この料理に合うワイン

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1st

ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ ヴィニェ” 

ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ ヴィニェ”

フランス
ぶどう品種 ピノ・ノワール

今回のレシピは、アイスバイン(Eisbein)です。ドイツの首都で最大の都市であるベルリンの名物料理と言われるのが、このアイスバインです。何日もかけて塩漬けにした豚の骨つきのすね肉を、数種類の野菜と一緒に何時間も煮込んで作ります。アイスバインという名前の由来には諸説あります。アイスバインの「Bein」は現代ドイツ語でも「脚」の事です。「アイス」(Eis)の方に、いくつかの説があります。北欧からドイツにかけて、大昔には、豚の脛の骨をアイススケートのブレード=刃として使っていて、その骨で作ったブレードの事をノルウェー語でislegg(イースレグ)と呼んでいたところからきた、という説や、股関節を表すラテン語のischiaという言葉からきているという説、長い時間煮込んだお肉から溶け出たゼラチン質や脂が、鍋の中で冷えて固まると氷(アイス)のように見えることが由来であるという説など様々あります。ただ料理として提供する時にはゼラチンや脂を固まったままでは出しませんので、氷(アイス)説は、なんとなく違う気がします。

この料理は準備に時間が掛かります。まず、すね肉を塩漬けにします。漬け込み液をソーミュール液と言います。ドイツ料理のシェフに塩分濃度を聞くと、「店によって違うけど、5%から10%」という答えでした。「日本のレシピだと海水と同じくらいの3%というレシピがあるが?」と更に聞くと「1週間漬ける時には、その濃さではちょっと傷む可能性がある。5%以上は欲しい」というアドバイスでした。今回の鈴木薫先生のレシピは6%で、それに、はちみつが入ります。スパイスはクローブ、ベイリーフ、白粒こしょうとナツメグです。漬け込み期間は1週間から10日です。本来は保存食なので「10日過ぎちゃダメ」とか考えず、大雑把にお考えいただいて結構です。次に漬け込んだ肉を塩抜きします。ボウルに水を張って2時間置くか、お急ぎの場合は流水で1時間です。塩抜きせずに煮込んでもアイスバインは美味しく出来るのですが、コクのある煮汁に塩味が付きすぎてスープなどに転用できなくなります。スパイスを入れた水にすね肉をいれて煮立たせないように4時間煮ます。煮汁に入れたまま冷ませば完成です。それから、アイスバインのお供と言えばザワークラウトです。発酵した缶詰を使っても良いのですが、キャベツの千切りをアイスバインの煮汁とワインビネガーで煮てやると簡単にザワークラウト風のキャベツが出来上がります。発酵させたザワークラウトよりもあっさりしていて、こちらのほうが食べやすいと仰る方も多いです。

さて、このアイスバインにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは、ブシャール ペール エ フィスのブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ ヴィニェ”でした。ブシャールの創業は1731年です。1775年にヴォルネーのカイユレ畑、タイユピエ畑などを取得し、ワイン業を始めました。大躍進を遂げたのは、3代目のアントワーヌ フィリベール氏の時代です。フランス革命の時に国に没収され、民間に払い下げられたポテンシャルの高い畑を次々に購入して所有面積を広げていきました。1820年には、アントワーヌ氏はルイ11世と12世が築いたシャトー ド ボーヌ城を購入、地下を熟成庫とし、現在もなお使い続けています。1970~80年代に、ぶどう農家が自分で瓶詰販売するドメーヌワインが流行しました。このネゴシアン冬の時代に、ブシャールも商売が上手く行かなくなり、一時期は品質も低迷しました。1995年にシャンパーニュのアンリオを所有するジョゼフ アンリオ氏が経営を引き継ぎ、畑から醸造などあらゆる面に置いて抜本的改革を行いました。そのため、現在ブシャールの品質はメキメキ向上し、世界に名が知れ渡るドメーヌ&メゾンに返り咲きました。自社畑のぶどうからつくるドメーヌワインだけではなく、長期契約だからできる栽培指導を行い、ブシャールのスタイルに合った栽培家からのぶどうを購入しメゾンワインを醸しています。今回選ばれた”ラ ヴィニェ”は代表的なメゾンワインなのです。病害対策、果実の生産環境、多様性な生物環境をふまえた様々な条件をクリアして、2015年に「環境に配慮した農法レベル3」の認証を受けました。コート ドールを中心に、グラン クリュを12ha、プルミエ クリュを74ha、総面積130haの畑を所有しています。約30の畑に気象台を設置し、気象データを収集。地中の温度や湿度まで把握し、病害が発生しそうな区画を予想し、ピンポイントで処置を行っています。現在の醸造責任者はフレデリック ヴェベール氏です。ブシャールではテロワールを忠実に表現したワインづくりを目指しています。そのため、樽香は強すぎず、弱すぎずブシャールスタイルを守るため、コニャックのタランソー社と共同で専用の樽製造会社を設立しました。そのことにより、それぞれの畑に合った完全なオーダーメイドの樽を調達する事が出来るのです。

また、2005年に、ボーヌの高速道路の入り口近くに地下2階、地上1階のグラヴィティ(ポンプを使わず重力でワインを移動させる)システムを導入したサン ヴァンサン醸造所を建設し、果実・果汁にストレスを与えない環境においてワインづくりを行っています。最新型の小型ステンレス発酵槽や熟成樽同様特製の木製発酵槽を完備。区画毎に醸造を行っています。醸造所の地下2階には樽熟庫があり、安定した温度・湿度でワインを熟成させています。

ブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ ヴィニェ”はコート・ドール産のピノ・ノワール種を100%使用しています。収穫は手摘みで、畑で腐敗果や傷が無いか選果し、13kgのプラスチック製の小型の収穫かごに入れます。小型のかごを使うのは、昔ながらの背負い籠だと、ぶどうが重なって、重みで潰れることがあるからです。区画ごとのベストなタイミングで収穫後、1時間以内にカーヴに運び込み、さらに選果台で選果を徹底します。小型ステンレス発酵槽で発酵後、5年使用までのフレンチオーク(新樽3%)で8カ月熟成させます。

グラスに注ぐと、美しいルビーレッドです。小さな赤い果実のチャーミングな香り、熟した南高梅のような香りがあります。口に含むと辛口でキレのある酸を感じます。軽やかでみずみずしい果物を思わせる風味で、ブルゴーニュのピノ・ノワールの特徴が良く表現されているワインです。

アイスバインと合わせると、豚肉のコクがワインと合わせる事で更にふくらみを増しました。

「文句無いですね」

「うん、しみじみとしたアイスバインの旨みが広がります」

「しっとりとした豚の美味しさ、特に皮のゼラチンと脂と”ラ ヴィニェ”が抜群に合いますね」

「アイスバインのスパイシーな香りも、ワインとぴったりマッチしています」

塩漬けにしたすね肉を、ただただ煮ただけの料理ですが、素朴で力強い美味しさが広がります。確かに時間はかかります。漬け込みに1週間、塩抜きに2時間、煮込みに4時間・・・・

でも、ずっと付いてないといけない料理ではありませんので、是非挑戦してみてください。手間の数倍の素晴らしい美味しさが味わえます。すね肉は近所のお肉屋さんや百貨店に予め依頼しておくと手に入ります。また、肩ロースの塊やばら肉の塊でも作ることが出来ます。是非是非トライしてみてください。そしてブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ ヴィニェ”との絶妙な相性をお楽しみください。

2位に選ばれたのは、レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック、今年4月に新発売されたばかりのニューフェイスです。「レゾルム」とは、楡の木を示す言葉で、昔からフランスに多く生息する樹です。中世では楡の木で大聖堂や船が造られ、その後は楽器や鉄道にも使用されるなど、フランスの人々にとって非常に馴染み深く、身近な存在です。「レゾルム ド カンブラス」は、南仏生まれ、ペイ ドック(オック地方の地酒=IGPワイン)のワインです。夏は暑く乾燥し、冬は温暖で「1年365日のうち、320日は晴れている」といわれるほど日照量が豊富なエリアです。
醸しているのは、フランスNo.1※のワイングループ、カステル社です。カステル社はこの地域のポテンシャルに気づき「レゾルム ド カンブラス」をつくりあげました。フランスのテーブルワインとIGPワインのカテゴリーでは圧倒的なシェアを誇り、日常的に愉しめる、高品質なワインを世界中に届けています。レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニックは、親しみやすい味わいの赤ワインです。カシスやブラックチェリーを思わせる香りに、ほのかな甘苦系のスパイスのニュアンスがあります。力を感じさせる凝縮感のある果実味となめらかなタンニンが特長です。アイスバインと合わせると豚肉の脂と力のあるタンニンが出会って甘みに変わりました。ワインと料理のマリアージュの典型的なパターンの一つです。
※フランス企業で2018年売上数量が最大(IWSR2019)

2nd

レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック 

レゾルム ド カンブラス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック

フランス
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン

3位に選ばれたのはボッラ ソアーヴェ クラッシコです。ボッラ社は1883年の創業です。当時、素朴なヴェネト州の地酒であったソアーヴェの品質を磨き上げ、世界に、とりわけアメリカ市場に紹介しました。長い時間を掛け、アメリカ市場では「イタリアの白ワインと言えばソアーヴェ」、そして「ソアーヴェと言えばボッラ」と言われるまでに育てあげたのです。花のような香りのフレッシュでフルーティな辛口。ぶどう品種はガルガネガ種主体です。飲み口は爽やかですっきりとしています。魚介料理をはじめ、どんな食事ともよく合うワインなのですが、ソアーヴェの産地は海から遠く、地元では豚や鶏と合わせる事が多いのです。アイスバインと一緒に飲むと、流石、地元で愛される食材だけに、豚肉の滋味深いコクにそっと寄り添っていました。ワインも料理もどちらも美味しくなる素晴らしいマリアージュでした。

3rd

ボッラ ソアーヴェ クラッシコ 

ボッラ ソアーヴェ クラッシコ

イタリア
ぶどう品種 ガルガネガ、トレッビアーノ

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