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研究助成

成果報告

2004年度

欧州憲法によるEU統合の新段階と国際公共政策

早稲田大学政治経済学部教授
福田 耕治

1. 研究の目的と課題
 本研究は、EUにおける欧州憲法条約の形成過程とその分析、EU統合の新段階を示す政治経済社会制度の設計状況を明らかにすることにあった。EUとその加盟各国間の政策協調と紛争処理制度の設計、および国際社会におけるEUの役割と各種のEU国際公共政策の刷新状況を検討し、評価 を行うことを課題とした。欧州統合の動態を、理論的かつ実証的に研究し、グローバルガバナンスのモデルとして、新たな段階を迎えたEUとその加盟国の統治機構やEU国際公共政策と加盟国内公共政策との連携を図る「欧州ガバナンス」もしくは「欧州政体」(Euro-polity)のあり方を検討し、今後の欧州統合の行方を探った。

2. 研究の経過・進捗状況と成果
 EUという民意反映型合意形成制度に関する理論分析と実証・実験: 集合的意思決定過程への政治経済的な影響力行使に関する実証・理論分析という研究課題を達成するため、本研究グループでは、「欧州憲法条約における政治経済体制刷新と国際公共政策のセクター別の考察」をテーマとして、EUを事例とした国際公共財の創出のための政治経済制度と国際・国内公共政策の連携・協力のあり方について、各国の統治構造、政治経済法制度のあり方にも留意して共同研究を行った。特に、「EUにおける国際公共政策と開かれた政治経済制度」の特質を明らかにする観点から、12回の研究会やワークショップ・国際シンポジウム・セミナー、講演会などを開催した。11月29日(日)-12月3日(金)、研究代表者がベルギー・ブリュッセルのEU本部で開催された世界EU学会7th ECSA-WORLD Conference に出席し、また欧州委員会等で、関係者に面接調査し、資料収集を行い、EU共同研究体制の基礎を固めた。

3. 研究成果・研究期間(1年間)に公刊の業績
福田耕治 欧州憲法条約とEU社会政策における『開放型調整方式(OMC)』」『同志社大学ワールドワイドビジネスレヴュー』2005年1月、第6巻1号、「EUの東方拡大と地域・構造政策」『地域主義の国際比較』 早稲田大学 現代政治経済研究所研究叢書22、早稲田大学出版部、2005年7月
眞柄秀子 "Anti-system Parties and the Quality of Democracy: Protracted Democratic Consolidation in Postwar Italy." Waseda Journal of Political Science and Economics、Vol. 355、2004
須網隆夫 「EU条約と欧州の将来像に関する諮問会議」(ジャン・ヴィクトール・ルイ著・須網訳)早稲田大学比較法研究所機関誌『比較法学』第38巻第1号241-362頁
西原博史 「立憲主義において国家を縛るもの」藤田宙靖・高橋和之編 (樋口陽一先生古希記念) 『憲法論集』創文社2004年
他の共同研究者をも含めた研究の成果は、福田耕治編 『EU憲法条約と欧州統合の行方』(早稲田大学出版部)現代政治経済研究所研究叢書として出版を予定(決定済み)しており、その刊行が今後の課題となる。

(敬称略)

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