この料理に合うワイン

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1st

サントリーフロムファーム 津軽 ピノ・ノワール スパークリング ロゼ 

サントリーフロムファーム 津軽 ピノ・ノワール スパークリング ロゼ

日本
ぶどう品種 ピノ・ノワール

今回の料理は白子のソテー ブールブランソースです。白子は、魚の精巣の事です。釣りをされる方や魚を丸ごと買うお家では、いろいろな魚の白子を食べていらっしゃるかと思います。豊洲市場で、白子単体で取引されている魚種は、鱈や河豚、鮭あたりです。価格はトラフグの白子が断然高くkg2-4万円程度で、次が鱈でkg5千円から1.5万円程度です。豊洲市場では余り流通していなくて、美味しい白子を持つ魚と言えば、春の真鯖と5月6月頃の真鯛です。真鯛の雄は発情すると黒ずみます。この黒ずみは、婚姻色であると言われていますが、婚姻色で有名なオイカワや紅サケなどの派手な色と違い地味な色です。5月6月頃の天然の真鯛で。黒ずんだ物を見つけたら、中に絶品の白子を秘めています。あとは鰆の白子やアイゴの白子も美味しいです。アイゴの稚魚は、沖縄では塩辛にしてスクガラスの名前で珍重されます。アイゴは、もともとは西日本以南に生息する魚でしたが、温暖化の影響か最近では三浦半島でも大繁殖し、磯焼けの原因とも言われることもある魚です。それはアイゴが海藻を主食にしている為で、磯が丸坊主になってしまうのです。城ヶ島周辺でも良く釣れていますが、釣れても持ち帰らずに海に戻している人がほとんどです。背鰭などに毒針を持っているのが主な原因ですが、アイゴの、癖のある香りも原因の一つです。この香りのせいで、アイゴは九州ではバリ(尿)と呼ばれています。アイゴに馴染みの無かった関東の方々には、この癖のある香りが受け入れられず、折角釣れても海に戻されているのかと思います。でも、癖がある分、お好きな方には堪らない美味のようで、兵庫県西部から岡山、四国の瀬戸内海沿岸では特に好まれているようです。私の父の故郷である島根県浜田では、秋になるとアイゴの白子だけが市場に出回り、これも素晴らしく美味しいです。白子は世界中で、割と幅広く食べられています。チェコやルーマニアでは、コイの白子をスープや揚げ物にして食べます。イギリスは、タラの白子をバターで揚げてトーストに塗って食べます。イタリアの南部では、卵系としては、マグロの唐墨が有名ですが、マグロの白子もラットゥメと呼ばれ、パスタにトッピングされます。ロシアでは鰊を始めとして様々な魚の白子をフライにして食べます。アジアではインドネシアで雷魚や鯛の白子をカレーの具材にします。韓国も白子は大好きで鱈、河豚、鯛の白子を食べます。今回の白子は鱈の白子です。鱈の白子は、マダラの白子を真子(マコ)スケソウダラの白子を助子(スケコ)と呼びます。マダラの白子には地方名が沢山あります。北海道ではタチが一般的です。青森では津軽エリアではタヅ、南部地方から岩手北部ではキクで菊腸(キクワタ)とも呼びます、秋田、山形ではダダミです。新潟ではダラミ、富山と石川は特には地方名が無いようですが、福井県の北部エリアになると秋田、山形と同じ呼び名のダダミになります。そして京都と福井県南部は雲子と呼びます。今回は白子をソテーしてブールブランソースでいただきます。ブールブランソースは直訳すると白いバターのソースで、フランスのロワール地方が発祥です。エシャロットや玉ねぎなどの野菜をワインビネガーと白ワインで炒めて、最後にバターを乳化させて作ります。大量のバターが入っている割にはワインビネガーや白ワインが沢山はいっていて、その酸味のお陰で濃厚な旨味を持ちながら、爽やかに楽しめるソースです。白身魚のソテーやホワイトアスパラガスなどで良く使われるソースです。
さて、この、白子のソテー ブールブランソースに、テイスティングメンバーが選んだイチオシワインはサントリーフロムファーム 津軽 ピノ・ノワール スパークリング ロゼでした。津軽の地で、契約栽培農家さんたちが、サントリー向けのぶどう栽培に取り組んでくださったのは、今から大体35年前でした。ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、ピノ・ノワールといった冷涼な地に向いた品種を栽培していただきました。契約栽培農家の太田さんや木村さんらの長年の努力の甲斐があって品質は向上しました。コンクールで最初に評価されたのは、ソーヴィニヨン・ブランでした。日本ワインコンクールで2015年、2016年、2017年の3つのヴィンテージが連続で金賞を受賞したのです。私たちは津軽の地がワイン用ぶどう産地として、とても優れた地である、と確信を持ち始めていました。弘前市は日本で断然トップのリンゴの産地です。弘前市とJAつがる弘前は、あまりにもリンゴの一本足打法に偏るのは良くない、と新たな道を模索していました。2020年に、弘前市とJAつがる弘前とサントリーは津軽をワイン用のぶどう産地として共同で育成していく三者協定を締結しました。さてスパークリングワインの取り組みですが、2017年ヴィンテージからです。登美の丘ワイナリーの醸造家だった吉野弘道は津軽のシャルドネやピノ・ノワールをスティルワインに醸造している時に、冷涼な津軽ならではのエレガントな酸味に、緊張感だけでなくゆったりとした優しさがあって、スパークリングワインに向いているのではないか?とずっと感じていました。そして「りんごの産地でもあるため、りんごのような、甘さと酸のニュアンスが感じられ、爽やかでゆったりとした果実感のあるベースワインができる。これを瓶内二次発酵して長期熟成したら世界に伍するスパークリングワインが出来るに違いない」と思い至るようになりました。中長期に、サントリーは、どんなワインの味わいの方向性を目指すべきか?を検討する会議の席上、吉野は「7年間、時間をください。7ヴィンテージで世界に評価してもらえる津軽のスパークリングワインをつくってみせます」と発言し、認められました。そして2017年ヴィンテージからスパークリングワインに取り組む事になりました。最初のヴィンテージである2017はピノ・ノワール100%でロゼに挑戦しました。36ヶ月の間、瓶内2次発酵とそれに続く熟成を実施して1,560本を世に送り出すことが出来ました。お客様からの評価も上々でした。翌2018年は余り天候に恵まれませんでした。シャルドネを主体にピノ・ノワールを配合して白のスパークリングワインとして行くことに決めました。瓶内二次発酵から1年余り経過した段階で成長具合を判断するティスティングに参加したメンバー達の意見が割れました。「持って生まれたスケール感が小さいから24ヶ月位でデゴルジュマンすべき」という意見と「旨味が足りないからこそ、もう少しワインと澱とを接触させて旨味がワインに戻るのを待つべきだ」という意見の2つでした。結局36ヶ月待って製品化しました。翌2019年は、このマリアージュ実験に使ったロゼの年です。この年は3ヴィンテージ目でもあり、吉野にもコントロールすべき術が理解出来つつありました。そして津軽に於ける最高のスパークリングは何かを、更に深く模索する為に、ピノ・ノワールだけのロゼやシャルドネを主体にピノ・ノワールをアッサンブラージュした白を作り分け、白は36ヶ月熟成と、それよりも遥かに長期間熟成の60ヶ月にも挑戦しました。この3ヴィンテージ目のトライであるサントリーフロムファーム津軽シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング2019 36ヶ月熟成は、ジェームズサックリング・ドット・コムで、日本のスパークリングワインの評価としては異例の93点もの高得点を頂きました。また、2025年に開催された国際コンクールであるインターナショナル・ワイン・チャレンジで金賞を受賞いたしました。吉野の7年計画は3ヴィンテージ目で早くも花開いたのです。今回のマリアージュ実験で使ったのはピノ・ノワール100%のロゼです。グラスに注ぐと、淡く美しいサーモンピンクの色調です。グラスからは持続性のある細かい泡が立ち昇ります。ラズベリーやさくらんぼのような赤系果実の香りと適度なトーストのような香ばしさが調和する、気品と骨格のあるワインです。
白子は筋の部分を切りはなして食べやすい大きさにして、キッチンペーパーで水分をよくふき取ります。白子に塩、白こしょう、小麦粉をまんべんなく振ってフライパンにバターを熱して、焼き色を両面につけます。ブールブランソースは、温めなおすと無塩バターが分離してしまうので、必ず食べる直前に作りましょう。別のフライパンにエシャロット、白ワインビネガー、白ワインを入れて火にかけます。ほぼ水分がなくなったら、一度火を止めて生クリームを加え混ぜます。再び弱火にかけて、無塩バターを3~4回に分けて、その都度泡だて器で滑らかに乳化するように溶かしていきます。よく混ぜ合わせ、しっかりと乳化し塩、白こしょうで味を整えたら出来上がりです。
白子には、色良く焼き目が付いていて食欲をそそります。ブールブランソースからは生クリームとバターの豊潤な香りとワインビネガーの爽やかな香りとが渾然一体となって上がってきます。まずは白子だけを食べると、焼き目の部分は、少しぱりっとしていてその後から白子がとろりとあふれてきます。白子の香りが鼻腔をくすぐり、とろりとした白子の濃密な旨味が口一杯に広がります。この濃くたっぷりとした白子の旨みを津軽スパークリングワインが、より伸びやかに押し広げてくれます。次にブールブランソースをたっぷりとかけて白子を口に運びます。なんと!白子だけでも極上か!!と思いましたが、更に上がありました。バターの旨みが付与され白子の美味しさが2段階も3段階も上がる感じです。
「これは、旨いですね」
「日本人的発想だと、白子の濃厚さをポン酢でさらりと楽しむか、鱈ちりの時に温められて旨みの活性が上がった白子に鱈の骨の出汁と昆布の旨味で、複雑さの演出をする感じだと思います。いずれにしても、濃厚さを軽やかに楽しむ感じです。フレンチ的な発想だとソテーして更にバターの濃厚ソースを掛けるのですね。やはり、フレンチは足し算の料理の発想なのですね」
「単純にバターで焼いただけでも美味しいし、バターの味わい主体のソースでも良いのかもしれませんが、濃い素材に濃いだけのソースだと、流石に一皿の途中で食べ飽きてしまいます。ブールブランソースにはワインビネガーと白ワインが入っていますから、あんな量のバターが入っていても濃厚さを楽しみ続ける事が出来るのです」
「白子の焼き目の部分の、焦げてぱりぱりした味わいと津軽スパークの酵母の香ばしい風味とが良くマッチしています」
「津軽スパークリングの優しさのある酸味とブールブランソースの酸味とも、とても相性が良いですね」
「ブールブランソースはもともとロワールのソースです。爽やかな、酸味が豊かにあるワインとは生まれ持っての相性の良さがあるのです」
「このロゼスパークリングは、ジェームズ サックリング・ドット・コムで、津軽シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング2019 36ヶ月熟成よりも高得点の、94点を頂いているんですよ」
寒い今は、一年のうちでも、白子が一番おいしい季節です。皆様も美味しそうな白子を見つけられましたら、是非、白子のソテー ブールブランソースの事を思い出してください。そしてサントリーフロムファーム 津軽 ピノ・ノワール スパークリング ロゼとの抜群の相性をお楽しみくださいませ。
※公式オンラインストア限定発売商品

2位に選ばれたのは、サントリーフロムファーム 高山村 シャルドネでした。長野県北信地区の高山村は、昼夜の寒暖差が大きく降水量も少ない、ぶどうの生育に適した環境です。高山村で醸造用のぶどうが育てられ始めたのは今から40年以上も前の事です。標高500mから700mくらいの扇状地で契約栽培農家さんが育ててくれたシャルドネを使用しています。マリアージュ実験に使ったのは2024年ヴィンテージです。醗酵と熟成はステンレスタンクとフレンチオーク樽です。新樽󠄀使用比率は26%です。色は少し淡いレモンイエローで、僅かに暗いトーンがあります。レモンとネクタリン、洋梨などを連想させる透明感のある黄色い果実の香りに、ローストアーモンドとカスタード、杏仁豆腐のようなアクセントがあります。程良い広がりのある果実感と伸びやかな酸のバランスが取れた、綺麗な印象を与える辛口白ワインです。マリアージュ実験を始める前には、白子のソテー ブールブランソースに選ばれるイチオシワインはきっと、高山村シャルドネのような新樽のニュアンスを持った、リッチタイプのシャルドネだろうと思い込んでいました。高山村シャルドネは期待通りの大変素晴しい相性でした。料理を口にいれて高山村シャルドネを飲むと白子のコクとバターの風味と高山村シャルドネがピタリ!とはまっている感じがします。白子の味わいをバターの風味で押し広げ、それを高山村シャルドネの奥行のあるボディ感で包み込む・・・・
焼かれた白子の焦げ、バターのリッチさ、ワインの樽香が共鳴し、囃し立てる感じ・・・・
見事にフランス料理とワインの調和の世界、何も欠ける事無く素晴らしいマリアージュでした。何故に、イチオシになれなかったのか?は、津軽スパークリングロゼのマリアージュがほんの僅かに上回っただけの差だったと思いました。

2nd

サントリーフロムファーム 高山村 シャルドネ 

サントリーフロムファーム 高山村 シャルドネ

日本
ぶどう品種 シャルドネ

3位はタヴェルネッロ オルガニコ スプマンテ ロゼでした。タヴェルネッロ オルガニコは有機栽培ぶどうを使用したイタリアのワインです。イタリアは、食べる事を大切にする国です。何よりも素材を大切にするスローフードの国なのです。そもそもスローフードという概念は1986年に、北イタリアのブラという町で、アルチゴーラ(美食の会)が出来たのが始まりです。その会は、おらが町に世界的なファストフードチェーンが出店する計画があるのを聞いて、ファストフードに反対する為「スローフード」という言葉を造語しました。郷土の産物を愛し、伝統料理を愛し、マンマの味を愛する国、それがイタリアなのです。そんなイタリアの太陽を浴びて育った自然のままのぶどうの果実味を、まっすぐにお届けするのがタヴェルネッロ オルガニコなのです。タヴェルネッロ オルガニコが誕生したのは、イタリア北東部に位置するエミリア・ロマーニャ州です。ボローニャを州都とし、パルマやモデナなど、ルネサンス都市が所在する歴史と伝統のある地域です。ボローニャ発祥の「ボロネーゼ」をはじめとする様々なパスタ、パルマの「パルミジャーノ・レッジャーノ」、モデナの「バルサミコ」やワインビネガー、さらには最高級の生ハムやサラミそしてオリーブオイルなど、スローフードの国イタリアの中でも、特に食材の豊かなエリアと言われています。白子のソテー ブールブランソースとタヴェルネッロ オルガニコ スプマンテ ロゼとを合わせると自然な旨味が口の中を広がっていくのが判ります。白子の海の香り、ねっとりとコクのある旨味がオルガニコの泡で解れていきます。リッチなブールブランソースも洗ってくれるのですが、洗い流してゼロになる訳では無く、素材の美味しさのパーツに分解してくれて、そのパーツの美味しさを再認識させてくれる感じでした。例えば炒められたエシャロットの甘さ、バターのコク、白子の焦げ目の風味などのそれぞれ自体がもつ個性をもう一度見せてくれてから、流してくれる感じでした。

3rd

タヴェルネッロ オルガニコ スプマンテ ロゼ 

タヴェルネッロ オルガニコ スプマンテ ロゼ

イタリア
ぶどう品種 メルロ

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