公益財団法人サントリー文化財団(理事長 鳥井信吾)は、2024年度「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」として、応募総数245件のうち、15件を助成対象に決定しました。助成総額は1,455万円です。
本助成は、人文学、社会科学の分野において、学問的に新しい視点を持ち、社会的にも広がりのある研究を志す、意欲的な若手研究者のサポートを目的としています。助成期間中には、助成を受けた方々が異分野の識者に対して研究報告を行う場を設け、学際的視野を広げる機会を提供します。
本年度の助成対象は、27歳から35歳までの若手研究者15名による、「チャレンジ研究助成」の趣旨にふさわしい意欲的で斬新な研究に決定しました。いずれの研究も、各専門分野において独自の着想に基づくもの、多方面への広がりや発展が見込まれるもの、従来の学問や現代の社会問題に新たな視点を提示するものなど、今後の可能性や将来の飛躍を期待できる内容です。
*選考委員
井野瀬 久美惠氏(人間文化研究機構監事)
大西 裕氏(神戸大学教授)
白石 隆氏(熊本県立大学特別栄誉教授)
張 競氏(明治大学名誉教授)
福岡 伸一氏(青山学院大学教授)
柳川 範之氏(東京大学教授)
*この件に関するお問合せ先
公益財団法人サントリー文化財団「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」係
Tel 06-6342-6221 Fax 06-6342-6220
ホームページ https://www.suntory.co.jp/sfnd/
2024年度 若手研究者のためのチャレンジ研究助成 助成先一覧
氏名 | 所属・肩書き | 研究テーマ | |
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1 | 安齋 詩歩子 (あんさい しほこ) |
東京科学大学大学院環境・社会理工学院 博士後期課程 |
触覚によるファッション研究の更新 ―― アイデンティティ形成と自己の保存の場としての衣服 |
2 | 岩本 一将 (いわもと かずまさ) |
京都工芸繊維大学デザイン・建築学系 助教 |
明治・大正期の関西地方における電気軌道と都市空間開発に関する研究 |
3 | 王 珏 (おう ぎょく) |
東京大学大学院教育学研究科 特任研究員 |
母系社会の中で育つ男児:モソ人家族における男児のジェンダー社会化 |
4 | 大川 柚佳 (おおかわ ゆうか) |
東京文化財研究所文化遺産国際協力センター アソシエイトフェロー |
文化財保存学における修復の分析哲学的定義 |
5 | 大木 エリカ (おおき えりか) |
早稲田大学文学学術院 助手 |
戦間期のラジオと日本近代文学に関する学際的研究 ― 谷崎潤一郎・吉屋信子・長塚節作品のラジオ化分析 ― |
6 | 奥田 弦希 (おくだ げんき) |
東京大学大学院人文社会系研究科 博士課程 |
二重制期ハプスブルク帝国の多宗教・多宗派公認体制と対ムスリム政策:ムスリム住民の法的地位を中心に |
7 | 北川 梨津 (きたがわ りつ) |
コロンビア大学経済学部・ビジネススクール 博士課程 |
企業文化の経済的価値:従業員口コミサイト情報と機械学習を使って企業文化を可視化する |
8 | 斉 崇硯 (せい すうけん) |
東京大学大学院総合文化 研究科 博士後期課程 |
日本の国体論から見る台湾統治の理念と実践:戦間期から戦争期にかけての憲法論議と治安法制をめぐって |
9 | 相馬 尚之 (そうま なおゆき) |
筑波大学人文社会系 助教 |
結晶を主演俳優として ―― 戦間期ドイツ科学映画における鉱物の「(擬)生命化」について |
10 | 竹下 昌志 (たけした まさし) |
北海道大学大学院情報科学院 博士後期課程 |
動物倫理学に基づいた大規模言語モデルの種差別バイアスの評価と緩和 |
11 | 東海林 拓人 (とうかいりん たくと) |
東京大学大学院総合文化 研究科 博士後期課程 |
指導者の経歴が新興民主主義の定着と発展に与える影響:「民主化の闘士」による民主主義の定着と後退 |
12 | 中江 太一 (なかえ たいち) |
ソルボンヌ大学文学部 博士課程 |
植民地化の歴史と無人島小説:生態学的帝国主義からのアプローチ |
13 | 中野 ふくね (なかの ふくね) |
京都市立芸術大学大学院美術研究科 博士(後期)課程 |
文楽人形の型は不変か ― デジタルアーカイブを活用した人形演技の研究 ― |
14 | 藤村 達也 (ふじむら たつや) |
京都大学大学院教育学研究科 助教 |
全共闘世代講師による「予備校文化」の形成 ― ポスト「1968年」の社会運動と市場化する教育 |
15 | 山内 瑞貴 (やまうち みずき) |
大阪大学大学院人文学研究科 招聘研究員 |
ペルシアがつなぐティー・ロード ― 19世紀末中央ユーラシアへのインド茶の流通とその変容 |
(敬称略、肩書きは申請当時、氏名50音順)
以上