この料理に合うワイン

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1st

サントリーフロムファーム 高山村 シャルドネ 

サントリーフロムファーム 高山村 シャルドネ

日本
ぶどう品種 シャルドネ

今回のレシピは、ゆり根とブッラータチーズと粗びき黒こしょうです。食用にするゆり根は、コオニユリ、オニユリ、ヤマユリ、カノコユリの4種類のユリの球根です。ユリはユリ目ユリ科ユリ属の多年草の総称です。基本的に球根から育つ草本性の属で、どの種も大きくて目立つ花を咲かせます。ゆり根はユリの地下にある可食部なのですが、ゆり根に関しましては2023年01月中旬掲載の「ゆり根と甘栗とレンコンと紫玉ねぎのアヒージョ」の記事で詳しく解説しておりますので、ゆり根について、お知りになりたい方は、バックナンバーをご参照ください。もうひとつの主素材はブッラータチーズです。料理写真の、おでんの巾着袋にそっくりな白い袋がブッラータチーズで、比較的新顔のチーズです。ブッラータチーズの"burrata"は「バターのような」と言った意味合いです。作られ始めたのはプーリア州のアンドリアです。プーリア州はイタリアをブーツに例えた時の踵部分で、州都はバーリで、州のほぼ中央の海岸沿いにあります。アンドリアはバーリから直線距離で40km程、西に行った丘陵地にある都市で、郊外には13世紀に丘の上に建てられた珍しい八角形の城であるカステル デル モンテもあります。市街地を離れると、牧草地とオリーブ畑やぶどう畑が集まっている丘陵地で、チーズ作りが盛んなところです。I.G.P. 認定のチーズであるブッラータ ディ アンドリアは、1920年頃にヴィンチェンツォとロレンツォ・ビアンキーノ兄弟によって発明されたと言われています。ある冬、大雪のため、牛乳を市街地に運ぶ事ができませんでした。どうしようか?と、思いあぐねているうちに、自然に生クリームやバターが表面に浮かんできました。容器の底の方には、チーズになりかけのカードがありました。カードを何とかしてチーズにしようとして、練っていると、長く伸びる「パスタフィラート」と呼ばれる状態になりました。表面に浮かんでいる生クリーム状のチーズの赤ちゃんやバターも無駄にはしたくなかったので、伸びる生地で袋を作って生クリーム状のチーズの赤ちゃんやバターも一緒に詰め込んだのです。こうしてブッラータチーズが誕生した、と言われています。さてもうひとつの隠れた主役がオリーブオイルです。油には植物性油脂と動物性油脂とがあります。人類が油を油として利用し始めたのは動物性油脂が先だと思われます。狩りで得た動物の、脂の多い部分を焼くだけで脂は滴り落ちてきます。ただ、動物性油脂がいつから油として利用されたのか?を考古学的に確定する事は困難です。遺跡に動物性油脂の痕跡が見つかってもそれが、単に肉を焼いたときに滴ったのか油脂を集めて利用する為なのかが判別つかないからです。集めた油脂を利用するには、あまり油がしみこまない容器が必要です。木を石器で削っても、人工的な窪み位は作れますが、容器となると、土器のように自由に形が作る事が出来ないと不可能です。なので、動物性油脂の油としての使用開始時期は土器が使われ始める頃、つまり1万年から1万5千年くらい前ではないだろうか?と推測されています。一方、植物性の油脂は、なんらかの搾油機が必要ですので考古学的には、使用開始時期の特定がし易そうではありますが、それでも諸説あります。主流となっているのは5千年くらい前のエジプトのオリーブオイル説ですが、7千年くらい前のイスラエルのオリーブオイル説、小アジアのココナッツオイル説など、いろいろあります。さてオリーブです。オリーブは、モクセイ科オリーブ属の常緑樹です。漢字では阿列布や阿利襪と表記されます。トルコあたりが原産地と推測されていますが、地中海一帯に自生もしており、栽培は6千年くらい前からと推測されています。オリーブオイルはそのオリーブの実を搾って油にしたものです。オリーブオイルの分類は、国際オリーブ理事会(International Olive Council通称IOC)の分類を一般的には使います。IOCってスポーツの祭典を仕切る団体の略称と一緒ですよね。その分類ですが、まず大きく2つに分けます。オリーブの実を搾って作る油と、その搾りカスから溶媒や物理的な手法を使って作る油の2つです。前者が「広義のオリーブオイル」と呼ばれ、後者がオリーブポマースオイルと呼ばれて、比較的リーズナブルな価格で販売されています。広義のオリーブオイルは、更に精製の有りと無しとでバージンオイルと精製オイルに分けられ、バージンオイルと精製オイルを混ぜたオリーブオイル(狭義)もあります。バージンオイルを搾るには物理的や機械的な方法しか使うことが許されていません。そしてそのバージンオイルの中で最も品質のすぐれたものにエキトラバージンの名前が与えられます。またオリーブオイルはワインと全く同じで、「品種」や「土壌条件」「気象条件」で「色」「香り」「味」が変化します。また、同じオリーブ畑の同じ品種のオリーブでも「収穫時期」を変えると風味が全く異なるオリーブオイルになります。早いタイミングで収穫すると、果皮は未だ緑色ですから、搾ったオイルもエメラルドを思わせる美しいグリーンです。香りは植物的な緑の印象の強く、味わいには、強い辛みが有って、パンチの効いたオイルとなります。また、遅摘みにして、果皮が濃い黒紫色の時期に収穫すると、ゴールデンイエローの色合いで、甘い香り立ちで、口中でも穏やかで優しい風味のオリーブオイルになります。オリーブの品種は、世界で1500以上の品種があると言われて、品種の名前は、しばしば地名に由来します。イタリアのプーリアのコラティナ(Coratina Dolce Agogio)は、コラート(Corato)の町から付いた名前です。素晴らしい香りのアブルティーノ・ペスカレーゼはアブルッツォ州ペスカーラ県のオリーブです。
FAO(Food and Agriculture Organization)によると、2024年の生産量は、世界で2,560万tです。国別の1位はスペインの831万トンで、32%のシェアです。2位はトルコの375万トンで3位はギリシア、4位にイタリアです。1995年くらいまではイタリアはトップの事が多かったのですが、随分減りました。昨今、食品の値上がりが激しいです。オリーブオイルも例に漏れずに、大幅に値上がっているのですが、オリーブオイルは、手ごろな価格帯の値上がりが激しく、高級品はそれほど上がっていないように思えます。ある意味、相対的に高級オリーブオイルがそんなに高く感じないような気がします。
今回のゆり根とブッラータチーズと粗びき黒こしょうは、ゆり根とブッラータチーズと高級オリーブオイルを調達したら物凄く簡単な料理です。ゆり根をオリーブオイルで炒めて塩味を付け、皿にブッラータチーズと共に乗せて高級オリーブオイルをかければ完成です。
さて、この料理にテイスティングメンバーが選んだイチオシは、サントリーフロムファーム 高山村 シャルドネでした。高山村は長野県の北側、長野市から東北東に16kmほど行ったところにあります。山が迫る扇状地で下流には小布施町があります。町域に上信越高原国立公園もあり、「日本で最も美しい村」にも選ばれています。この高山村で醸造用のぶどう栽培が始まったのは、今から40年くらい前の1980年代です。高山村のテロワールはシャルドネに向いていたのか、1999年には高山村のぶどうを使ったシャルドネのワインが、リュブリアーナ国際ワインコンクールで金賞を受賞しました。高山村は扇状地にあり、すぐ近くの山から流れてきた、大粒の砂礫が堆積した水はけの良い土壌です。降水量も少なく、夜になると山から冷気が吹いてきて、昼夜の寒暖差が大きい、果樹栽培に適した所です。そのぶどう栽培に適した斜面の標高400mから700mくらいの標高差のある所でシャルドネが栽培されています。標高差がある、と言う事は温度条件も違うので、様々な味わいや個性に差があるぶどうになります。マリアージュ実験に使ったのは2024年ヴィンテージです。2024年の開花は6月12日~16日と前年並みでした。夏の雨が少なかったのですが、9月~10月には、まとまった降水がありましたので、それを避けながら、適期を見極めて収穫を実施しました。色は少し淡いレモンイエローです。レモンや青リンゴのような涼しさを連想させる香りと、蜜柑や洋梨、熟した果実など、暖かさをイメージさせる香りが共存しています。また、ローストしたアーモンドやバニラの印象もあります。ボディ感は中くらいから、ちょっとフルボディよりです。程良い広がりのある果実感と伸びやかな酸のバランスが取れていて、綺麗な印象の日本らしい辛口のシャルドネワインです。ゆり根にブッラータチーズを絡めて食べて、高山村シャルドネを飲むと、ほくほくと甘いゆり根と、少しまったり感のある高山村シャルドネとが、実に良く合っていました。
「ブッラータチーズの素直な牛の乳の味わいと高山村シャルドネとが本当に良く調和しています」
「ゆり根の、ほくほく感がありながら甘く溶けていく味を、高山村シャルドネが上へ上へと持ち上げてくれています」
「ゆり根を焼いた時に端っこの薄い部分が焦げるのですが、それが樽香と良く合っていますね」
「ゆり根の使い道って、茶碗蒸しくらいしか思い浮かばないのですが、こんなにメインを張れる食材だったんですね」
「素朴な美味しさが、ブッラータチーズのバターの旨味で何段階も格上に感じられています。シャルドネの樽感もバターの風味で引き上げられていますね」
「オリーブオイルの緑の風味と、ちょっぴり辛いタッチとが、ゆり根に深みを与えています」
「明確な辛さは、早摘みタイプの高級オリーブオイルの一つの特徴ですね」
「ブッラータチーズは味わいとしてはフレッシュで、バターや生クリーム感とかはありますがシンプルなチーズですよね。それが、このオリーブオイルで一気に複雑な美味しさになります」
ゆり根の美味しい季節です。是非、皆様もゆり根とブッラータチーズと高級オリーブオイルを調達して「ゆり根とブッラータチーズと粗びき黒こしょう」に挑戦してみてください。そしてサントリーフロムファーム 高山村 シャルドネとの素晴らしいマリアージュを体験してみてください。

2位に選ばれたのは、タヴェルネッロ オルガニコ シラー 250ml テトラパック®でした。タヴェルネッロ オルガニコは、何よりも素材を大切にするスローフードの国、イタリアが誇るオーガニックワインです。永続的なぶどうづくりとテロワールの力を最大限引き出すための生物多様性を重視したオーガニック(有機農法)栽培されたぶどうを使用して、自然のままのぶどうの果実味を、存分にお楽しみいただけるように、丁寧に醸しています。また、テトラパック®は紙ですので、日本までの輸送時の二酸化炭素の排出量が瓶よりも少なく、環境に優しい容器です。オルガニコ シラーはチェリーを連想させる、膨らみのあるフレッシュな果実味が魅力です。飲み応えがあるのに飲み易い、華やかな赤ワインです。なんとこのシラーですが、EXILEのSHOKICHIさんがブランドアンバサダーになってくださっていて味わいの監修もしていただいております。ゆり根とブッラータチーズと粗びき黒こしょうと合わせると、ゆり根の持つ、「大地の力」を感じました。素朴な味わいのゆり根とクリーミーなブッラータチーズの味わいをシラーの果実味とが響き合っている感じがしました。なにより、多めに振られた黒こしょうの風味とシラーは見事に共鳴していました。シラーに含まれる香り成分であるロタンドンは、黒こしょうにも含まれている事が科学的に証明されています。

2nd

タヴェルネッロ オルガニコ シラー 250ml テトラパック® 

タヴェルネッロ オルガニコ シラー 250ml テトラパック®

イタリア
ぶどう品種 シラー、ネロ・ダヴォラ

3位に選ばれたのは、サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア カルメネールでした。サンタ カロリーナ社は1875年に、ボルドースタイルのワインをつくることを目指して、ルイス・ペレイラ・コタポスによって設立されました。 レセルヴァ デ ファミリアは、もともとは「ファミリーのための特醸品」としてつくられた特別なワインで、市販されていませんでした。でもレセルヴァ デ ファミリアを飲んだ友人たちから「絶対に世の中に出すべき」だと強く勧められ、1889年のパリ万国博覧会に「レセルヴァ デ ファミリア カベルネ・ソーヴィニヨン」が出品されました。そして、なんと!金賞を受賞する!!という快挙となりました。パリ万国博覧会はフランス革命100周年を記念して1889年に開催された博覧会です。 カルメネールはフィロキセラがフランスのワイン産業を壊滅させる前の時代では、ボルドーの主力品種でした。開花から完熟迄にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロよりも20日以上余計に時間が掛かる事もあって、秋雨にあって病気になってしまう事も多い品種でした。フィロキセラ後のボルドーの主力品種がカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロになって、ボルドーでは殆ど絶滅状態になっていました。チリではシルベストーレ・オチャガビアがボルドーから苗を持ち帰った中にカルメネールが入っており、栽培され続けていました。ただ、カルメネールとしては認識されておらず、青臭い香りが強いメルロだと思われていました。20世紀になりDNA解析の技術が進歩し、カルメネールが本来のカルメネールとして認識されました。そして完熟に時間の掛かる品種として正しく完熟を待ったら、素晴らしいワインになりました。そして今やチリを代表する品種のひとつになったのです。色は、美しく深みのある紅です。濃厚なダークチェリーやプラムを思わせる香りに、針葉樹やエスプレッソ、ダークチョコレートのニュアンスがあります。熟した中にもフレッシュさを感じる果実味となめらかなタンニンが特長の、複雑で凝縮感のある味わいのワインです。ゆり根とブッラータチーズと粗びき黒こしょうと合わせると、ゆり根のカリカリに焦げた部分との相性が抜群でした。すこしスパイシーさのあるカルメネールと黒こしょうの相性も、とても良かったです。ブッラータチーズのコクとクリーミーな脂分とカルメネールの力のあるタンニンとが出会って甘さに転換し、心地良い余韻へと続いていきました。

3rd

サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア カルメネール 

サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア カルメネール

チリ
ぶどう品種 カルメネール

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