公益財団法人サントリー文化財団(理事長 鳥井信吾)は、2022年度「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」として、応募総数218件のうち、16件を助成対象に決定しました。助成総額は1,466万円です。
本助成は、人文学、社会科学の分野において、学問的に新しい視点を持ち、社会的にも広がりのある研究を志す、意欲的な若手研究者のサポートを目的としています。助成期間中には、助成を受けた方々が異分野の識者に対して研究報告を行う場を設け、学際的視野を広げる機会を提供します。
本年度の助成対象は、23歳から33歳までの16名の若手研究者による、「チャレンジ研究助成」の趣旨にふさわしい意欲的で斬新な研究に決定しました。いずれの研究も、各専門分野において独自の着想に基づくもの、多方面への広がりや発展が見込まれるもの、従来の学問や現代の社会問題に新たな視点を提示するものなど、今後の可能性や将来の飛躍を期待できる内容です。
*選考委員
井野瀬 久美惠氏(甲南大学教授)
大西 裕氏(神戸大学教授)
白石 隆氏(熊本県立大学理事長)
張 競氏(明治大学教授)
福岡 伸一氏(青山学院大学教授)
柳川 範之氏(東京大学教授)
*この件に関するお問合せ先
公益財団法人サントリー文化財団「若手研究者のためのチャレンジ研究助成」係
Tel 06-6342-6221 Fax 06-6342-6220
ホームページ https://www.suntory.co.jp/sfnd/
2022年度 若手研究者のためのチャレンジ研究助成 助成先一覧
氏名 | 所属・肩書き | 研究テーマ | |
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1 | 浅利 みなと | 東京都立大学大学院人文科学研究科 博士後期課程 |
コミュニケーションにおける情報遮断的振る舞いの研究 ― 自然主義的観点から ― |
2 | 天野 佑紀 | 京都大学大学院文学研究科 博士後期課程 |
植民地体制下のサハラにおける領域支配の実践と社会変容 ― アルジェリア・サハラの事例から |
3 | 大津谷 馨 | リエージュ大学哲学文学研究科 博士課程 |
中近世環インド洋世界の学術交流:インドに所蔵されるメッカ・メディナ関連アラビア語写本に着目して |
4 | 酒向 渓一郎 | 立命館大学大学院先端総合学術研究科 一貫制博士課程 |
奴隷の人格をめぐる人類学的研究:東スンバの貴族と奴隷の関係を事例に |
5 | 菅沼 起一 | バーゼル・スコラ・カントルム/フライブルク音楽大学 博士課程 |
西洋音楽の加速と音符の遅延化:16~17世紀における記譜法と演奏テンポの変遷 |
6 | 高田 和磨 | 同志社大学大学院法学研究科 博士課程(前期課程) |
戦間期・戦時期における内務省の治安政策(1918~1945年) |
7 | 髙橋 涼太朗 | 東海大学政治経済学部 特任講師 |
戦後日本における所得の平等の達成 ― 1960年代から1970年代の政府間財政関係に着目して |
8 | 武井 槙人 | 北テキサス大学政治学部 博士課程 |
安心供与の国際政治学 ― 国家はいかにして平和にコミットできるのか |
9 | 田中 雅人 | 東京大学大学院人文社会系研究科 博士課程 |
商人共和国レバノンの誕生:戦間期中東における経済改革と脱植民地化 |
10 | 谷口 奈々恵 | 東京大学大学院総合文化研究科 博士後期課程 |
19世紀フランスの「人形(poupée)」をめぐる女性の文化の形成 ── モノと表象の交差点から |
11 | 内藤 碧 | 東京大学大学院人文社会系研究科 博士課程 |
〈誤情報の連鎖的伝播〉を生み出す認知メカニズムの解明 |
12 | 中川 優子 | 東京藝術大学大学院音楽研究科 博士後期課程 |
日本近世中期の音楽思想の研究 ― 享保年間前後における儒学者の音楽論から ― |
13 | 長崎 健吾 | 日本学術振興会特別研究員PD (受入機関:聖心女子大学大学院文学研究科) |
室町戦国期京都における都市民の社会的結合と祭礼 |
14 | 原 朋弘 | 武蔵大学経済学部 専任講師 |
脆弱な社会における民族融和と市場分断の緩和 ― ケニア・ナイロビ都市圏の貧困地区における実証研究 ― |
15 | 深谷 拓未 | 京都大学大学院人間・環境学研究科 博士後期課程 |
味覚をめぐる食の感覚人類学的研究 ── イタリアにおけるワインのメタファーに着目して |
16 | 山本 みずき | 慶應義塾大学大学院法学研究科 後期博士課程 |
政治的急進主義と社会秩序、1932~45年 ― 英国ファシズムの台頭と自由主義の危機 ― |
(敬称略、肩書きは申請当時、氏名50音順)
以上