この料理に合うワイン

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1st

サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネ 

サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネ

チリ
ぶどう品種 シャルドネ

今回のレシピは、金目鯛のソテー 柚子味噌クリームソースです。金目鯛は、鯛の名前をもらっていますがタイの仲間ではありません。タイの本当の仲間はスズキ目タイ科に属していて、日本に生息しているのは14種しかいません。一方、なんちゃって鯛は沢山います。イシダイ、イシガキダイ、マトウダイ、アマダイ、ブダイ、フエダイ、スズメダイ、イボダイ、カガミダイ、コブダイ、コロダイ、センネンダイ、ツボダイ、テングダイ、ギンメダイとキンメダイなどなどで、細かく分けると400種以上もいるそうです。日本人は鯛という名前が大好きなのですね。キンメダイはキンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属の魚です。タイ目であるタイの仲間とは、目すら違いますので、色や姿かたち以外は、全くの赤の他人なのです。 キンメダイは世界中に広く生息しています。ただ普段は400〜600メートルの深海に居ますので、食用魚としての地位は低かったのです。でも、日本人が好んで食べる事が伝わってアメリカやニュージーランド、チリ、ロシアなどの国々で漁獲されて日本に輸出されています。日本名の金目鯛は、大きな目が金色に光るからです。キンメダイは深海に棲んでいますので、ほとんど光が無い中で餌を探します。そのために2つの進化をしました。ひとつは、微弱な光を出来るだけ沢山集める為に、目が大きく発達しました。もうひとつはタペータムという、眼球の中にある反射板です。タペータムは輝板やタペタムとも呼ばれます。普通の生物が物を見る時には、外から目に入った光を網膜で捉えます。タペータムの無い生物はそれで終わりですが、金目鯛は、網膜を通過した光を網膜の後ろにあるタペータムで反射してもう一度網膜で捉える事が出来るのです。動物では、猫や狸の目が光るのは良くご覧になると思います。また、牛や馬にもタペータムがあります。ワニやサメにもあって、基本的に夜活動する生き物で発達したようです。
金目鯛は英語では、Splendid alfonsinoです。でも、私は色んな国からのお客様を築地や豊洲の魚市場にお連れしましたが、金目鯛をSplendid alfonsinoと説明して通じた事が一回もありません。で、金目鯛の前でgolden eye snapperと言うと、みんな大きく頷きます。正しい訳ではないのですが、通じるのでこれで説明しています。何処で多く漁獲されているのを調べましたが、金目鯛も農水省の統計の品目に入っていませんので、都道府県別の正確な順位は判りませんでした。豊洲市場で「どこの金目が多くはいりますか?」と尋ねると「銚子あたりが、量は多いけれど値段が高くて、物が良いのは稲取や下田だ」と、良く行く仲卸の大将に教えて頂きました。大きな金目の方が色の赤さに深みがあり、脂も乗っているようです。昭和の魚河岸の目利きの本には「関東の魚で大衆魚、煮付けが美味い」と書いてありました。現在では長崎県、福岡県、鹿児島県や高知県でも漁獲されていて、全国区の魚になりました。食べ方も、稲取の寿司屋では、金目鯛の握りは定番ですし、下田の旅館の金目鯛のフルコースの刺身やチリ鍋は絶品でした。今回はその金目鯛をソテーにして柚子味噌クリームソースで頂きます。今回のもうひとつの主食材は柚子です。ユズはミカン科ミカン属の常緑樹でホンユズとも呼ばれます。花や果皮は、豊かな香りで、果汁はかなり酸っぱいです。漢字では柚子と表記します。柚の一文字でも「ゆず」と読ませる事があります。柚の一文字の「ゆず」は、植物本体を指していました。その実が柚の子供で柚子だったのですが、柚の一文字の「ゆず」も、徐々に果実をも指すようになりました。柚子は木偏(へん)に由です。由は瓢箪の形を表しています。瓢箪に何かを入れて注ぐ時に瓢箪の口から「一点を通って」注がれます。なので「由」は「一点を通って」いく様を表しています。「さんずい=氵」に「由」で「油」は、するすると滑り注がれるからです。柚は酸っぱい果汁が、たっぷりと実の中に注ぎこまれているので柚なのだそうです。「たべもの語源辞典」の清水桂一氏によると「ユズの原産地は中国の雲南省あたり、日本には平安時代に渡来したと言われている。しかし、日本のユズの原生地が萩市遠谷の断崖絶壁上で見つかった」と記載しています。その原生地は、場所や植生の状況から渡来種の野生化では無いと認定され、昭和16年に国の天然記念物に認定されました。現在も「川上のユズおよびナンテン自生地」として守られています。柚子は日本料理では大変重要な柑橘です。黄色く熟れた柚子は、10月頃から出回ります。日本料理では、果汁を柑橘の酸として使いますし、様々な料理に皮を擦り下ろして振り掛けます。あるいは皮を薄く剝いで椀物に浮かべたりして秋から冬を表現するのです。山椒の旬が終わる5月中旬頃になると、青柚子が出回り始めます。これは初夏から秋の始まり迄を表現する大事なアクセントになります。柚子はくり抜いて柚子釜になりますし、大根のユズ漬も美味しいですよね。お菓子ではゆべし(柚餅子)でしょうかね。全国でいろいろなパターンがありますが、丸のままのくり抜いた柚子に餅粉などを詰めて蒸して干し上げた丸柚餅子は能登の名物です。その他に胡桃と混ぜたものや備中柚餅子なども有名ですよね。九州では柚子と唐辛子を混ぜた柚子胡椒が、とても重要な調味料です。柚子は世界でも注目されています。スペインにあった、世界的な超有名店で予約困難なレストラン、エルブジのフェラン・アドリア氏が使いだしてから、フレンチの有名シェフたちも次々と柚子を使い、ブームになりました。
日本の都道府県別の生産量では、高知県がダントツのトップで全国の半分以上を生産しています。2位と3位は時々入れ替わりますが、徳島県と愛媛県です。
さて、金目鯛は、フライパンに皮目を下に並べて、皮がカリカリになるまでしっかりと焼いたら裏返します。身の方からは1分ほど焼いて火を止めます。そのフライパンに白ワインを加えて沸騰させて火をつけてアルコールを飛ばします。今回、味噌は白味噌にしました。味噌を入れて溶き、生クリームもいれてとろりとするまで詰めたら、柚子の果汁をいれます。皿に盛り、最後に柚子の皮を摺り下ろして散らしたら完成です。
 さて、この金目鯛のソテー 柚子味噌クリームソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはサンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネでした。サンタ カロリーナは、今から丁度150年前の1875年にドン・ルイス・ペレイラ・コタポスにより設立されました。ワイナリー名はドン・ルイスが愛するカロリーナ夫人の名前が由来です。ドン・ルイスは鉱業事業で大成功を収めて財を成し、公的にも外務大臣にまで上り詰めた人物です。ドン・ルイスは世界に通用するインターナショナルなタイプの高品質ワインづくりを目指して、フランス人ワインメーカーのジェルマン バシュレ氏を招聘しました。ジェルマンはサンチアゴの中心部からさほど離れていない畑にカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどのぶどう品種を植え、醸造面でも同時のフランスの技術を導入しました。ドン・ルイスは、ジェルマンから理想的なワインづくりをするには最新技術を盛り込んだ醸造所が必要だ!と説かれ、新しい醸造所を建設するために、フランス人設計士のエミリオ ドワイエールを招きました。セラーの建設は1877年に始まり1880年に完成しました。抜本的な改革が、品質を飛躍的に高めるのには、それほど長い時間は掛かりませんでした。1889年にはレゼルバ デ ファミリア カベルネ・ソーヴィニヨンがフランスの「エクスポジション ユニヴェルセル」で金賞を受賞しました。これはチリワインが世界的な評価を受けた初めての出来事なのでした。そしてこのセラーはセラー建設開始から100年近く経った1973年に国定記念建築に指定されました。2010年のチリ地震の際には、大きく損壊しましたが2年を掛けて再建が完了し、今もサンタ カロリーナの象徴となっています。サントリーがサンタ カロリーナのワインを取り扱うようになったのは、今から四半世紀以上も昔の1998年、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンがチリカベと呼ばれて人気になった頃でした。
 サンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネはイタタ・ヴァレーのシャルドネを100%樽発酵し、そのまま6ヶ月、バトナージュをしながら熟成します。樽の70%は400リットルのフレンチオーク樽、残り30%は、フレンチオークで作られた楕円形の1,000リットルのフードルで発酵されました。より滑らかなテクスチャーを得るために、マロラクティック発酵をしました。熟した洋梨のような香り立ちと、パンデピスを思わせる香ばしい香りがあります。口に含むと凝縮感があり、柔らかい酸味のリッチで味わい深いシャルドネです。金目鯛のソテー 柚子味噌クリームソースと合わせると金目鯛の、良く乘った脂のコクと見事に調和していました。
「金目鯛は繊細な味わいと、脂分の豊かな味わいの両方が同時に楽しめますね」
「旬の真冬の金目鯛は旨いです」
「レセルヴァ デ ファミリア シャルドネの凝縮感と丁度良いバランス感です」
「クリーミーで濃厚な柚子味噌クリームソースはワインを選びますね。繊細なタイプだと、ワインが吹っ飛ばされて、何処に居るのか判らない感じになります」
「繊細でも酸が際立つワインは、なんとか対抗出来ているけれど、軽やかさだけのワインには手強い料理ですね」
「柚子が良い仕事をしていますよ」
「レセルヴァ デ ファミリア シャルドネと単体でテイスティングした時に感じる果物って、熟した洋梨やトロピカルなフルーツ主体な気がするのですが、この柚子味噌クリームソースを舐めてからレセルヴァ デ ファミリア シャルドネを嗅ぐと、明らかに柑橘を感じます」
「隠し持っていた柑橘の要素が柚子によって引き出されたのでしょうね」
 金目鯛も真冬が旬で3月くらいまでが美味しい魚です。皆様も是非、金目のソテー 柚子味噌クリームソースに挑戦してみてください。そしてサンタ カロリーナ レセルヴァ デ ファミリア シャルドネとの絶妙な相性をお楽しみください。

2位に選ばれたのは、サントリーフロムファーム 津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリングでした。前々回掲載の鮟鱇のフリットでイチオシに選ばれたワインですね。
 グラスに注ぐと、キメの細かいムースの様な泡立ちと、しっかりと緑の見える若々しく淡いシャンパンゴールドです。青りんご、黄色いりんご、蜜りんごなどの多彩なりんごを連想させる香りと、キレのある柑橘系のトップノートがあります。熟成によるカリッと焼けたトーストのニュアンスも魅力です。ギュッと詰まった緻密な果実味と、引き締まった酸味で、津軽のポテンシャルを感じる事が出来る、力のある本格辛口スパークリングワインです。金目鯛のソテー 柚子味噌クリームソースをひと口食べてグラスを鼻に近づけると、明らかにりんごの印象があります。そして柑橘の連想もありました。熟した黄色の柚子の感じではなく、どちらかと言うと青柚子のタッチです。口に含むと、きめ細やかな泡が味噌柚子クリームソースの濃厚な味わいをサラリと軽くしてくれて、金目鯛の素材そのものの味わいが、くっきりと判りました。それは、繊細な旨味と優しい白身魚の甘さでした。このワインの繊細でありながら力のある酸味と、瓶内二次発酵後の長い熟成期間で酵母から引き出された旨味が、味わい深い柚子味噌クリームソースに負けないのだと思いました。

2nd

サントリーフロムファーム 津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング 

サントリーフロムファーム 津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング

日本
ぶどう品種 シャルドネ、ピノ・ノワール

3位に選ばれたのは、ローラン・ペリエ ブラン ド ブラン ブリュット ナチュールでした。ローラン・ペリエ社はユニークなラインナップを持つシャンパンメゾンです。ブリュット ナチュールでも、ローラン・ペリエはパイオニアなのです。ローラン・ペリエの19世紀末のポスターには、“SANS-SUCRE”(砂糖なし)の文字が記載され1889年ヴィンテージが最初である事が書かれています。その頃のシャンパンは今よりもずっと甘口で、1リットルあたり200gを超える糖分含有のものもあった時代です。ローラン・ペリエが革新的で独創的なシャンパンメゾンである事は間違いありません。
 フルートグラスに注ぐと透明感のある淡い色合いで、きめ細かく持続性のある泡立ちです。生き生きとした柑橘を思わせるアロマで、香りにすらミネラル感を感じさせます。ギュッとレモンを搾ったかのようなキレのある酸味とブリュット ナチュールながら、ぶどうの完熟からくる甘やかさとが、緊張感と透明感を持ちながら調和しています。金目鯛のソテー 柚子味噌クリームソースと合わせると、添加された糖分由来の甘さは全くゼロですから、金目鯛のほのかな甘みを、よりくっきりと感じ取る事が出来ました。振られた柚子の皮の香りとブラン ド ブラン ブリュット ナチュールの持つ柑橘のニュアンスとが共鳴して心地良く広がっていきました。生クリームとの合い方も、「シャルドネと本質的な相性の良さ」を感じさせる奥深さがありました。振り返ってみると、イチオシから3位まで総てシャルドネ主体のワインですね。
 「桃栗三年柿八年 柚子の大馬鹿十八年」と言う諺があります。これは本当に大馬鹿と揶揄している訳ではなく、それくらい長い時間が経たないと実を付けない柚子だけど、大事な果実なので、時間を掛けても育てたいと言う意味だと思いました。皆様も金目鯛を見つけたら、ソテー 柚子味噌クリームソースで召し上がってみてください。そして英国王室「チャールズ国王」 御用達シャンパン、ローラン・ペリエ ブラン ド ブラン ブリュット ナチュールとの素敵なマリアージュをお楽しみください。

3rd

ローラン・ペリエ ブラン ド ブラン 

ローラン・ペリエ ブラン ド ブラン

フランス
ぶどう品種 シャルドネ

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