このチーズに合うワイン

今回は約18ヶ月熟成してつくられた「エティヴァ」を用意しました。
「とてもしっかりした味でコクが感じられますね。」
「薪由来の香ばしさがあるね。」
「何だか高菜漬けや味噌を連想させる和の風味を感じるね。」
「味が濃厚なので寒い季節にゆっくり楽しむにはおすすめのチーズですね。」
という感想が挙がる中でワインとのマリアージュが始まりました。
色々とテイスティングを進めていく中で、白羽の矢が立ったのが「チェレット モスカート ダスティ」です。

チェレット社の起源は、先代リッカルド・チェレット氏が1930年代後半にピエモンテ地方アルバ地区に創立したワイナリーに遡ります。1960年代に、彼の息子であり現在の経営者であるブルーノ・チェレット氏とマルチェロ・チェレット氏が家業を引き継ぎました。大きな醸造所を持たず、最上の畑にこだわり、各醸地毎に醸造するというスタイルで、現在バローロ、バルバレスコのつくり手として名声を馳せています。

その中で「チェレット モスカート ダスティ」はピエモンテ州アスティ県産のモスカート種からつくられる微発泡性のやや甘口の白ワインです。輝き透明感があり、色調はややグリーンがかった淡いイエロー。粘性は中程度。香りは華やかでフレッシュな印象とともに、よく熟した白桃のニュアンスも感じられます。口に含むと、舌の上で泡が心地よく弾け、生のマスカットをそのまま口にしたようなほのかな甘さが広がります。アルコールは5.5%と控えめで、全体的に軽やかな印象です。

「エティヴァ」と「チェレット モスカート ダスティ」を合わせてみたところ、
「ワインの甘い後味の中で、チーズとワイン双方の酸味がバランスよく感じられ、お互いを活かす組み合わせになりますよ。」
「私は今までこのチーズには辛口ワインばかり合わせていたけれど、今回のようにフルーティーな風味のワインを合わせるとチーズの塩味が緩和されて、チーズのフルーティーさが引き出され心地よいですね。」
との声が挙がりました。

本場スイスの「エティヴァ」の山小屋では、朝4時や5時頃から乳搾り、チーズ製造がひと段落するとちょうど10時頃になります。そんな時、薪の残り火で沸かしたお湯で淹れたシナモンティーにたっぷりのお砂糖や蜂蜜を入れて「エティヴァ」をおやつに楽しむ習慣があるそうです。このことからもしっかりコクのある「エティヴァ」には少し甘めのワインが良く合うのかもしれません。

「エティヴァ」に合うもう1つのおすすめとしてメンバーが選んだワインは「ファルケンベルク <マドンナ> アウスレーゼ」です。
1908年リープフラウミルヒ(※)の元祖であるファルケンベルク社は自社のワインを聖母教会にちなんで「マドンナ」と名付けました。それから100年が経った今も伝統あるワインの威厳と品質を守っているつくり手となっています。「ファルケンベルク <マドンナ> アウスレーゼ」の産地はドイツのライン河の左岸、ラインヘッセン地域のヴォルムス。ブドウはミュラー・トゥルガウ、ケルナー、シルヴァーナー、リースリングを混醸してつくられます。人気の「マドンナ」シリーズの中でも上級品のアウスレーゼは、普通のワインよりずっと糖度の高い完熟した房を厳選して醸してつくられる高級デザートワインです。フルーティーな味わいが特徴で、完熟したリンゴの蜜のような深い味わいをもち、食後のワインとして楽しまれています。

メンバーからは
「チーズと合わせることで、糖度の高いブドウを使用したマドンナの甘さがより際立つね。」
「チーズの凝縮感のある香りにより、ワインの完熟度合がより際立って感じられるのが面白い。」
とコメントが挙がりました。

ぜひ皆様もこの冬の寒い時に、濃い味わいの「エティヴァ」と甘口ワイン「チェレット モスカート ダスティ」や「ファルケンベルク <マドンナ> アウスレーゼ」との組み合わせで、心と体をほっこり温めてみてはいかがでしょうか。

※「聖母の乳」を意味し、ドイツで大量生産されているポピュラーな白ワイン

1st

チェレット モスカート ダスティ

チェレット
モスカート ダスティ

イタリア
ぶどう品種 モスカート

自然な甘味が心地よいフルーティーな風味で、アルコール度も5%と軽やか。食後のデザート、あるいは午後のひとときに最適です。

2nd

 

ファルケンベルク
<マドンナ>アウスレーゼ

ドイツ
ぶどう品種 ミュラー・トゥルガウ、ケルナー、シルヴァーナー、リースリング

人気の「マドンナ」の上級品。アウスレーゼとは「房選り」の意味。完熟して糖度の高まった房を厳選して醸した高級デザートワインです。