お知らせ
掲載日:2025/10/29|熊本
熊本県天草市で西洋古楽器の演奏を行う「コレジヨの仲間」が、第47回「サントリー地域文化賞」を受賞しました。古楽器を持ち帰ったとされる天正(てんしょう)遣欧使節団の少年たちが生きた当時の音楽を通じて、天草の歴史や文化を地域内外に伝える活動が評価されました。
■「サントリー地域文化賞」とは
※贈呈式の様子
サントリー文化財団が、全国各地で展開されている芸術、文学、伝統の保存・継承、衣食住での文化創出、環境美化、国際交流などの活動を通じて、地域の文化向上と活性化に貢献した団体、個人に、毎年贈呈している「サントリー地域文化賞」。1979年の創設以来、第47回の受賞者を加えると250件を顕彰しています。
■キリシタン文化が花開いた歴史ある地に響く西洋古楽器 
※フィリピンマニラ市の世界遺産「聖アグスティン教会」での演奏
熊本県の天草下島(しもしま)南部に位置する天草市河浦町(かわうらまち)には、﨑津天主堂をはじめキリシタン文化の遺産が数多くあります。天正19(1591)年には、この地に神学校「天草コレジヨ」が開かれ、グーテンベルク印刷機で「天草本」が印刷されるなど西洋文化が花開きました。
それから400年以上の時を超え、ここで西洋古楽器の演奏をおこなっているのが「コレジヨの仲間」です。
1990年に開館した河浦町立(現天草市立)天草コレジヨ館では、天正遣欧使節団の少年たちが日本に持ち帰った古楽器を復元展示しています。現代表の松村文美代(まつむら ふみよ)さんら近隣住民が、それら古楽器を有志で来館者に演奏していたのが活動の始まりでした。2009年に福岡市で開催されたコンサートへの出演オファーを機に、「コレジヨの仲間」が誕生しました。
今では「コレジヨの仲間」は天草の歴史と魅力を発信するうえで欠かせない存在となっています。熊本市内で「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界文化遺産登録1周年におこなわれたシンポジウムや、熊本空港での航空便就航式にも出演しました。活躍の場は地域の外にも広がっており、天草コレジヨ館での演奏に感動した方からの招待を受けて、フィリピン公演も行いました。
■西洋古楽器の音色を未来につなげたい
※天草市と友好交流都市連携協定を結ぶ北海道浦河町の小中学生との
天草コレジヨ館での交流
現在、「コレジヨの仲間」が特に力を入れているのが、地元の子どもたちとの楽器を通じた交流。「使節団の少年たちが生き抜いた時代を、当時の音色から想像してほしい」という思いで、天草市内の小中学生が校外学習で天草コレジヨ館を訪れる際には、演奏を聴き、楽器に触れてもらう活動を続けています。
古楽器をより身近に感じてもらえるよう、将来的には子どもたちが演奏するリコーダーとともに、アンサンブルを行うことも計画中。天草に響く西洋古楽器の音色は、地域の歴史とともにこれからも受け継がれていきます。
これからもサントリーは、日本の地域文化を応援していきます。
▼関連リンク
・サントリー文化財団「地域文化賞」のサイト
・第47回「サントリー地域文化賞」決定(ニュースリリース)
| 対象都道府県 | 熊本 |
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