ノウサギ
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弱い者の生き残り戦略
ノウサギは、本州・四国・九州・佐渡・隠岐 に生息している野生のウサギです。
毛は茶色。ただし、雪国では冬に白く変化します(隠岐は雪が少ないのか、変化しません)。夜行性で、昼間は藪の中などで休んでいることが多いので、滅多に見かけることはありません。
ただ、足跡が特徴的なので、雪が降ったあとなどでは、意外なほどたくさんの足跡に出会うことができます。
食べ物は、草や木の芽、苗木など。油断していると、植樹した苗木をほとんどかじられてしまうこともあります。そのため、林業の世界ではやっかいもの扱いされることもあります。
ペットで飼われているアナウサギとは違い、巣穴は掘らず、昼間は藪の中などで休んでいて、夜になると、半径数百メートルの範囲を動き回って生活しています。
群れをつくらず、単独行動。オス・メスのペアもつくりません。メスは複数のオスと交尾します。妊娠期間は45日前後。1度に平均2頭の子供を産みます。温暖な地方では、1年中交尾ができるため、年間に10頭ほどの子供を産むことができます。
子育て中の母親は、1回に数分の授乳以外は、ほとんどの時間を子供から離れて過ごします。ずっと一緒にいると、かえって天敵から狙われやすくなるのでしょう。
子ウサギの目は、生まれてすぐ見えるようになります。そして、わずか1週間で親と同じ餌を食べられるようになり、1カ月ほどで独り立ちし、10カ月後には、繁殖に参加するという超スピードの成長を誇ります。
シカが天敵?
天敵は、キツネやテン、イタチ等と、クマタカやイヌワシ、トビ等の猛禽類です。ノウサギには、天敵に対抗する武器がないため、長い耳をつかって常に回りの気配を警戒し、天敵が近づくと、いち早く逃げ出します。「脱兎のごとく」という言葉があるように、逃げ足のスピードは、時速80キロともいわれています。足跡を観察していると、急旋回したり、横跳びに逃げるような様子も見られます。そうやって四六時中警戒したり逃げ回ったりしても、やはり天敵につかまってしまうことも多いため、寿命は1~2年。長くても4年程度だろうと推測されています。ノウサギが、年中繁殖でき、生まれた子供があっという間に独立できるのも、天敵にどんなに食べられたとしても、種として生き残るための対抗手段なのでしょう。
ところが、近年、日本中で大繁殖しているシカが、ノウサギにとっての最大の脅威になってしまいました。
シカが増えている森では、ノウサギが好むような植物が真っ先に食べられてしまうのです。肉食の天敵なら、なんとか食べられるのを回避すれば、生き残ることもできますが、餌がなくなってしまえば、どうにもなりません。実際、全国の「天然水の森」でも、ノウサギの痕跡を見つけることがどんどん難しくなってきています。
そのため「天然水の森」の一部では、シカ柵の下部の網目を大きくして、ノウサギなどの少動物が出入りできるような対策をとっています。柵の中にノウサギのフンを見つけた時には、「天然水の森」のスタッフは、ほっと胸をなでおろしたりしています。









