天然水の森 奥多摩
この森は、「サントリー 〈天然水のビール工場〉 東京・武蔵野」と「サントリープロダクツ(株) 多摩川工場」の水源涵養エリアに位置しています。
このページでは「天然水の森 奥多摩」の取り組みをご紹介します。
シカの採食圧対策
コロナ禍以前まで、この森には、適度な数のシカしかいませんでした。そのため、渓流沿いの林縁には、3種類のアジサイが次々に花をつけ、登山者の目を楽しませてくれていました。6月にコアジサイ、7月にヤマアジサイ、そして8月にタマアジサイ。その美しい遷移は、動画でご覧いただけます。
ところがコロナ禍で森に入ることができない日々が続いている間に、外から飢えたシカの群れが押し寄せてしまい、あっという間に、3種類のアジサイを食べ尽くしてしまいました。
食べられたのは、アジサイだけではありません。シカの食害に弱く、数回食べられただけで枯れてしまうスズタケという笹も、甚大な被害を受けました。そこで私たちは、渓流沿いのアジサイエリアと、奇跡的にスズタケが残っている斜面、そのほか、シカが好んで食べる植物が生えている区画を探して、大急ぎで柵で囲みました。
柵の中では、幸いアジサイやスズタケの復活も見られ始めています。
人工林の間伐と土留め
この森は、大滝という名前の、文字通り大きな滝の上流沿いにあるため、車が走れる道から森に入るための作業道をつけるルートが見つかりませんでした。つまり、せっかく育ったスギやヒノキなどを運び出すことができない状態の森なのです。
それにもかかわらず、結構な面積でスギやヒノキ、カラマツなどが植栽されています。
材木になる太さまで育っても運び出すことができないような場所に、なぜこんなにたくさんの針葉樹を植えてしまったのか・・・。実は、このような森が全国いたるところにあります。
材木としては利用できない状態ですが、放置すれば、木と木の間が込み合って、地面が真っ暗になり、草一本生えなくなってしまいます。そうなると、激しい土壌流出が起こり、最悪の場合は、斜面全体が崩れてしまいかねません。
そこで私たちは、数年に一度、定期的に間伐を繰り返し、伐った木を等高線状に並べて、土壌流出を防ぐための土留めに使っています。土留めにするにはもったいないような良材ですが、森を健全にするためには、少々の贅沢は仕方ありません。それに、これらの木は、数十年後にはキノコの菌に分解され、ふかふかになって土を肥やしていきます。倒された直後には土を守り、最後には土に戻っていくのです。
「天然水の森 奥多摩」に関わりのある製品
「ザ・プレミアム・モルツ」に代表されるサントリーのビール類には、「天然水の森 奥多摩」などで育まれた良質な地下水(=天然水)が使われています。自然の恵みをそのままに、おいしさと安全性にこだわった製品をお届けしています。
協定地の詳細情報
- 所在地
- 東京都西多摩郡檜原村字大嶽
- 面積
- 約54ha
- 協定年月
- 2010年4月
- 協定期間
- 30年
東京都あきる野市が推進する「共生・協働の森」に参画し、森林整備協定を締結。
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