この料理に合うワイン

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1st

サントリーフロムファーム 登美の丘 甲州 

サントリーフロムファーム 登美の丘 甲州

国 日本
ぶどう品種 甲州

 今回のレシピは、かぼちゃのニョッキ セージバターソースです。ニョッキはイタリアのパスタの一種で、世界中で広く食べられています。イタリア語ではgnocchiで、起源はローマ時代に遡り、その頃は小麦粉と水のシンプルな生地で作られていました。ニョッキという言葉は、おそらくロンバルド語のknohhil(木の節)に由来しています。ロンバルド語は北イタリア(ロンバルディア州のほとんど)から南スイス(ティチーノ州、グラウビュンデン州)で話されている方言の名前で、ロンバルディア語と呼ばれる事もあります。現代のニョッキで、イタリアで最もポピュラーなものはジャガイモで作られ、水と小麦粉を混ぜたシンプルなものです。セモリナ粉で作られたものは「ローマンスタイル」と呼ばれています。また、かぼちゃやトウモロコシ粉を使うものもあります。かぼちゃは漢字では南瓜で、ウリ科カボチャ属に属する果菜の総称です。原産地はアンデスから、メキシコおよび中央アメリカ北西部の事を指すメソアメリカと言われています。そこから南と北アメリカ大陸に徐々に広がっていき、南北で性質が少しづつ異なる様になりました。人類が栽培を開始したのはペルーで今から6000年くらい前というのが定説でした。ペルーの、その時代の遺跡出土品にかぼちゃの絵が書かれていたからです。遺伝子解析からの推測では、栽培を開始した時期は今から8000年くらい前だとされています。ウリ科には沢山の野菜や果物が含まれています。キュウリ、ズッキーニ、カボチャ、ヒョウタン、ヘチマ、トウガン、下剤に使うテッポウウリ、かんぴょうの材料であるユウガオ、ニガウリ、スイカやメロンです。カボチャ属の栽培品種は主に5種類で、セイヨウカボチャ、ニホンカボチャ、ペポカボチャ、グレーシードカボチャとクロダネカボチャです。基本的には蔓性植物でぐんぐん伸びます。家庭菜園とかで、その伸びを計算に入れて植えないと、とんでもなく場所塞ぎになります。1つの苗から雄花も雌花も咲く雌雄同株で、黄色から橙色の5弁の花を付けます。かぼちゃを日本に伝えたのは1541年のポルトガル船であると言われています。その当時は、かぼちゃとは呼ばれず、ボウブラと呼ばれていました。これはポルトガル語で「カボチャ」や「ウリ類」を意味する「abóbora(アボボラ)」が転じてボウブラになったものだと推測されます。かぼちゃの名前が広まったのは、元和年間(1615年から1624年)に薩摩にカンボジアを経由して運び込まれて以降です。カンボジアから来たので「かぼちゃ」の名前になったと言われています。漢字の南京は中国語の漢字表記をそのまま使ったものです。日本で流通しているかぼちゃは、この九州に伝わった、南米系の要素が強い日本かぼちゃと1863年に北米から伝わった西洋かぼちゃの2種類です。日本かぼちゃの代表は、黒皮かぼちゃや菊座かぼちゃで、西洋かぼちゃの代表選手はえびすかぼちゃや黒皮栗かぼちゃです。
 さて、ニョッキです。かぼちゃは種をのぞいて火を通してマッシュします。粗熱がとれたらボウルにかぼちゃを入れ、卵黄を混ぜます。塩、小麦粉を少しずつ加え、耳たぶ固さになるまでこねるのですが、かぼちゃによって水分量がだいぶちがうので、小麦粉を加えるときは様子をみながら少しずつ加え混ぜることがとても大切です。全体がまとまったら棒状にのばし、2cm長さほどに切って打ち粉をまぶして湯掻きます。たっぷりの湯を沸かし、塩分濃度はお好みで1%から2%が目安です。ニョッキが浮かんで来たら笊に取り、セージをバターで焦がさないよう炒めて、そのソースを絡めたら出来上がりです。セージ(英: sage)は、広義にはシソ科アキギリ属の植物ですが、狭い意味では、ハーブとしての香りの良さや薬効が期待できるものを指しています。学名はSalvia officinalisで、秋に真赤の花を咲かせるサルビア(ヒゴロモソウ)(英: salvia)とは、シソ科アキギリ属(学名: Salvia splendens)なので、かなり近い親戚です。ちなみにハーブのセージは青紫からピンクの花を付けます。セージに含有している成分はツヨン、シネオール、リナロール、リモネン、カンファー、ボルネオール、α-ピネン、カリオフィレンなどです。
 さて、このかぼちゃのニョッキ セージバターソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはサントリーフロムファーム 登美の丘 甲州でした。マリアージュ実験に使ったのは、2024年ヴィンテージです。登美の丘ワイナリーは1909年(明治42年)登美農園として開園しました。100年以上の歴史があり、自園の畑でぶどう栽培・醸造・熟成までを行います。現在の住所は山梨県甲斐市大垈です。甲斐市は旧巨摩郡の一部です。旧巨摩郡は巨大なエリアで、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市、荒川以西の甲府市の一部、笛吹川以北の中央市の一部、中巨摩郡と富士川以西の南巨摩郡の一部を占めていました。登美の丘は、その名前の通り、丘を登っていくと美しく富士山が見える所で、昔は登美村でした。登美村は巨摩郡北山筋山中十二箇村の一つで、十二箇村は杣(そま)御用をする村々でした。杣御用とは寺社の建立など大規模な建設に使う材木の伐採地として指定された山林のことです。甲斐市の教育委員会には北山筋山中十二箇村共有文書箱・袱紗(書跡)として古文書25点が保管されています。造営した寺社は、現在の甲府市和田町の法泉(ほうせん)寺や甲府市下積翠寺町の興因(こういん)寺などです。登美の丘の敷地内にも、伐採痕跡のあるコナラ、エノキ、クヌギなどの巨木があります。登美農園として開園した1909年当初から甲州ぶどうの栽培の記録はあります。日本では7回のワインブームが来た、とされていますが、1978年から始まる第2次ワインブームは1000円ワインブームとも呼ばれ、サントリーではレゼルブを発売し人気を博しました。テレビCMでナスターシャ キンスキーさんやとんねるずさんを起用したりしました。甲州は、まさにこのレゼルブの白の主要原酒だったのです。ほんのりと甘い味わいを残したワインは飲みやすく、とても人気でした。この頃の醸造技術では、甲州を辛口に仕上げると「ぺらぺらで味のしないワイン」になってしまうのを、甘さを残す事で美味しく仕上げたのです。甲州ワインの味に革命を起こしたのは1983年にシュール・リーを使った醸造方法が確立された事です。これにより酵母が分解してできるアミノ酸の旨味によって、辛口に仕上げてもぺらぺらにならずに、しかも出汁などの旨味との相乗効果が生まれるようになりました。もうひとつ、甲州に味の変革をもたらしたのが2004年のボルドー大学の故富永教授とメルシャンさんによる「柑橘系強調甲州」いわゆる「きいろ香」です。この技術を使うと、台風の接近などで、完熟よりも早いタイミングで収穫せざるを得なかった甲州からでも、安定して良い香りのワインにする事が出来ます。サントリーも新しい醸造技術を使って試験醸造をしました。確かに香り豊かな甲州ワインが出来ました。でも、食事と合わせると、果実の未熟さが表に出て来ました。我々が思い描く「甲州ワインのスタイル」よりも、食べ物とのストライクゾーンが狭かったのです。サントリーは自社ぶどう園の強みを生かして、自分達がリスクを取って完熟させる甲州を目指す事にしました。2000年代後半には、世界一濃い甲州を目標にしていろいろな醸造技術にもトライしました。かなりの手応えは感じたのですが、もう一歩、理想には届いていない気がしました。やはりぶどうそのものの熟度や完成度を上げるしかない・・・と、道を模索しました。元々、登美の丘ワイナリーはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ主体にボルドーブレンドの赤ワインで世界を目指したワイナリーでした。甲州で世界を目指すには、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロが植わっていたような良い区画で甲州を栽培するしかない、と思い至り2014年から一番良い区画に甲州を植えました。また、山梨の果樹試験場が開発したKW01、KW02やKW05と言った優良選抜クローンも植えていきました。こういった努力の積み重ねで徐々にぶどうの完熟度を上げていくことに成功し、2022年ヴィンテージで、「登美」を名乗る事が出来る品質の甲州に到達しました。この登美 甲州はデキャンタ・ワールド・ワイン・アワード(DWWA2024)で最高賞「BEST IN SHOW」 獲得しました。「BEST IN SHOW」はワイン出品数18,000点にも及ぶワインの中からトップ銘柄50アイテムにだけ与えられる最高賞です。この「BEST IN SHOW」は日本ワインとして史上初めての受賞であり、もちろん甲州のワインとしても初めての受賞でした。サントリーが自社管理にこだわり、完熟にこだわり続けた事が「間違っていなかったのだ!!」と確信できた受賞だったのです。
 2024年の春は比較的暖かく、5-6月は降水量が多く、梅雨明けまでの降水量は昨年比で2倍程度となりました。7月末から順次ヴェレゾンを迎え、8月の上中旬はとても暑かった2023年よりも更に2.0℃近く気温が高い年でした。グラスからは、ライラックの花や瑞々しい白桃、王林りんごなどを連想させる広がりのある甘い香りと、ほんのりとスパイシーさが漂います。和の柑橘の印象もあります。膨らみのある果実と、しなやなテクスチュアがあって、伸びのある綺麗な酸味のワインです。とてもキメ細かく、上品でエレガントさのあるワインに仕上がりました。かぼちゃのニョッキ セージバターソースと合わせると、かぼちゃの甘やかで力強い味わいと登美の丘 甲州の凝縮感とが、上手くバランスしています。軽やかにバランスしているのでは無く、かぼちゃの素朴な力強さと甲州の上品ながらぎゅっと凝縮した力の有る味わいとの、力と力のバランスです。
「かぼちゃの味わいが、とても深いです。その味わいに全く負けない甲州なのですね」
「ソースにバターを使っているので、もっと明確な樽のニュアンスのワインが合うかと思ったら、登美の丘の甲州がイチオシなんですね。ちょっと驚きました」
「セージの強めの個性ある香りに、甲州は負けていません」
「甲州が品種として持っているフェノリックスな所がプラスに働いているのでしょうね」
「とても秋らしいマリアージュです」
 これから、かぼちゃがどんどん美味しくなります。美味しそうなかぼちゃを見掛けられましたら、是非かぼちゃのニョッキ セージバターソースの事を思い出してください。そしてサントリーフロムファーム 登美の丘 甲州との素敵なマリアージュをお楽しみください。

 2位に選ばれたのは、サントリーフロムファーム 塩尻 メルロ ロゼでした。このワインはサントリーの長野県塩尻市にあるサントリー信州塩尻ワイナリーの看板品種であるメルロで醸すロゼワインです。今までサントリー塩尻ワイナリーと呼んでいたのですが、今年の9月1日に名称変更して、サントリー信州塩尻ワイナリーに生まれ変わりました。塩尻 メルロ ロゼは、元々はトップキュベの岩垂原 メルロや塩尻 メルロの赤を濃くするためのセニエで抜き取った果汁を発酵させて作っていました。ワインの色や香りの要素は果皮に多く含まれていますから、破砕した果汁から液を一部抜く事で、果皮の比率を高めて、そうする事でより濃い赤ワインを醸造します。引き抜いた液は、元々岩垂原 メルロや塩尻 メルロになる、とても素性の良い果汁ですので、そのまま発酵させてロゼにしていました。近年、ワイナリーでは、ぶどうにストレスをかけない為に出来るだけポンプを使わないジェントルハンドリングを強化しています。厳重に選果した粒をそのままベルトコンベアでタンクに投入しピジャージュして発酵と醸しをするタンクもあります。そういうタンクからはセニエで果汁を抜く事ができません。なので、メルロを白仕込みして醸すロゼも作って、セニエのロゼと合わせて、この塩尻 メルロ ロゼにしています。マリアージュ実験に使用したヴィンテージは2025年です。2025年の春先は一時的な低温や降雨があったものの、霜害もほぼ見られず、生育は安定して開始しました。6月以降は高温・少雨傾向となり生育が加速しました。夏季も高温乾燥が続き、病害の発生は少なかったです。秋も健全な状態を維持したまま成熟が進み、収穫時期を見極めることが可能でした。じっくりと待つ事で、種までよく熟した高品質なぶどうが得られたグレートヴィンテージとなりました。グラスに注ぐと、美しいサーモンピンクです。白桃やさくらんぼ、レモンなどフレッシュな果実の印象が感じられます。アタックに適度なふくらみがあり、酸味とのバランスもとれた味わいです。穏やかに広がる旨味がフィニッシュまでなめらかに続きます。可愛らしい外観とは裏腹に、厚みもあって、しっかりとした味わいのロゼワインです。かぼちゃのニョッキと合わせると、しみじみと美味しい組み合わせです。かぼちゃの身の部分の甘やかさと、皮の緑のタッチがニョッキにあるのですが、ロゼと合わせると、緑の部分が心地良く強調されます。「かぼちゃってウリの仲間なんだなぁ・・・」と、ウリ的な側面がある事を再認識させてくれました。料理とワインの余韻とが「ゆるゆると伸びていく」、まるで「心が穏やかになるようなマリアージュ実験」でした。

2nd

サントリーフロムファーム 塩尻 メルロ ロゼ 

サントリーフロムファーム 塩尻 メルロ ロゼ

国 日本
ぶどう品種 メルロ

 3位に選ばれたのは、赤玉プレミアムブレンデッドワインでした。サントリーの祖業はワインです。創業者である鳥井信治郎が1899年に鳥井商店を立ち上げました。鳥井信治郎のものづくりの精神は、赤玉でもウイスキーでも一貫しています。決してお手本である輸入品をなぞるだけではありません。日本人の嗜好に合わせ、日本人の生活に馴染む、日本ならではの新しい酒の愉しみを提供し続ける"ブランド"になる事を目指しているのです。さて、日本人にとってのワインです。日本人には、最初は本格的な辛口ワインは美味しいとは思ってもらえませんでした。しかし1963年の東京オリンピック、1970年の大阪万博を経て、徐々に、本格的な辛口の味わいに馴染むようになりました。その後何度ものワインブームを経て、ワインを深く理解し、深く愛するワインラバーも増えました。でも、大多数の日本のお客様は、ワインに詳しくはありません。スーパーの店頭にも「ワイン選び」が出来ずに路頭に迷ってしまっているお客様が沢山いらっしゃるのを見掛けます。そこで私たちは、原点に戻って「日本人の味覚に合うワインをつくる」道を模索し、昨年、赤玉 プレミアムブレンデッドワインを発売しました。赤玉ポートワインから発展し広がってきた多様な原料酒とブレンド技術を集結して、サントリーにしか作れない味わいを実現したのが、この赤玉 プレミアムブレンデッドワインなのです。かぼちゃのニョッキ セージバターソースは「かぼちゃの甘みが前に出る」事を鈴木薫先生が意図してレシピを作っています。今回、マリアージュ実験に準備した16種類のワインの内、赤ワインは5種類ありました。かぼちゃのニョッキと合わせて見ると辛口の赤ワインは、かぼちゃのニョッキの甘さを受け止め切れずにアンバランスになっていました。赤玉 プレミアムブレンデッドワインはワインサイドに甘みがあるので「甘さの同一性原理」で自然に馴染んでいました。セージの強いハーブ感も、様々な原酒が使われている赤玉は、その様々な要素が共鳴し、調和していました。過去のマリアージュ実験でも赤玉 プレミアムブレンデッドワインが活躍した料理は、里芋のスパイスフリットであったりタイ風熊カレーだったり、スパイスやハーブの効いた料理が多く見られました。スパイスやハーブの効いた料理との相性の良さという、赤玉 プレミアムブレンデッドワインの新たな一面を知るマリアージュ実験でした。

3rd

サントリー 赤玉 プレミアムブレンデッドワイン 

サントリー 赤玉 プレミアムブレンデッドワイン

国 日本
ぶどう品種 非公開

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