員全員が認めながらも、ベートーヴェンの後期作品の演奏にはまだ彫琢の余地が残されているのではないか等の議論もあった。しかし近年の目覚ましい充実、そしてさらに大きな飛躍の可能性という点において、最終的には意見の一致を見た。
 以上、河村尚子の2019年における音楽活動を、第51回サントリー音楽賞にふさわしい成果と判断するものである。

(沼野雄司委員)

<略歴>

河村 尚子(かわむら ひさこ) ピアニスト

 ハノーファー国立音楽芸術大学在学中、ミュンヘン国際コンクール第2位、さらにクララ・ハスキル国際コンクールで優勝。ドイツを拠点に、リサイタルのほか、ウィーン交響楽団、バイエルン放送交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団などのソリストに迎えられ、室内楽でも、C.ハーゲン(チェロ)とのデュオで知られるほか、M.ホルヌング(チェロ)、R.オルテガ・ケロ(オーボエ)等とカーネギーホール、ウィグモアホールで演奏。日本ではP.ヤルヴィ指揮NHK交響楽団など国内主要オーケストラと共演を重ねる傍ら、ルイージ指揮ウィーン交響楽団、ヤノフスキ指揮ベルリン放送交響楽団、ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団等の日本ツアーに参加。さらに、準メルクル、インバル、ラザレフ、テミルカーノフ他多くの指揮者から度々再演の指名を受けている。
 文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞、新日鉄音楽賞、出光音楽賞、日本ショパン協会賞、井植文化賞、ホテル・オークラ賞を受賞。主なCDに「ショパン:ピアノ・ソナタ第3番&シューマン:フモレスケ」「ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&チェロ・ソナタ」「ショパン:24の前奏曲&幻想ポロネーズ」、「月光」「悲愴」を含む待望のベートーヴェンのCDを2019年4月にリリースし、続けて10月にはベートーヴェンの「熱情」等を収めた最新譜が発売された(RCA Red Seal)。現在、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング芸術大学教授。


以上

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