この料理に合うワイン

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1st

サントリージャパンプレミアム かみのやま産メルロ ※フロムファームにブランド名が変わりました。

サントリージャパンプレミアム かみのやま産メルロ
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 メルロ

今回のレシピは、タコのポルトガル風ごはんです。日本人はタコが大好きです。兵庫県明石市の二見町東二見にある池ノ上遺跡からはイイダコ漁用のタコつぼが出土しています。池ノ上遺跡は弥生時代末期と言われていますので、今から2300年位も前の事です。古墳時代の貝塚と言われている同じ明石市の上ノ丸貝塚からはタコつぼが発掘されているようです。総務省の家計調査(2018年~2020年平均)を見ると全国でタコは1年間に1人当たり575g購入されています。魚種別購入量順位でいうと13位です。カツオ、サケが同じ量でトップです。次いでマグロ、ブリ、エビ、イカ、サバ、アジ、サンマ、アサリ、カレイと来てイワシの次がタコです。都道府県別タコ消費量をみると、全国の主要都市で最もタコにお金を払っているのは大阪市の1899円、次いで堺市、高松市と続きます。流石に大阪はタコ焼きの総本山ですね。購入量では、1位は札幌市で大阪市は2位になります。北海道は金額では14位なので、札幌市民が、地元北海道で多く獲れるミズダコを多く購入し、ミズダコはマダコに比べて価格が安いからだと考えられます。魚種別購入量順位で13位という、順位だけを見ると、日本でのタコのポジションはそれほど高く見ませんが、世界を見回すと日本でのタコ消費が凄まじい事が判ります。FAO(Food and Agriculture Organization)によると2019年の世界でのタコの漁獲量は38万トンです。トップは中国の約10万トン、モロッコ、モーリタニアと、スーパー店頭でのタコの原産国の表示で馴染みのある国々が2位3位です。4位がメキシコで、その次が日本で、漁獲量は3万5千トンです。国内産だけでは全く足りない状態で、輸入量は大体5万トンです。ちなみにモロッコ、モーリタニアの人々は、タコは基本的に食べずに日本を中心に輸出しています。その結果、日本のタコ年間消費量は世界全体の約2割以上を占めるほどなんですよ。日本はタコを、こよなく愛する国なのです。欧米ではタコの事をデビルフィッシュと呼んで忌み嫌う人たちもいます。旧約聖書には、食べ物の規定が細かく書かれています。タコは「水中の魚類のうち、鰭、鱗のあるものは、海のものでも、川のものでもすべて食べてよい。しかし鰭や鱗のないものは、海のものでも、川のものでも、総て汚らわしいものである」という規定にふれるので食べない人々がいるのです。日本だと、タコのキャラクターイメージは頭にねじり鉢巻きをしているタコの八ちゃんですから、デビルフィッシュとは、大きく違いますね。それでも、地中海沿岸からポルトガルにかけてのエリアではタコを良く食べます。
今日のレシピは、タコのポルトガル風ごはん、現地でArroz de Polvo とかArroz com polvoと呼ばれる料理です。とてもシンプルですが滋味深い料理です。

この、タコのポルトガル風ごはんにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはサントリージャパンプレミアム かみのやま産メルロでした。サントリージャパンプレミアム かみのやま産メルロは、山形県上山市の醸造用ぶどうの専業農家の奈良崎さんが育ててくださったメルロを醸しました。畑は、山形新幹線のかみのやま温泉駅から南東に5km行ったあたりで、花森湖展望台から1kmほど北西の山の中で、南向きの斜面にあります。畑に立つと、風が良く吹き渡って気持ちが良いです。収穫後、ぶどうを冷蔵輸送し、低温で100%除梗します。タンクで醗酵し、醗酵中はルモンタージュ(ワインを下から抜き、浮かんでいる果帽に掛けて沈める)及びデレスタージュ(発酵中にワインのみを抜き、果皮や種子を空気に触れさせ数時間後にワインを戻す。色素やタンニンの抽出が促され、長期熟成可能なワインとなる)を実施しました。タンク中でマロラクティック発酵(ワイン中のリンゴ酸を乳酸菌の働きで乳酸に変える発酵)をし、樽熟成はフレンチオークで13ヶ月しました。
グラスに注ぐと、山形の特産品であるさくらんぼやザクロを思わせる赤色の果実の香りが華やかで、ブルーベリーなどの青い果実の印象もあります。テイスティング用語でスーボワと呼ばれる、雨上がりの森に分け入ったときの湿った心地良い香りや、針葉樹やタバコのイメージが広がります。樽からの要素は控えめで、自然な果実味に華やかさを添える印象です。強い凝縮感はありませんが、完熟した果実を、がぶっと齧った時の、瑞々しい果汁が溢れるようなニュアンスのある心地良いワインです。
タコのポルトガル風ごはんに合わせると、タコの美味しさが更に増します。タコをぎゅっと噛むと、じゅわっと出てくるタコの旨汁とメルロの優しい味わいが驚くほど調和しています。

「タコって白ワインのイメージでしたが、赤ワインも良く合うんですね」

「タコから出る煮汁が半端なく美味しいんですよ。だから赤でも行けるんじゃないかと思います」

「タコの旨みというか、甘みそのものは繊細な感じなのに、芯が通っているのか赤に負けませんよね」

「かみのやま産メルロが、優しく包み込むような、エレガントな味わいだからかも知れません」

「また、香菜とメルロが良く合いますね!かみのやま産メルロの少し針葉樹っぽい所と心地良くマッチしています」

「この料理は、ポルトガル風なんですが、かみのやま産メルロと合わせると和の世界って感じですよね」

この、かみのやま産メルロは、今年行われたフェミナリーズ世界ワインコンクール2021で金賞を受賞しました。フェミナリーズ世界ワインコンクールは今年で15回目になる世界中の女性ワイン専門家が選ぶワインコンクールです。
それから、サントリーの日本ワインの赤で最も高価なワインでデュオダミというワインがあります。このワインはボルドーの格付けシャトーの最高峰、1級シャトーの中の更に筆頭格付けであるシャトー ラフィットを擁するドメーヌ バロン ド ロートシルトとのコラボワインです。今度2017年ヴィンテージが9月に新発売になりますが、カタログ価格は税込みで16,500円です。
実は、このデュオダミには、奈良崎さんのかみのやま産メルロが52%も使われているのです。シャトー ラフィットは4つの1級シャトーのなかで最もエレガントと言われ、そのエレガントさを称してラフィット エレガンスと言われます。その作り手たちが日本のデュオダミをアッサンブラージュする骨格となるワインとして、かみのやま産メルロを選んでいるのです。
ドメーヌ バロン ド ロートシルトはチリや南仏でも高級ワインづくりに取り組んでいます。
その彼らが「日本のワインの、本当の美味しさとは何か?」を追い求めた時に「当然チリや南仏の濃厚さと同じ土俵で戦う事では無いだろう」と考え「日本にはラフィット エレガンスに通じるエレガントさがあるに違いない」と考えたのだと思います。
更に「日本ワインのエレガントさとは何なのか?」を追い求めた時に、2017年ヴィンテージに於いては、かみのやまのメルロに答が在ったのだと思われます。
皆様も是非、タコのポルトガル風ごはんを作ってみてください。そしてジャパニーズ エレガンスの極みとも言えるサントリージャパンプレミアム かみのやま産メルロとの抜群の相性をお楽しみください。

2位に選ばれたのはサンタ バイ サンタカロリーナ シャルドネした。サンタ バイ サンタカロリーナ シャルドネは、チリの名門 サンタ カロリーナの最高醸造責任者アンドレス・カバレロ氏が毎年のように日本に来て、日本人が普段食べている食事との相性を研究して開発したブランドです。チリと日本間って飛行機で来るだけでも30時間かかるのですよ。その距離をものともせず、アンドレスは2014年から2019年まで毎年来日し、研究に研究を重ねました。
タコのポルトガル風ごはんと合わせると、タコの素朴な旨みが真っすぐに感じられました。タコの香りがワインの熟した柑橘の香りでより強く感じられます。トマトの酸味とシャルドネの酸が合わさって、爽やかさが広がる、軽やかなマリアージュでした。

2nd

サンタ バイ サンタカロリーナ シャルドネ 

サンタ バイ サンタカロリーナ シャルドネ

チリ
ぶどう品種 シャルドネ、ヴィオニエ

3位に選ばれたのは、サントリージャパンプレミアム 信州産シャルドネでした。長野県上高井郡の高山村を中心に松本市や、年によっては飯山市のシャルドネを醸しました。マリアージュ実験に使った2018年はタンク醗酵が89%、樽醗酵が11%です。樽およびタンクでシュール・リーを約5ヶ月間実施し複雑さを引き出しました。
レモンを思わせるキレのある柑橘系の香りと、パイナップルやトロピカルフルーツのような完熟した甘い香りの両方を併せ持っています。口に含むと完熟からくる自然な甘みとキレを感じさせる酸のバランスが良いワインです。
タコのポルトガル風ごはんと合わせると、貴腐ワインを辛口に仕上げる時に出てくる浴用石鹸の様な、心休まる香りがしました。丁度、シャトー ディケムがつくる辛口のY(イグレック) ド シャトー ディケムのトップに出てくるような香りです。口の中ではタコの旨みがより強調されました。トマトの緑のニュアンスが強まるという、シャルドネにしては珍しい変化もみられた面白いマリアージュ実験でした。

3rd

サントリージャパンプレミアム 信州産シャルドネ ※フロムファームにブランド名が変わりました。

サントリージャパンプレミアム 信州産シャルドネ
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン

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